わたしの本棚147夜~「酔いどれ」
幻創刊45周年を記念して、幻主宰の西谷剛周氏の第3句集が刊行されました。記念DVDと御恵贈いただき、恐縮です。おめでとうございます。
あとがきによると、不謹慎だと思われる懸念はあるが、今回の句集の中に酒の俳句が20句以上もあったから、「酔いどれ」という句集名にしたそうです。句会のあとの一杯が好きという剛周氏。定例句会後の直会が幻の原動力となっているそうですが、45周年を機に、酒の力を借りずに作句に努めようとも思っているとのことです。
☆「酔いどれ」 西谷剛周著 幻俳句会
幻の主宰として、関西現代俳句協会の事務局長として、ご活躍されています。この句集では、平成29年から令和3年までの俳句が並んでいます。年代ごとに6章からなり、各章には花八手、蛇の衣、煤払う、野火走る、建国日と題名があり、番外としてロシアのウクライナ侵攻への怒りをよんだ戦火の俳句を書き足されています。そんな中、好きな5句です。
☆げんげんの浮力二人で寝ころんで
☆鳥帰る原発という忘れ物
☆違うこと云うて熱燗ごぼう天
☆石窯に入れるピザ生地鰯雲
☆蛇穴を出て着弾の大き穴