「ドラゴン桜」と「PKで真ん中を蹴ること」
ドラゴン桜2の最終回がやっていましたね!前作がちょうど自分が受験した2005年に放送されたいたことを知り(当時はやっていることすら知らなかった。。)、なんとなく気になって観てしまいました。そして観始めた瞬間、"嫌"な気持ちになっていた自分にちょっと驚いた。
現役では落ちてしまったけど、浪人して第一志望には受かったので、結果的にはいい思い出になっていたのかなと思ってたんだけど、どうやら「受験」は自分にとってあんまりいい思い出ということに15年たって、気が付いたのです。
そんな当時のことを振り返っていたら、実は、当たり前の選択肢って、よほどの自信と覚悟がないと選ぶことができないんだなってことを改めて痛感した、という話です。
考えすぎて失敗した現役時代
僕は、学芸大学附属っていう国立の割と進学校的な高校にいて、周りの人に流される形で東大を目指していた。高3になって本格的に受験勉強をし始めたのが遅かったこともあり、とにかく自信がなかった。
だから、自分なりに勉強法的なものを考えまくって、この科目はこの塾に行って、この科目はこういう勉強をして、というのをひたすら試行錯誤していた。結果的に、やったことはかなりヘンテコなことになってしまったし、方針転換を繰り返しすぎて網羅的な勉強ができないまま受験に望むこととなり、結果は案の定不合格だった。
何も考えなかった浪人時代
自分に心底自信を失った僕は、考えを180度変えて、もう言われた通りやろうって覚悟を決めた。通っていた河合塾で出てくる教材だけをひたすら勉強し、単語帳すら使わず、本当にただただそれだけを毎日16時間予習と復習を繰り返した。
1年たって、合格発表を見た時、もちろん嬉しかったけど、「まぁあれだけやって落ちる人流石にいないでしょ、、」という気持ちがそれをはるかに上回って素直には喜べなかった。
今振り返ると、あれだけ頭使ってもがいた現役時代に何の成果もでず、何も考えず言われた通りにただただやった浪人時代に簡単に成果が出たことが、やっぱりちょっとショックだったんだなと思うんですよね。
「言われたものだけひたすらやる。それ以外一切しない」って案外難しくて、余程の覚悟か自信がないと、これじゃダメなんじゃないかって恐怖に負けてしまって、あれもこれも手を出したり、やり方を急に変えてしまう。現役時代は、言われた通りに王道のことやって、これで周りと差は埋めれるの?どうにか差をつけるために「自分なりの道」を探さないとって躍起になり過ぎていたんだと思う。
ドラゴン桜で、生徒たちが、一見トリッキーだけど王道な勉強方法を、言われた通りに一直線に勉強している姿をみて、しみじみと現役時代の自分と重なって見えて、王道のチョイスを選択してやり切るのって本当に難しいよなということを感じた。
それと同時に、これって「PKで真ん中蹴ること」とすごい似ているなと思った。
「PKで真ん中蹴ること」の難しさ
PKってどこに蹴るのが一番成功確率高いかっていうと、、そう「真ん中」なんですよね。(正確には「真ん中上段」で、その成功確率は97%!)
ソース元:https://www.premierleague.com/news/317996?sf53320028=1
じゃあ、なぜみんな真ん中に蹴らないのか?
答えは簡単で、真ん中蹴って失敗して批判されるのが怖いから。皆さんは、ワールドカップの決勝戦、PKで全てが決まるって時に、真ん中蹴る勇気ありますか? 僕にはないです笑。
でも、1%でも勝ちたかったら真ん中に蹴るべきであり、それをしないのは蹴らないことはチームに対して最善を尽くしていないってことになりますよね。でもそれをするのが難しい。
王道をいかに選ぶか
結局、失敗したときに間抜け扱いされることを受入れられる人だけが、一番確率の高い選択肢を選ぶことができる。これって、ビジネスとか経営でも全く同じで、どうしても、どうにか勝ちたいと思えば思うほど焦って、「他社がやっていないこと」、「新しいこと」って考えすぎてしまう。
でもそれは結果として、勝率を下げていることだったりする。ダメだった時、その他大勢から「あんなの誰でも思いつく」、「ただ成功パターンをなぞっているだけ」、「あれでうまくいくと思っていたなんて間抜け」って思われたとしても、当たり前の選択肢を当たり前に選ばなくっちゃいけない。
これをやりきるためには、相当な覚悟か自信が必要です。ドラゴン桜では桜木先生がその覚悟を与えてくれたし、受験時代の僕は一度失敗して間抜けを自覚することができた。
今、僕がいるFinatextでは、色々な試行錯誤を経て、、気がついたら「金融機関が使うレガシーな"基幹システム"を、モダンなテクノロジーで再構築する」という、直球ド真ん中なテーマに挑んでいます。
自分の性格上、確実に勝ちたいと思ってしまうタイプなので、どうしても戦略とかプロダクトのチョイスとか組織設計とかで、他社がやっていないこと、ちょっと変わったことをやろうとしてしまう。でもそれは、「本質的に王道なこと」なのか、「ただ奇をてらっているだけ」なのか、ちゃんと見極め、「王道」を選択しなければいけない。
受験は個人プレーだけど、ビジネスは圧倒的なチームプレーなので、「王道」を選択するための覚悟を、そして自信を、チームメンバーやビジネスパートナーと共有することがより大事になる。そう考えると、ビックマウスでそれを吹聴することもやっぱり重要なんだろうなと思ったりする。
「自信と覚悟を口にすることは、王道を歩むためにある。」
そんなことを思ったのでした。
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