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フーテン族のライブへ行く18【2024.12.19】
ライブ日記です。
私見、何卒ご容赦ください。
ある日いただいたフライヤー。フーテン族、KING BROTHERSとのツーマン!
これはアツい。
場所は――"国立地球屋"とのこと。へぇ、王立宇宙軍(オネアミスの翼)みたいなSFチックな名前のライブハウスで…………
あ、"くにたち"、か!"こくりつ"と読んでいた。
……国立ってどこ???遠いな…でもってド平日木曜日……これは厳しそう。
――でも見たいと思ってたKING BROTHERSとだ。それに箱となる地球屋、調べれば中々素朴で良さそうだった。キャパは小さめ。ここでこの二組が見れるなんて、どんなライブになるのだろう。
行くべきか行かざるべきか、悶々としているところ、同志ファンHさん(界隈で顔広し)より「絶対濃いライブになる!」と背中を押していただき、決行することにした。
そういえば――ここ数ヶ月でファンのひとと顔見知りになって、普通に会話したり情報を頂けたりするようになっている。
これまで、どんなライブでも基本一人で行って、孤独に感想を嚙みしめるのがほとんどで、ファン同士で関わりを持つことは無かった。
(故に、このようなブログに吐き出していたわけで。)
そういう人たちと今ではSNSで繋がりを持てたりなんかして、自分としては、なかなかに不思議で面白い経験をしているな、と思う。
*
ライブ当日。
帰宅ラッシュの中央線、人波を掻い潜り、初めて国立駅に降り立つ。
無事、地球屋へエントリー。内部は細長い面積のつくりで、最奥の幅いっぱいがステージとなっていた。天井には可愛い瓢箪のランプが飾られていて(売り物らしい)、ポップかつオリエンタルな雰囲気を醸している。
前回ワンマンぶりの再会となるファンの方を見つけ、挨拶。今日は最前で観ようと、早めにここへ来たそうだ。
「こんなに近くで観れることも、早々なくなっちゃいそうな気がするし」
という彼女の言葉に少しドキリとする。
……そ、そうですね。そうなれば大変喜ばしい、と思いつつ、何だかそれが惜しいようで複雑な気分になった。
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いざ、先攻フーテン族のライブがスタート。
一曲目、『目があった』でゆっくり、激しく世界観へ導入。次曲へアップテンポに展開するとき、
「KING BROTHERS倒します」
とマイクが煽った。また、途中MCでも
「僕たちKING BROTHERS大好きですけど、今日はVSなんで白黒はっきりつけたいとーー」
と、バチバチに好戦的だ。
おお。そうだね、強大な先輩だろうが噛み付いていかないとね。いいぞ。ナイスMC。
が、続けて
「……今日僕以外、全員風邪ひいてて…」
?!
「特にこっち(下手側)やばいんで気を付けてください…」
との言葉に、前方下手客(私含む)、失笑。
そういえば?一部メンバーのテンションが……?言われるまで演奏はそんなに気にならなかったけど……ひょっとして省エネモードだったのか。大丈夫なのか。
今日はツーマンだから、イベントのときよりいっぱい曲聴けて嬉しい~、と思っていたところ、逆に長尺が心配にならないでもなかったが、
ライブは遜色なく盛り上がり、しっかりとおよそ1時間のステージを完遂。十二分にライブを楽しませてもらった。
お疲れ様でした。
この日、普段目にするファンの姿もちらほら欠けていたりした。
というか、件のHさんの姿も見えない。伝え聞く話によるとやはり体調不良とのこと。
その四日前、私が行けなかったライブで良からぬ何かが蔓延してしまったのか。季節柄、世間でも感染症が流行りではあるし、仕方なし。皆々様しっかりご自愛して治してほしい。
後攻、KING BROTHERSのターン。
彼らのライブの様子はYouTubeで知っていたけれど、この空間ではどんなものになるのか。不安もあり後方へ移動することにした。
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ライブスタート。
ステージに立つのはたった3人。なのに、始まってすぐ、その立ち振る舞いに大きな存在感の圧を感じた。
ライブって音と視覚的なパフォーマンスとの比率で構成されてるものなんだと思っていたけれど、
音とパフォーマンスって掛け算、いやそれ以上のものを生むんだ、と。それくらいの爆発力。
ファンでなくとも、その場にいてアガらないでいられなかった。音に聴き入るでなく、魅入り、踊らされていた。
恒例、マーヤ(Gt.スクリーム)がステージを離れ、観客の上を流れる。これは一瞬も気が抜けず、想像以上に忙しい。
後半ドラムセットが移動。まさか、この空間でのフロアライブ?!
前半こそ日和って遠巻きに観ていたものの、どうやらそれは許してくれないらしい。ついには私もマーヤの担ぎ手になってしまった。
私の視界の端、側にフーテン族Dr.藤野氏、Vo.山下氏が居るのに気づいた。
曲と曲の間、観客に担がれた状態のマーヤがそちらを見ている気がする。これは何かが起こる予感。
僭越ながら、ビデオ録画を開始する。
(以下、その動画より、マーヤの台詞一部を文字起こし)
「まだまだ日本には!こんなバンドがいるから!君たちのアンテナを張り巡らして!とても素晴らしいバンドに!まだまだいるから!出会ってくれよな!rock 'n' roll!!!!」
盛り上がるオーディエンス。歓声。
「その中のひとつ!フーテン族!!!」
マーヤ、山下氏の頭上へ進行し、乗る。
「これが最後の曲かどうかもわからんけど、一旦締めときます。
現時点で!お前たちには、絶対に負けない!!
FU〇K YOU!!!!」
ドラム音:ドコドコドコドコ……(次曲へ)
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こ、これは……かっこよすぎる。激アツ。映画化決定。
流石KINGを冠するバンド。強い。まるで嵐のようなステージだ。
やべー、KING BROTHERS、超楽しい!気づけば額は汗でビチャビチャに濡れていた。
そもそもまったく性質の異なるバンドなので比較の仕様はないにしても、
悔しいかな、今日のコンディションだと軍配は明らかな気がする。私のハートは完全にマーヤに持っていかれてしまった。支えた時に感じた重みを、忘れたくないと思う。凄いライブだった。
私が感動で放心しているところに、側にいた山下氏・藤野氏の会話がふと耳に入ってきた。
「マーヤ、ベタベタしてた。」 ※
ん〜〜…、もっとエモい感じの感想が漏れ聴こえてきたなら、シーンとして完璧だったのになぁ〜〜
(※パフォーマンス中、トイレまで担ぎ運ばれ、スプレーをまき散らしながら戻ってきたので、おそらくそれによるもの。)
エキサイティングな体験に、しばらくジンジンした余韻が体から消えないでいた。
Hさん、このライブを勧めてくれて、本当にありがとうございました。
帰路、中央線の車窓から望む夜空にHさんを思い浮かべながら、心の中で手を合わせた。
*
この日が、フーテン族の2024年最後のライブだった。
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出会えて1年、本当に楽しかった。
3月からカウントして18回のライブ参戦、よく行ったなぁ……と思う。内心、少し控えないと、という理性があるのだけれど、飽きさせてくれないから、これはもう不可抗力と諦めている。
年明け、2月までライブの予定が何本もあり、1月にはワンマン開催も控えている。
2025年もガンガンに振り回してほしい。