「ヘレディタリー/継承」と「家族は呪い」という考え方について

※ネタバレを含んでいます。

いつだったか仲の良かった(過去形)友達に、つい気を許して「家族って呪いだと思う」とこぼしたら、「それは違う!駄目だよそんなこと言っちゃ」と言われたことがある。

その時、「ああこの子にとっては呪いじゃないんだ、こんなふうに思うのは正しくないんだ」と思ったとともに心をそっと閉じたけれど、対してこの映画は「家族は呪いです!!!皆さん家族は呪いですからね!!!」と何度でもぶん殴ってくれる。

だからもうとにかくどこまでも最悪な展開でしかないんだけど、その度に私は心が救われて泣きながら笑ってしまった。
だって家族って美しさも忌々しさも含めて呪いじゃないですか。
死ぬほど憎いのに憎みきれなかったり、愛せそうと思ったらまた失望したり。
近いが故に意思疎通できない時の絶望もひとしおだし。
なので、そういう部分をこれでもかとぐりぐり頬に押し付けられるようなこの映画、私にとっての正式なタイトルは「ヘレディタリー/最高」です。

それにしてもミッドサマーもそうだけど、アリ・アスター監督の映画は最後のトンデモ展開に思わず声を出して笑ってしまう。
というかママ役のトニ・コレットさんの顔が本当に良い。シャイニングのママを彷彿とさせる怖さ。あなたの顔が一番怖い。
あとママンあまりにも唐突にスパイダーマン過ぎるだろ。そしてこんなに裸が好きな監督ってアリ・アスターとホドロフスキーぐらいでは?
あまり詳しくないんで他にいたら教えてください。いや別に私は裸好きじゃないけどね。

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