もうひとつの「君をさがして1億光年」
もうひとつの「君をさがして1億光年」はじまりはじまり〜
惑星ツアーでパパとママと共に地球に訪れたキノです。いい香りのお花を集めて、すぅ〜！パパとママにこのお花を見せてあげよう……
と思ったのに、パパとママがいません！なんてこった！
確かここに宇宙船があったはずなのに。雨もしとしと降ってきて余計に不安になってきました。
そこに映実が通りかかります。「わ！宇宙人？ひとり？もしかして迷子？日本語しゃべれる？お名前は？」物怖じせず、たたみかける映実です。
「キノ……。マイゴ……」キノは小さな声で返しました。「そっか迷子か。雨も強くなってるし、とりあえずうちで雨宿りしなよ」キノをおんぶしてお家に招きました。
「しょんぼりしたときは甘いものだよ！」映実はお得意のホットケーキをたくさん焼きました。ところで後ろに干してあるのは漫画の原稿。映実の職業は漫画家さんなんですって。
なにかヒントがあるかなと思って観た「E.T.」。わわわごめん、泣いちゃうよね。
翌日、キノが不思議なダンスを踊るので楽しくなって一緒に踊りました。宇宙船をよぶ踊りなんですって。すると……
わあ……！！！！
宇宙船、来たーーーーー！！まばゆい光に包まれたかと思うと
あっという間に宇宙船のなかに取り込まれました。船内にはキノのパパとママ、たくさんの仲間たちが。みんなぽよぽよのぷよぷよでほよほよでした。ウェルカムドリンクをどうぞ！しゅわしゅわとさわやかフルーティなお味！
「エイミ、タスケテクレテアリガト！オレイニ、キノノホシアンナイスル！！」そうキノが言うと宇宙船がぐぉおおおおおっと音を立てて光の速さで前進しました。「トウチャク！ココハ、ドウブツエン！」地球では見たこともない動物に映実は大興奮。
「オツギハ、スイゾクカン！」大きくてカラフルなクラゲのような生物と海中を大冒険！
「サイゴハ、ソラノコ！」空の子と呼ばれた龍にまたがり、ふたりは宇宙を上昇したり急下降したり。どこまでも走り続けました。
夜、キノは映実を無事に地球に送り届けました。「キノ、キノの星の素敵なものをたくさん見せてくれてありがとう」「エイミガ、タスケテクレタオカゲ！」ふたりはぎゅっと抱き合いました。いつか、また会えたらいいね。そんな約束をして。
それから映実はキノとの出会いを物語にすることにしました。いつかまた誰かが迷子の宇宙人を見つけたときのために。
数年後ー。映実の漫画はなんと宇宙でも読まれていました！Emazonプラネットなら宇宙のどこでも宅配可能です。キノの仲間がわらわら集まってきて、見たい見たいとわいわいしております。
夢のような日だったけど、夢ではなかったみたい。空の子のうろこを光にかざして思う映実なのでした。おしまい。いいなと思ったら応援しよう！
