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わたしの本棚

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#幻冬舎文庫

わたしの本棚140夜~「隣人の愛を知れ」

わたしの本棚140夜~「隣人の愛を知れ」

都会に生きる6人の女性たちの物語です。水戸家の母美智子、姉和歌、妹ひかり。立花莉里、スタイリストのヨウ、女優の青子。それぞれの恋愛や暮らし方を通して、女性の生き方を鮮やかに描いています。6人の群像劇で、一人5ページ弱の話が、冬至のあたり、クリスマスのあたり、小正月のあたり、節分のあたり、桃の節句のあたり、春分のあたり、こどもの日あたりと季節の推移とともに語られていました(ちょうど今の季節の移り変わ

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わたしの本棚133夜~「決戦は日曜日」

わたしの本棚133夜~「決戦は日曜日」

1月7日公開の同名映画のノベライズ本です。本の末尾に映画「決戦は日曜日」の脚本(坂下雄一郎)をもとに書き下したもの、と書かれています。

☆「決戦は日曜日」 高嶋哲夫著 幻冬舎文庫 693円(税込み)

~読んでから観るか、観てから読むか~
昔、映画の宣伝コピーにありました。小説の方は、映画に忠実であり、肉付けした感じです。川島有美は川島昌平のひとり娘で、30歳のときの子で、10年前に妻が他界して

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わたしの本棚113夜~「ゴッホのあしあと」

わたしの本棚113夜~「ゴッホのあしあと」

 ゴッホと林忠正を描いた、原田マハさんのベストセラー小説「たゆたえども沈まず」の副読本!と帯にあります。この本は、小説ではなく、ゴッホの伝記部分と「たゆたえども沈ます」創作の過程での原田マハさんが感じた疑問、苦労したところなどを書いています。ゴッホのあしあとをたどる旅として、彼に関連した場所を原田さんが旅し、その印象も書いています。最大の謎であるゴッホの死について、原田さんの見解は自殺であろうとの

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わたしの本棚33夜~「蜜蜂と遠雷」

わたしの本棚33夜~「蜜蜂と遠雷」

 ☆「蜜蜂と遠雷」恩田陸著 幻冬舎文庫 803円(税込み、上下あり)

 ピアノコンクールの舞台裏、若き4人の天才ピアニストたちのコンクールにかける思い、人生を描いた作品です。音楽コンクールの4人の候補者と選考委員の悲喜こもごもを描いて、そこから、人生を照らす手法は、ありふれているものの、丁寧に描いて好感でした。直木賞と本屋大賞を同時に受賞という快挙の作品でもあり、石川慶監督で映画化もされました。

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わたしの本棚6夜~「紅い砂」

わたしの本棚6夜~「紅い砂」

 高嶋哲夫先生の夢は、ハリウッド映画の原作を書くことだそうです。この「紅い砂」はスケールが大きく、映像的で、ハリウッド映画の原作にぴったりです。10月からアメリカで英語版も発売されました。そして、夢の応援プロジェクト・クラウドファンテングでは、目標額の150万を越える金額が集まりました。

☆「紅い砂」高嶋哲夫作 幻冬舎文庫 790円+税

中米の架空の小国コルトバからの難民流出に悩むアメリカ政府

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