Vol.9 わたしの不動産人生 ~ここが変だよ不動産屋さん~
新年あけましておめでとうございます。
nUe(ヌエ)株式会社(HPリニューアルしました!)の今井です。
2021年もパワフルでnUeらしい一年にしたいと思います。
Vol.8にてS部署に異動するための条件をI部長代理から取り付けました。
そこからの内容はnote記事のvol.4とvol.5の中堅編をご覧になってください。
ここでは私が感じた『ここが変だよ不動産屋さん』を書きたいと思います。
■不動産屋さんに働いている営業マンは流れ星のように消えていく
私がまだ若い頃の不動産業界はとても離職率が高い業界でした。
中途社員も多く、他業種からの転職組も多いため、私が勤めていた会社でも毎月のように入社と退社の情報が飛び交っていました。
わたしの所属していた店舗でも1年居てくれればまだましで、数か月、数日で辞めていく人は本当に沢山いました。
また他業者の方とやり取りしても、同じような感じで辞めていく方が多くいます。
このように、『流れ星のように入っては去っていく』人が多いため、
まったく名前と顔がおぼえられませ~ん(;’∀’)
その結果、わたしは3年目に入っても下に後輩が定着しないため、営業活動にプラスして雑用仕事が重く圧し掛かかり、休む暇がありませんでした( ;∀;)
いわゆる典型的な3Kで、
きつい・・・長時間労働、休みがない、上司先輩の使い
きたない・・・スーツ姿で重労働(現場設営、投込み、飛び込みetc)
きけん・・・夏場の飛び込み、冬場の現場待機、飛び込みで怒られるetc
新人や売れない営業はとにかく過酷で、お客様が回ってこない上に、雑用が多いため、夢も希望も無くなり辞めていくのだと思います( ノД`)シクシク…
それに加えて、癖が強い上長が多かったため理不尽な命令も多くありました。
・昼ごはんは所長と同じ出前のメニュー(かつ丼ばかり)を頼まないと怒る
・飲み会では芸事を強要する
・定休日かどうかは所長の気分で決まる
・土日での結婚式の開催は禁止、参加についてはお店の成績次第では参加NG etc
そりゃ、みんな辞めてまうわ~( `―´)ノ
今考えればアウトなことばかりでしたが、わたしは所長先輩に恵まれたのか、あまり理不尽な命令はさほどは多くありませんでした(;^_^A
業界全体で大きな問題点としては知識や経験が豊富な営業マンが少ないことです。
昔の不動産業界は契約が取れていることが最優先だった
所長が営業マンを煽ってくるため、社歴が浅い営業マンは契約欲しさにお客様への説明が不適当になってしまい、その結果トラブルになり、クレームが発生してしまいます(´;ω;`)
そうすると、営業活動に支障が出てしまうため、結果が残せず、給料も下がってしまい、精神的に追い込まれ辞めるのが王道パターン。
なので、業界全体に言えることですが、私が入社した18年前はまだあまり専門家が育つ環境は無かったかと思います。
■謎だらけ。街の小さな不動産屋さん。
街を歩いていると、明らかに人が入っていなさそうな店構えで、中に入るのには躊躇してしまう不動産屋さんがあるかと思います。
この不動産屋さんってどうやって生計を立てているのかしら(・・?
こんな疑問をお持ちの方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん一件ずつ調査している訳ではないので正確なことは言えませんが、このような不動産会社は地元の同業者、経営者仲間、不動産オーナーや地主さんなどの繋がりがあり、仲間内で仕事が完結してしまっているようで、わざわざエンド顧客の対応まではやらない業者さんが多いのだと思いますΣ(・□・;)
業者A『一般のお客さんなんて(ヾノ・∀・`)ムリムリ。もう業務なんて忘れちゃったよ。』
業者B『契約書とか作り方わからないから、今井さんで作っといてよ(^。^)y-.。o○』
業者C『この土地売りたい人がいるんだけど、誰かお客さんいない??物件登録の仕方が分からないから今井さんやってもらってもいいかな(*^▽^*)』
などなど、不動産免許があるにも関わらず、業務が苦手な方も多かったため、一般業務が得意なわたしは地元の不動産屋さんに重宝されておりました(;^_^A
街の小さな不動産屋さんは人脈が全て、専門的な業務は大手業者にお任せ
驚かれる方もいるかと思いますが、私の経験上、不動産屋さんは不動産取引に詳しい方はあまり多くおりませんでした。
しかし、地元の不動産屋さんは大きな土地を所有する地主さんと繋がっているケースが多々あるため、
大手不動産会社やハウスメーカーの結構偉い方は地元不動産屋さんに足しげく顔を出して関係性を築いていきます。
建売用地を仕入れするベテラン営業の方と話しを聞かせていただく機会がありました。
地元の地主さんが直接会社に土地の買取相談があった場合、その地主さんと繋がりある不動産屋さんを確認して、もし繋がりがあることが判明した場合は、その地主さんとは絶対に直接取引をしないそうです。
ベテラン用地営業マン
『地元の不動産屋さんに嫌われたら商売てきないからね( ̄д ̄)』
大手に入れば殿様的な位置にいるのかと思っておりましたが、不動産業界は地元の小さな不動産屋さんには頭が上がらないことを知りました。
■不動産屋さんは何でいっぱいあるの?
