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DIR EN GREYのライブへ行く【2024.11.13】


日記のようなものです。
私事、私見ご容赦ください。


疲弊。とにかく疲弊していた。
組織の統合で倍に増える仕事、クズ上司が飛ばされたは良いが、そいつが残していった未対応のアレコレ、不手際の余波、押し付けられた謎業務、新顔の難あり奴(休みがち)、よくわからないクレーム……
職場が泥舟になると見込んでか、優秀なエースたちは転職先を決めて去っていった……流石、先見の明がある。
こうなることなら私ももっと早く仕事から退散しておけば良かった……と思いながら、目の前の業務を千切っては投げ千切っては投げを繰り返していた。いつまで経っても底が見えない。頭が回らなくなってきている。残業3時間がデフォになっていた。
(まぁもっと大変な人は沢山いて、私が泣き言を行っていられる状況にないのだけれど…)

そんな中、10月12日のANDROGYNOS (PIERROTとのツーマン)で観たDIR EN GREYが忘れられなかった。
過去に音源を所有していた曲は勿論、チェックしていなかった20年近い期間の曲を遡り聴いた。
おかしいな。もう自分には合わないジャンルのロックだと思っていたのにな。
いや、今自分がこれを求めてる感じが理解できる。言わずもがな原因はストレス……。破壊衝動だったり、逆に痛めつけられたい願望だったり、そういう暴力的な欲求を満たしてくれている感じがする。
ギュンッギュンに沁みる。『朔』とか特に。

SNSを調べてみると、何とディルは来年、ラスベガスのイベントに出演予定とのこと。


ヘッドライナーはメタリカとリンキン。この手のロックに詳しくない私でも、その名は知っている。メタリカはリゾットのスタンドだし。(ジョジョ5部)

へー……
凄くない?海外ツアーをやるバンドになっているとは知っていたけれど。ディルってひょっとしてこの筋の日本代表扱いだったりするのだろうか。

おもむろにイープラスを開く。
今年二回目のツアーをやるらしい。(というか、めちゃくちゃライブやってるな。)
Zepp羽田、チケットある……でも平日……羽田は遠い……
定時で上がればギリ間に合うか。いや、今年中に消化しないといけない有給残日数がある。

……行こう。

正直のところ、仕事は11月に入って、気持ち的にちょっと落ち着き、破壊衝動が湧くようなフラストレーション(笑)もさほど無くなってきた。

そんな中、ライブの日が近づくにつれ、例の如く怖じけてくる。
勢いでチケットを買ってしまったものの、当然ながらZepp、ライブハウスのオールスタンディングだ。大丈夫だろうか、治安とか。モッシュやダイブはないみたいだけど……

vo.のX

……ほんとに大丈夫かな?ひょっとして想像以上に激しかったりする?
高校生のときに行ったライブもそれなりに激しかったけれども、田舎の市民文化会館で座席指定だったし……。あっ、でも最前で退場させられてた客がいたな……。それに、当時のディルはまだV系色が強くて、メタル感?ラウド感っていうの?はさほどなかったし、今ってどうなん。
ヘッドバンキングは……これも高校生のとき、SEX MACHINEGUNSのライブに行って激しくヘドバンをしたあと、1週間体調不良が続き、以来トラウマになって全力では出来ない。
ていうか冷静に考えて、速い曲に合わせて頭を振りまくるなんて、正気の沙汰じゃない。『残』(ディルの代表曲)でちょっと練習してみたけれども、生命の危機を感じてイントロで止めた。
どうしよう、楽しめるかしらん。不安だ……。まぁ、後ろの方で大人しくいれば問題ないでしょ……。たぶん。



当日、Zepp HANEDAへ向かう。
スタート1時間前には会場付近に到着。すると、目に入った待機場所の人数が既にやばかった。え、2,000人規模ってこんなにだっけ??
いや、たぶん男性比が多いから質量が大きく見えるのかもしれない。3、4割くらいが男性客と見受けられた。
あと、外国人のお客さんも散見できる。海外ファンが多いのは流石というところなのかしら。
とにかく、10月のときのツーマンと、雰囲気が違う……なんか、イカついぞ。

