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2020年10月の記事一覧
わたしの本棚27夜~「FACT FULNESS」
☆「FACT FULNESS」ファクトフルネス ハンス・ロスリング著 日経BP社1800円+税
世界はわたしが思っていたほど悪くないんだ、というのが読後、まず一番の感想でした。思い込みや憶測によって、事実が歪んでいること、自分の世界に関する見解が間違っていることを知りました。
例えば質問1、現在、低所得国に暮らす女子の何割が、初等教育を修了するでしょうか? 答えは、60パーセントにものぼる。
わたしの本棚24夜~「デトロイト美術館の奇跡」
小さいころから成りたい職業があったりする人は稀で、たいがいの人は18歳のとき、ぼんやりと自分の将来を想像するのではないでしょうか。卒業して就職してしまうとそれまでで、日々の生活に追われてしまいます。作者の原田マハさんは関西学院大学文学部を卒業したのち、就職し、美術関係の職業に就いたこともあり、もう一度、早稲田大学第二文学部美術学科を受けなおしたという経歴の持ち主です。美術に関する豊富な知識から紡
もっとみるわたしの本棚23夜~「聖者のレッスン」
今年2月に伊丹市で、作者の四方田犬彦先生の講演会がありました。質疑応答、懇親会もあったので、そのために氏の最新の本(2019年10月発行で、当時の最新刊でした)を読んでおこうと購入したのがこの本でした。正直、西洋史の知識と教養に乏しい私には、難しかったです。東京大学の映画講義だそうで、実際の授業では関連するDVDを授業でみて、説明をすると書かれていました。
☆「聖者のレッスン」四方田犬彦著(河
わたしの本棚21夜~「君がいないと小説は書けない」
表現者は覚悟がいる、と言った女の先輩がいます。自分をさらけだす覚悟がないと良い作品は生まれない。なかでも小説家は、闇の部分をさらけだす覚悟がいる業の深い職業だと思います。白石作品の中では、直木賞受賞作「ほかならぬ人へ」が好きで、恋愛小説の名手と思っていた氏にもこんな辛い体験があったとは、自伝的体験のこの小説を読んで、改めて、書くことの業の深さを感じました。
☆「君がいないと小説は書けない」白石
わたしの本棚18夜~「希林さんといっしょに。」
樹木希林さんが亡くなって2年が経ちます。生前の希林さんの言葉や行動をあらわした本が出版され、話題になりました。この本は、是枝監督が希林さんと出会ってからの12年の間、雑誌「SWITCH」で行ったインタビューをもとにしたもので、人生訓的なものではなく、役者と監督という立場を超えて人間対人間という立場で発せられ、それゆえ双方の信頼関係が胸打つ本でした。
☆「希林さんといっしょに。」是枝裕和著(スイ