【諸乗法数】3-225
【諸乗法数】3-225
結集三人
阿難 經藏
波離 律藏
迦葉 論藏
註 釈迦の死後、教えを再確認した時の中心人物三名。結集は「けつじゅう」。以下、日本大百科全書(ニッポニカ)より。
仏陀の入滅まもないとき、マハーカッサパ(摩訶迦葉(まかかしょう))たちの一行はある外道(げどう)から仏陀の訃報(ふほう)を聞き知った。ところが一行のなかの老比丘(びく)(僧)が、「このことは汝(なんじ)らにふさわし、このことは汝らにふさわしからず、と我らを悩ました大沙門(だいしゃもん)から脱することを得た云々(うんぬん)」の暴言を吐いたのである。これを聞いたマハーカッサパは、やがて正しい教法が乱れ、正しい戒律が衰えるときのくるのを予感して、「友よ、我らはよろしく法と律とを結集して、非法興り法衰え、非律興り律衰えるときに先んじようではないか」と提言した。かくしてマハーカッサパの指導の下に集会が開催され、アーナンダ(阿難(あなん))とウパーリ(優婆離(うばり))の2人が誦出者(じゅしゅつしゃ)となり、それぞれ法と律を誦(じゅ)したのであるが、これにあわせて参加者一同がともに誦出したところから、「合誦(ごうじゅ)」の名が由来する。このようにして仏陀の説いた法と律とが教団全員の記憶のうちに刻み込まれたのであり、仏陀の人格と意志が外化され、口誦伝承として確立したのであり、その意義はすこぶる大きい。
波離は優波離。元々は理髪師だったが釈迦の弟子となり、最も律に通じた人物。