見出し画像

[高校野球取材]三郷北高校

高校野球取材シリーズ。
前回は栃木の青藍泰斗高校さんにお邪魔させていただきました。今回はその第二弾。

お伺いさせて頂いたのは

「三郷北高校」

さんです!
Xで積極的に発信を行なっている大熊翔吾監督が率いる埼玉の公立校の三郷北高校、どんな高校なのか紹介させて頂きます。

三郷北高校とは
埼玉県三郷市に高校を構える三郷北高校。
三郷市埼玉県ですが三郷市は端の端、少し行けば流山や松戸、足立区や葛飾区などアクセスがよく東京や千葉と隣接している特殊な地理形態をしています
街の印象としては駅周りから道路がよく整備されていて広く歩きやすいのがとても良かったです。
グラウンドはライトが90mほど、バッティングケージとブルペンがありナイター照明ありと施設は揃っています。
昨年は2023年に埼玉ベスト8入りを果たした春日部東を1点差で破り埼玉春季大会に出場しました。

チームを指揮する大熊翔吾監督は地歴公民の教師を務める傍らで監督を務められてます。
越谷南高校コーチや白岡高校の部長を経て三郷北高校の監督に就任。
教え子には永島一樹選手(白岡高校-上武大学-バイタルネット)や小曲勇大選手(白岡高校-上武大学)がいます。
永島選手は昨年はバイタルネットへ所属しており、全日本選手権に出場しました。
(大熊監督曰く永島選手は「面白いヤツ」だそうで時折連絡が来ては1時間ほど話しているそうです。)

[練習風景]
練習はグラウンドに少しずつ選手が集まると各自アップを開始、集団でのアップはなく各々入ってきたタイミングでスタートします

そこからピッチャーはキャッチボール遠投の後にブルペンへ。投手陣は投げる日と投げない日で分けています。

ブルペンは2人まで投球可能
屋根付き&芝やネットも完備


野手はバッティング中心
日が暮れるまで打撃関係のトレーニング
4箇所に分かれて
テニスボール打ち、トスバッティング、素振り、ケージ内打撃を行います。

テニスボールを使ったバッティング
ネットに向かっての打撃
指導を受けながらの素振り
ゲージは手作り、下に芝を敷いている

日が暮れた後は1年生は室内でウェートトレーニング
2年生は外でラダーなどを使いランメニューをこなして最後は体幹トレーニング。
3時間半練習して終了となりました。


---------------------------------------------------
①[選手が集まらなかった赴任当初]

大熊監督が赴任した当初、部員の数は9名以下。
ようやく環境を少しずつ整え、いざ秋季大会というというところで助っ人が集まらずまさかの出場辞退

「本当に申し訳なかった」
と当時を振り返る大熊監督。
その一方、年々選手は集まる様になり現在では紅白戦が組める様になりました。

それでも昨季は3年生は1人のみ。
その1人については
「あの子は最後までよくやった」
と語っていました。
部員が少ない一方で今の2年生は経験が積めており今年はその経験を元にベスト8を目指します。

②[キャッチボールは毎日しない]
   このチームの変わった取り組みの一つが

               「毎日キャッチボールをしない」

                     というところにあります

投手のみなら分かりますが野手も含めて毎日キャッチボールはしないと言います。
アップ→バッティングに移るので
グローブを持って練習する時間の方が短い、それどころか0という選手も居ます。

この日はバッテリーのみキャッチボール


野手もノースロー、この様な取り組みをするチームというのはある意味異例中の異例とも言えますが大熊監督は
「遠投90m超の選手が複数人在籍している」との事
「毎日キャッチボールは必要ない」
しかしその一方でキャッチボールする際には必ず遠投を組み込むなどやる時はしっかりやるというところでメリハリが付いています。

③[「レッドコード」を用いたトレーニング]
赤いロープ状の器具「レッドコード」を用いたトレーニングで体幹やバランス感覚を養う事が出来ます。このレッドコードは「毎日やっても問題ない」との事で常に練習出来るようになっています。
レッドコード自体はリハビリ施設やデイサービスなどの期間からスポーツセンターに至るまで幅広いジャンルで使われています。負荷を変えやすく様々な使い方が出来るのが特徴の器具です。
大熊監督の教え子でトレーナーの口石健悟さんがレッドコードを用いたトレーニングに詳しく本格的な指導が可能になっています。

レッドコードでのトレーニングを実践する選手達

④[土日は紅白戦メイン]
この時期の土曜日曜は実戦的なトレーニングを行うため紅白戦がメイン、どんどん実戦経験をさせていきます。
一律の評価基準を設けて選手を評価していくスタイルで試合の中でどれだけプラスのプレーができたかどうマイナスになったのか明確に評価してデータ化をしています

野手は特に打と走塁をメインに攻撃面での評価を重要視しており、先制打や盗塁など重要なシチュエーションや得点機会の創出などのシーンで評価が高くなっています。

⑤[データを有効活用]
選手のデータはアプリを用いて細かく記録されており先述の評価基準のデータに加えて打率や長打のデータから盗塁成功率、OPSなども詳細に記録。選手1人1人のデータが細かく集められています。更にはテクニカルピッチやユピテルなどで出した回転数や球速、測定会での記録やメディシンボール投げなど様々なデータを大熊監督が表にまとめ管理しています。選手の能力や残した結果が明確な数値となって記録されており夏の大会前まではそれらを用いて評価し起用をしているそうです。

[注目選手ピックアップ]
佐々木琉優選手(左投手)
ポテンシャルの高い左投手で最速は131km/h
力のある投手で高めは伸びて来ます。変化球も決まるところでは上手く決まるタイプです。
まだ完成度は高い投手ではありませんがポテンシャルは一級品でメディシンボール投げは後ろ投げで18.2mと身体能力的には140km/hが投げれるくらいの力があります

左腕の佐々木君 オーバースローから強い球を投げる

丹羽潤弥選手(遊撃手) 主将
構え方の良いチームの主軸打者。
視野が広いのが特徴の選手、色々と気づく事が多くすぐに声掛けするなどプレー以外でも力を持った選手。
その力がプレーで活かされる事もあり、特に走塁に関しては普通の子がスタート切れないタイミングでスタートを切って次の塁を取る事も多いと聞きます。
練習でも一つ一つしっかり取り組む姿勢が評価されていました。

チームを取りまとめる丹羽選手(手前)

戸張瑛太選手(二塁手/投手)
ブルペンでキレの良いストレートと変化球を投げていたのが戸張選手。内野手として活躍する傍らで秋からは投手としての活躍の機会も増えてきています。
コントロールが良く、大きく逸れることがないのといい回転のストレートが来る好投手。
ゲームメイキングする力があり夏を勝ち抜くには欠かせない存在です。

コントロールとキレが良い戸張選手
野手としても活躍する

おわりに
今回は三郷北高校さんへお伺いさせていただきました!キャッチボールをしないなど独特の練習方法やブルペン・バッティングケージなどの施設を手作りするなど工夫が凝らされている特色のある高校です。
大熊監督は選手の自主を尊重する監督で自分の考え方ややり方を押し付けるというより選手一人一人が考えて動ける様にしたいというタイプ。
「コレとコレがやりたいです!」って選手が増えると更に強くなりそうな印象です。
そして大熊監督の目標は「甲子園出場」‼︎
その目標がいつの日か達成される事を楽しみにしています!

今回はこれにて終わり!また次回もご期待ください!

いいなと思ったら応援しよう!