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わたしの本棚

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2022年10月の記事一覧

わたしの本棚153夜~「旅をする木」

わたしの本棚153夜~「旅をする木」

とにかくスケールが大きいエッセイでした。アラスカを舞台にして、自然、仕事、仲間、生き方・・・どれもスケールが大きく、哲学的な思考もあって、面白く読みました。上質の珈琲を飲んだときのような心地の良い読後感で、ページをめくるのが惜しくなる、終わってほしくない、ずーっと読んでいたい気持ちになるエッセイ集でした。

☆「旅をする木」 星野道夫著 文藝春秋 1500円+税

 文藝春秋11月号の巻頭エッセイ

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わたしの本棚152夜~「鈴木しづ子100句」

わたしの本棚152夜~「鈴木しづ子100句」

 元船団の会の武馬久仁裕氏よりご恵贈いただきました。ありがとうございます。10年ほど前に、俳人鈴木しづ子氏に関しては、調べて文章を書いたことがあって、その時、自分を投影したような俳句には痛々しさを感じて哀しくなりました。

 町田康先生の著作「私の文学史」(NHK出版新書)のなかに、「おもろい詩の四条件」というのがあります。この捉え方が好きで、詩だけでなく、俳句にもあてはまると思っています。おもろ

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