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フーテン族のライブへ行く10【2024.9.11】

"渋谷うたの日"inクラブクアトロ。
フーテン族の出演が発表されてから楽しみに待っていたイベント…
だったけど、ファンとして一抹の不安を抱えていた。

出演者の並び。ポスターのアー写では馴染んで見えるかもしれませんが、一組、内容面で浮いていないでしょうか。フーテン族さんって、アレですよ。他の方々とベクトルが、ちょっと違いませんかね。

いつものライブだって同じことが言えるかもしれない。でも、今回の共演には、BEGINが。あのBEGINぞ。
当然、お客さんの年齢層もいつもと違うだろう。実際入場してみるとやはり、フロアは50代以上と思しき往年のファンが多く窺える。

そういえば、今日はカバー曲をやるとXにあった。なるほど、ここで彼らは誰もが知るどメジャー曲を演って、観客を掴みにくるんだろう。把握しました。楽しみだなぁ。何やるのかなぁ。
初ワンマンをやったB.Y.Gのご縁で出演することになったみたいだから、はっぴぃえんどとか、そのあたりにまつわる曲かもしれない。
オリジナルも落ち着いた明るめの曲中心で、セトリはこんな感じだろうか……
とか。何となく予想していた。

さて、満を持して、フーテン族のステージ。
一曲目からして初めて聞く音……早速カバー曲らしい。
ん?めっちゃカッコいい。
カッコいいんだけれども?
原曲何???誰の?何て曲……?
後で歌詞検索して分かったのが、

守備範囲外でした

選曲尖ってない?それとも私が無知なだけで凄くキャッチーなメジャー曲だったりするんだろうか。せめてフーテン族ファンを名乗るなら、ココ抑えとかなきゃマズかったりする???まさか。

その後のオリジナル曲も攻めていた。というかハコが広い分、気合の入った平常運転といった感じか。その内容に、初めての観客に媚びようなどとは感じられない。

MCでひとこと、
「フーテン族です。覚えてよ」
と山下氏が言っていたので、当然初見の観客を意識していないわけがない。でも、このステージ。色の強いバンドだから、勿論観客の中には置いてけぼりを食らう人もそれなりにいるだろう。でも刺さる人にはブッ刺さるのがフーテン族だった。あぁ、そうだったそうだった。よそいきに取り繕って間口を広くしたところで、本領を理解してもらえないなら意味がないか。

しかしながら、私の前方にいたBEGIN・Y.A.Bの強火担と思しき女性も、隣のかりゆしシャツのお兄さん方も、はじめこそ面食らってた感はあったけれど、結構ノリノリでステージを楽しんでいたし、色んなことが杞憂だったのかもしれない。

過去のライブでフーテン族のステージ終わりには、後方から対バン相手やそのファンが、「凄ぇ」と感嘆の声を漏らすのを何度か聴いてきた。
その日、客層やステージの大きさが違っても、例に漏れずそんな感じだったと思う。

多くの観客から、大きな拍手と歓声。合計6曲、あっという間だった。爪痕を残すとかではなく、想像以上の大鉈を振るっていった。気がする。

その日のイベントを通してのアンコール、最後の一曲は、出演者一同がステージに上がることとなった。フーテン族からは山下氏が登壇。
一緒に見にきた友人も、近くにいた観客も、メイクを落とした素の状態で出てきた彼に、明らかに動揺している節があった。ちょっと前までシャウトし躍動していた白塗りの男と、あまりにもキャラが違いすぎて同一人物として理解できていないようだった。
(わかる。私もそうだった。)

曲は優しいバラード。ボーカルがワンフレーズずつ歌を繋ぐ。山下氏歌唱のターンでは「あ、そういう穏やかな声でも歌うんだ」という意外性のせいか、周囲の空気が一瞬緩んだように感じ、ちょっと笑ってしまった。

公演が終わり、退場。
化粧室の待機列でフーテンさん?フーテン堂??とライブの感想をお話しされているお姉さんたちがいたので
「あ、フーテン族です。」
と割って入ってしまった。更には
「山下氏は馬術をされており…」
等々とプレゼンしたところ
「えっ……なるほど、高貴……」
と反応いただけた。どうだ、ギャップに萌えるだろう。新たなファン獲得に一役買えたなら是幸い。
(やばいファンだと思われてないといいけど。)

この日のイベント、BEGINを中心にロック喫茶B.Y.Gに関わる出演者という括りがあってか、終始アットホームな雰囲気で進行した。
(そんな中でフーテン族は、スパイス的な役割だったかもしれない。)

最終的に、三重県人の私も神奈川県人の友人も、島人になっていた。9月といえど、まだ夏のうだる空気が残る中、何ともエモーショナルで良い体験をしたと思う。

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