チケットは1500番台(後ろの方)なので、ゆるりと入場を済ます。
さて、どの場所で見るか……なんて考えず、逆最前(ステージから1番後方)のPA席横に落ち着くことにした。ここなら絶対大人しめのゾーンだろう。ステージは全員見えなくとも、フロントとドラム、上手ギターが分かる。
とにかく今日は雰囲気だけ楽しむ心づもりとした。

SEが鳴り、メンバーが登場。名前を絶叫するファン。既にボルテージは上がっている。なんかもう、熱量が違う……
京(vo)が登場。10月に観たときはバチバチのメイクにスキンヘッド&サイド三つ編みロング、背中には赤子の人形を逆さに背負う奇抜スタイルだったのに、現れたのは丸坊主に黒Tシャツ黒パンツの、結構ラフな出立ちだった。何、この振れ幅。


ライブスタート。

想像してたんと違う。
大人しいと思っていた後方の観客も全然穏やかでなかった。
目の前に立っていたお姉さんがファンとして模範的な歓声を上げる。激しい曲になると華麗なヘドバンが炸裂、美しく舞う髪柱。
前方の席はもっとやばい。後ろから見ていて壮観としか言いようがない。みんなヘドバンが上手い。きっと歴戦の猛者だろう。そりゃそうよ、25年以上駆け抜け続けているバンドだもの。ファンも鍛え抜かれている。

(いや、ディルがかつてザ・V系でヒョロっとしてた頃のファンはどのくらい残っているのかは知らんけど……)

コール&レスポンスで、観客がサビを歌う『激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇』(←タイトル)では、私の右隣から超絶美声のハイトーンボイスが……めっちゃ歌上手い。思わずそちらを向くと、女性と思ったら男性ファンだった。強い。

熱いファンのそれもこれも、貫禄のステージあってこそ。骨太、マッシブ、ハードコア。かと思えば繊細だったり。
特に京の歌唱は10月のライブとYouTubeを観て、生でもっと聴きたいと思っていただけに、それが叶って感動した。コンセプトが強いライブ、感情が乗りまくっている。
「首持ってこい!!!!!」
「もっと!!!!!」
の煽りに乗らないでいられない訳がない。
正直、私の頭に入っている曲は二曲くらいしかやらなかったのだけれど、そこそこ頑張って頭を振ったし「キョーーーーー‼︎‼︎ピギャーーーー‼︎」くらいの歓声は何度も出した。

ライブ中、演者のバックスクリーンには、[who is this hell for]のツアータイトルを象徴するようなグロテスク、不気味なイメージ映像、戦争記録が映し出される。
ディルの音楽が、ロックのジャンルとして勿論だけれど、内容も人を選ぶバンドというのは確か。それでも長年にわたり強いファンを惹きつけ続けているのは何なんだろう。うまく理解、説明できない。でもワンマンライブならではの、ディルの凄みを感じれたのは確かだった。

ライブ終了。
全体として、初心者には難しい内容だったかもしれない。まぁ、それ込みで、私はDIR EN GREYのライブを観たぞ……!という達成感を十二分に味わった。満足のため息が漏れる。

退場開始からしばらく後、逆最前からの眺望

退場。
当然のことかもしれないけど、穏便に滞りなく人は流れていく。残るフロアにゴミが散乱するようなこともなく、ファンの治安は良さそう。オラついた輩っぽいひとも、結局居なかった。
ライブでは物騒な演出に狂乱するファンだけれど、みんなちゃんとしてる。怖がってすみませんでした。

あまりにダークな世界観だし、ジャンル的に表立って評価されないかもしれない。でも、世界で通用する日本のバンドが、しかもV系出身で居るぞっていうのが、もっと世間に知れててもいいんじゃないかな。

ロビーのお花


またいつか、ライブに行くことがあるかもしれない。
sukekiyo(京の別バンド)も、ちょっと気になっていたりする。

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