受けるか、受けないか
さて、いよいよヤバいなと思って病院にかかろうと思った訳ですが、問題は病院。股関節専門医の先生がいるところで探しましたが、最初はなかなか見つけられず。
膝や脊髄は沢山出てきても、股関節ってなかなかないのです。
見つけてくれたのは母。知り合いにたまたま骨切り術→人工関節置換術を受けた方がいたそうで、その方の知恵を借りて見つけてくれたのだそうです。
JR東京総合病院。
ここには、股関節の専門外来があります。
他にも股関節専門医の先生がいらっしゃる病院はいくつかありましたが、専門外来があったのはここだけ。
人工関節置換術は沢山症例があると思いますが、骨切り術はかなり少ないようで、ここJR東京総合病院ですら年に数件しかないとのこと。そんな中やはり専門外来があるというのはとても安心です。
家の近医で紹介状を書いていただき、いよいよ受診。
レントゲンを撮り、診察を受けます。
基本的には以前他で受けた診断と同じでした。
両股関節臼蓋形成不全。
但し、左は変形性股関節症の初期。つまり軟骨が減り始めているとのことでした。
骨切り術を受けるならすぐにでも受けないと、これ以上減ってしまうと骨切り術を受ける意味がなくなってしまうということ。入院期間は約2ヶ月半。
骨切り術を受けないなら、このまま痛みと付き合い、軟骨が擦り減りきるのを待って、人工関節置換術を受ける。
治療法としてはそのどちらかと言われました。
人工関節にしたら、クライミングはできるのか聞いてみましたが、激しい運動は不可。骨切り術では骨がくっつきさえすれば、運動制限はなし。
その場では決められず、その日は一先ず帰ります。
そこから色々考えました。
仕事は辞めようと決めていたけれども、このコロナ禍で、辞めて入院して、また新たに仕事に就けるのか?
お金は足りるか?
骨切り術を受けたら、今思うように登れなくなってきている状態から、また上を目指すクライミングができるかもしれないとういうこと。
受けない選択をしたら、今以上に登れるようになることはもう期待できないとういうこと。
それから、プライベートな話になりますが、骨切り術を受けたらもしかしたら子どもをもつことができるのかもしれない、とも思いました。
歩けないような状態だと、自分の身体を支えられないわけで、妊娠は勿論、その後の育児なんてとてもではないけれどもできるとは思えなかったので、私は子どもをもてないと思っていたし、そうすると、結婚したい人って子どもが欲しい人だろうし、結婚もできないだろうなあと考えていたのです。尤も、結婚できなくても別にいいかなあと肯定的に受け止めていましたが。
ま、これは相手も必要なことで、骨切り術を受けたからといってできるとは限らないですが、考えを左右したことの1つでした。
そして、やはりクライミングのこと。
外岩が好きで、初段を登りたいと思っていたし、上を目指していきたいと思っていましたが、現状どんどん登れなくなっているし、外岩に行くこと自体が困難になっていること。
ただ単純に、このまま登れなくなっていくのは悔しかった。
いずれやめなければならないにしても、ある程度登った実感をもってやめたい。
人生は、1回だけ。
骨切り術を受けると、決めたのでした。
Hitomi