全国にはたくさんの不動産屋さんがあります。
大きな駅ともなると駅前は不動産屋さんがひしめき合っています。
しかし、不動産取引の種類は様々で、全ての取引を網羅している不動産屋さんはなく、大きな不動産屋さんに行けば何でも相談できる訳ではありません。
不動産取引を大きく分けると『A不動産売買』、『B不動産賃貸』、『C不動産管理業』に分けられます。
ABCを細分化すると、様々な取引があります。
【A不動産売買】
➀土地、②戸建住宅、③居住用マンション、④投資用マンション、⑤集合住宅(マンション、アパート)、⑥商業用建物(ビル、工場、旅館、ホテルetc)、⑦その他
【B不動産賃貸】
➀貸地、②定期借地、③貸戸建、④貸アパート、マンション、⑤貸テナント、⑥貸事務所、⑦貸工場、⑧貸ビル、⑨その他
【C不動産管理業】
➀アパート管理、②マンション管理、③ビル管理、④工場管理、⑤土地管理、⑥空き家管理、⑦清掃業務、⑧その他
その項目を専門的に販売する会社が存在するほどです。
例えば、新築マンションのモデルハウスが見学できる販売センター。
マンションデベロッパーから販売委託を受けた会社が販売活動を行っているケースがあります。
新築マンションだけを販売する営業のプロ集団が存在するのですΣ(・□・;)
他には投資用新築マンションを販売する専門会社があったり、太陽光ソーラーを設置するための土地を専門に扱う専門会社もあります。
同じ不動産業界であっても、様々な専門会社が存在するため、まるで別世界の感覚です(; ・`д・´)
私はnUeを立ち上げてから本格的に賃貸管理業を経験したのですが、当初は売買での業務経験を積んでいたので
『賃貸も管理も余裕できるでしょ~( `―´)ノ』
と思っていましたが、全くの別ジャンル(;゚Д゚)
当初は賃貸と管理業特有の商習慣に適応ができず四苦八苦しておりました。
ちなみに厳密に言うと、C不動産管理は不動産取引業ではなく、不動産管理業という立派な業務ジャンルなのです(;^_^A
私は全ての取引を身に着けたい欲求があったので、A売買、B賃貸、C管理の業務を全てやっておりますが、全て一人で行うにはなかなか大変ですが、やることで不動産業界の全体像が掴め、不動産や建築にまつわる問題点や解決方法が見えてきたので、現在の仕事にとても役立っています(*’▽’)
■自身の専門性の基礎はどこから身につけられたか
vol.4とvol.5で記載した通りで、マニュアルを作成して人に教えるという行為が大きかったとは思いますが、もう一つ大きかったことは、勤めていた会社の部署内で契約書類を専門的にチェックする管理部ができたことが私にとってとても大きかったです。
契約管理部ができるまでは契約チェックはお店の裁量に委ねられていました。
本社には法務課はありましたが、あくまで法務的な観点を相談できるだけだったので、現場の相談事についてはあまり相談することはできませんでした。
取引内容に不安があったりすると、所長や先輩に相談するのですが、回答がバラバラで結局どれを信じていいのか分からず、心配性なわたしは同じ質問を2~3人にするようにしていたのですが、
先輩『いまい~!!おれの言うことが信用できないっていうのか、
おめぇ~ヽ(`Д´)ノプンプン』
自分『ひょえ~(;´Д`)す、す、すいません。
そんなつもりはございません~Σ(・ω・ノ)ノ』
いつもこんな感じでめちゃくちゃ怒られてました。
ダブルチェック行為は諸先輩方の信頼関係を傷つける原因にもなっていたので、管理部ができたことは精神的にも本当に良かったでした( ;∀;)
管理部とのやり取りがとても楽しく、知識が身に着く実感ができたので、間違いなく自身の不動産人生の土台を作るきっかけになりました。
最初の頃、管理部の方には怒られてばかりで、専門用語も多く理解ができずに苦しみました(;´Д`)
しかし、だんだんと知識が身に付いてくると、高い次元での意見交換が可能となり、だんだんとプロ同士の専門的なやり取りに変化していきました。
管理部の役割は主に会社を守るための契約チェックをすることに重きを置いているため、契約書は専門用語や長文の特約文章が増えて難解になっていきます。
私がこだわっていたのは顧客への説明の分かりやすさと、不動産の専門性を身に着けてもらうことでした。
私と管理部とのやり取りは、
『この(自作の特約文)言い回しではダメですか(;'∀')?』とか
『こんな(自分の妄想)感じのイメージで伝えたいのですが、何か良い言い回しはないですか(; ・`д・´)?』
契約書は難解な表現にせずに、映像としてイメージしやすい文章にしたり、補足資料を用いて、なるべく顧客の記憶に残る契約書類を意識していました。
なので管理部の方からしてみたら、つべこべ言う私とのやり取りは面倒くさかったかと思われますが、私にとってはとにかくこのやり取りがとても楽しく、刺激的でした。
管理部とやり取りを行うことで、宅建業法や裁判判例を学ばせてもらい、不動産業としての根本を理解していくようになってきました。
顧客に立つ側と会社を守る側、同じ業界のプロとして1つの契約書を作成していくことにとてもやりがいを感じておりました。
『私に理解できるなら、お客さんだってきっと不動産基礎は身に付くはず(^O^)/』
こうして私は不動産を探す段階から知識を身に着けてもらいたく『不動産マニュアル』を作成しました。
対人恐怖症の私を助けてくれる良いツールになってくれました(笑)
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