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拍手喝采、非難轟々、人生色々
下書きに入っていたnoteをせっかくなんで蔵出しします。
※あいうえお作文の「中庸」と「そらもよう」は
明日公開致します。
たくさんの色を、皆、持っている。
12色では足りないほどの色を。
ある人が右手のひらに青い色の絵の具を塗りたぐり
馬鹿みたいにでかいキャンバスへ色のついた
右手をどんっ!と押し当てる。
感客はわあと歓声をあげる。
お次は左手に赤色を塗りたぐり、キャンバスにばん!と手をつく。歓声轟く。
右足で緑色、左足で金色。
キャンバスを豪快に男勝りに蹴り飛ばす。
飛沫が辺りに飛び散って、アート的な何かにも見ようとすれば見れる気がする。
最後にバケツいっぱいに注がれた墨汁に頭を突っ込んで、顔面からキャンバスに突っ込む。
魚拓ならぬ顔拓。痛い、すごい痛い。
いま、遠くで歓声ではなくぎゃっ!と悲鳴が聞こえた。
最低、信じられない、気色が悪い、関わりたくない、お里が知れるわ。きっとあいつは干されるに違いない。忌々しいから呪ってやろう。
通報しましょう。そうしましょう。
ねえねえオーディエンスの皆様、今ぶちまけた
青や赤、緑、金色、黒の正体は、私やあなたが紡いだ作品やアイデアの比喩です。
私の作品および私自身への
賛同も拒絶もすべてあなたの判断に委ねるし、
作品をどう捉えるかもすべてあなたの自由だよ。
反対に私があなたに賛同することも
拒絶することも自由であっていいはずだ。
それこそが対等な関係。
いつかあなたが私から離れてしまうかもしれない。
反対に私があなたから遠ざかるかもしれない。
だけど、それはすべて選択の自由の元に成り立っていることだよね。
私はできるなら、あなたとは付かず離れずの関係を保ちたいです。
それでもお互い、どうしてもいい距離感が取れない時には、本当にごめんなさい。
「いつまでもきみのともだち」でいられなくなるときも当然あるよ。
私は聖人ではありません。
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