見出し画像

Vol.5 わたしの不動産人生 ~中堅編②~

こんにちは。
nUe(ヌエ)株式会社の今井です。
前回のvo.4の続きで、私が中堅社員になって当時やっていたことや、お客様側に不動産マニュアルを使い出した経緯を書きたいと思います。

■仲介店舗での業務経験


私が勤めていた店舗は建売住宅ばかり振るような営業スタイルではなく、様々な取引を行う店舗だったので、1件あたり契約手数料割合は低かったのですが、契約本数に関しては多く、3年目以降には月に4~5本契約するようになっていたので、経験値がグングンと上がっていくのが実感できました。
専門性を身に付けることを求めていた私にとってはかなり自己概念が上がりました(*’▽’)

私は買主様側の担当(希望物件を探してご契約をいただく仕事)が多く、1つの物件取引につき、物件探し、物件案内、物件調査、契約準備、住宅ローン事前審査、銀行手続、登記段取り、引渡し、などの手続きが常にあるため、契約本数が多くなると混乱するので、とにかく段取り命でした((+_+))
多い時は月に10本以上この段取りがあったため、いつもミスがないか冷や冷やしていました。
そのお陰もあり、瞬時に全体の資金計画を把握することや、最適な住宅ローン選定に対しての知識は豊富に身に付き、あれから15年以上経った今でも体に染みついており、この知識は財産となっております。
その後、わたしは注文建築の世界に進出するわけですが、以前記事(vol.2 21歳の実家を住み替えた経験)で書いた取引が難しく、若い頃に培った全体把握と段取り力のお陰で、お客様にとってのベストな住み替え計画が実行できる能力が身に付きました(*^^)v

■営業スタイルの原点


新人の頃は飛込営業、電話アプローチなど沢山やりましたが、本音としては対人恐怖症で人見知りな私は、あまり積極的な営業スタイルは苦手でした(;^ω^)
人によって嫌なタイミングに訪問や電話があったら、怒る人も当然います。
私はそのことにいちいち傷ついておりましたので、いつも連絡するタイミングが悪いのではないかと疑心暗鬼になっていました ( ;∀;)

もっとも嫌だったのが、物件のお申込みをいただくための最終クロージングでした。
営業であれば商談の最後は熱意的にクロージングし、何とかお客様から申込をいただけるよう同然のように頑張ります。
お客様も大きな買い物、即決できない方も当然多くいて、なかなか決断が下せず、商談も長時間に及ぶケースも珍しくありません。
何とか粘って、やっとの思いでお申込みをいただくことも多くあります。
そうすると、お客様も家に帰って落ち着くと冷静になり、ふと我に返ってやっぱりこの物件では無かったのではないかと、躊躇するようになり、やっぱり焦って決めるのはやめようということになり、申込を流す(断る)ことがあります。

これが営業マンにとってかなり心臓に悪いのです(´Д`)

なので、申込から契約日までの数日間はお客様から断りの電話がかかってくるのではないか本当にドキドキします。

「頼む!電話来ないでくれぇぇぇぇ(/ω\)」と神頼み。

しかもこのお申込みが締日前の最後の契約案件で、店舗の目標達成がかかっていれば、あまりのプレッシャーでご飯も喉に通らず、生きた心地がしません((+_+))
なので、申込を流される前になるべく契約日は短めに設定したいと思うようになります。

「契約は明日でお願いします(;・∀・)」とか
「申込から48時間以内の契約がルールです( ゚Д゚)」

など、10年以上前はこんな感じで、当たり前のように行われておりました。
当然、その気迫はお客様側に伝わってしまうケースもあるので、できる限りこのシチュエーションは避けたいと思っておりました。

そこで私が考えたのは、お客様側の知識レベルを私と同じレベルに近づけてしまえば、自己判断で不動産を決めてもらえるのではないだろうかと。

お客様側を不動産のプロにしちゃえばええじゃないか~い(*’▽’)

今思えば、かなりアホな考えですが、人見知りで傷つきやすい私にとっては最良な考えと思いました。
不動産の仕組みや、プロの検索方法、物件の注意点など、私が新人教育で受けた内容をもっとお客様のような素人でも分かりやすくパワポで資料をまとめてできるかぎり自分の知識を資料にまとめることに力を注ぎました。
昔、営業部長に言われた「お前が悪いじゃない、お前が書いた台本(シナリオ)が悪いんだよ。」という言葉が当時も胸に刻まれていたので、完璧な不動産マニュアルを作成して、そのマニュアルをお客様にお渡しすれば、そのマニュアルが営業してくれる。

はっ(;・∀・)。わたしはもしかしたら究極の怠け者かもしれない、、、
いやそんなことない、これはお客様のためだ(`・ω・´)ゞ

日々、この葛藤でした。
ある程度の資料が完成すると、これを試したくなってくる。
このようにしていくうちに徐々に形になってきました。
そうすると、お家を探す方は真剣なので、面白いように知識を吸収する方も多く、物件に対しての選定眼が身に付く方が多くおりました。

私の教育(笑)を受けているので、お客様の選定センスはレベルが高くなっており、プロの私から見ても大丈夫な物件を絞り込んできます。
あとは講師役(笑)である私がチェックして、問題がなければ、申込の意思を確認。
申込完了後、翌日には詳細な物件調査を行うのですが、ここでポイントにしていたのは、

「調査した結果、お客様に不利益になる事実が発覚した場合はこの契約は取り止めをご提案することがあるので、調査後に一度お電話します。」とお伝えすることです。

調査項目に漏れないようにいつも使用している不動産調査シートがあるのですが、いつもそれをお見せして、契約前にいつも細かく説明をしていました。
いつもは申込後の断りの電話が来ないことを祈っていた状況と比較すると、精神的な負担は大違い(*‘ω‘ *)
ここまで来ると私は講師役に成り切っていたので、お客様側に不動産知識が身に付くことに面白みを感じておりましたW

ここまでやると、お客様は確実に自分の意思と専門知識で物件を選定することになるので、申込を流す(断る)ということがほぼなくなりました。逆に、私の方が購入したい申込物件を調査した結果、契約を見送った方が良いと進言した数の方が多くありました(;^ω^)

自分の家は営業マンが無理して決め込むのではなく、お客様自身の意思で決めることが大事。

その後の関係性もとても良好になりますし、仲間ができた気分で私的にはとてもハッピーな気持ちです(*'▽')

この経験から、わたしは段々と不動産の専門性の深堀とそれをシェアすることに面白みを感じ、勝手にマニュアルを作成しては、後輩、お客様、未経験者など分け隔てなく教えるようになりました。
何よりも教えるということはとても勉強になりますし、自分でも分からないことを発見するとそれを調べたり、聞いたりすることで、また自分の知識となるので、ライフワークに近い状態になっています。

最近では工務店、設計事務所、家具デザイナー、職人さん、地主さん、不動産会社に転職した知人など、教える機会も予想外な広がり方をしておりますが、中には不動産会社立上げなどのお仕事をいただけるようにもなったので、昔の自分に感謝感謝(*^^)v


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?