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#キジ猫トラのつぶやき日記➇
ほんとうに久しぶりにつぶやくよ。
あ~ぁ、背伸び。ちょっと深呼吸。
線状降水帯が各地で発生して、ひどく雨が降ってるよ。
ボクが拾われた川も氾濫水位を超えたらしい。
う~んと、ボクは何歳になったんだっけ?!
たしか、もう5歳になったはず。
ネットで調べると、ニンゲンでいうと「36歳」と書いてあった。
あっ、隆くんと同い年だ。
隆くんは、ボクを拾って、保護猫にしてくれたニンゲン。
たしか、隆くんは パパになったみたいだから、ボクもパパになる年ごろなんだね。
でも、ボクは保護猫だから、ちょっと複雑。
⑦のつぶやきから、ずっとボクは、ニンゲンのおとうさん・おかあさんちにいるんだ。
部屋も一部屋もらって。
居心地はいいよ。
でも、そとの猫たちみたいに外をうろうろできないし、日中留守番が多いから、ちょっと運動不足で、くいしんぼうで、のんびりやになってるかな。
まぁ、仕方ない。
ニンゲンのおとうさん・おかぁさんに甘えてるから大丈夫だよ。
ニンゲンの世界も、なんだかざわざわ大変そう。
暑さのせいもあるのかなぁ。
体温を超える気温は、判断力や思考を止めるよね。
おかあさんは暑いのが苦手だから、ちょっとバテ気味かな。
まぁ年のわりにはがんばってるよ。
おとうさんは寒がりでボクといっしょ。
夏は得意な季節みたいだよ。
いろんな生き方があるね。
ボクは、保護猫として、ニンゲンと暮らしている。
ボクは生き方を選べないから、ニンゲンのおとうさん・おかあさんとうまくやっていくしかない。
うまくやっていくために、ボクは前より少しことばを覚えたんだ。
ちょっとずつ練習して、前より少し大きな鳴き声でおしゃべりができるようになった。
時々、伝わらないこともあるけど、ニンゲンのおとうさん・おかあさんはだいたい分かってくれる。
そとの猫たちのおしゃべりも少しは聴こえてくる。
こちらもなんだか大変そう。
地域猫にはそれなりの苦労もあるみたい。
あんまりのんびりできていないよ。
ボクもお父さんになる年ごろかぁ。
ちいさな子猫だった頃となにか変わったかなぁ。
まぁ、体はずいぶん大きくなったけれどね。
おとうさん・おかあさんちの隣には、おばあちゃんが住んでる。
時々、のぞきに行く。
おばあちゃんは、92歳。
まだまだ、元気だよ。
ボクは、まご猫だね。
違いは、日々の積み重ねだけかも。
まぁ、その違いは大きいかもしれないけれど、互いに学び合って生きてるといのちの根っこは、あんまり変わらない気もする。
ざわざわしてるのは、そのいのちの根っこが揺らいでるせいかも。
ボクは想う。
いのちの根っこをしっかりはるために、ボクは、しっかりごはんを食べて、寝て、ちょっと運動して、おしゃべりして、遊んで、ぼーっと考えて、外をみようって。
毎日こんな感じだけど、シンプルイズベストだよね。
はたらくってなんだろう。
ボクだって、そとの猫やニンゲンのおとうさん・おかあさんをみて考えることがある。
無理しないでね、たのしくはたらけるといいねと応援することしかできないけれど。
今年も折り返しを過ぎて、暑い夏真っ盛り。
体に気をつけて、今日もいのちの根っこが揺らがないよう・・・、ボクはのんびり暮らすことにするよ。
じゃあ、また、つぶやくね。
あっ、おとうさん・おかあさんの声が聞こえたよ。
「トラちゃん、行ってきます。
今日もお留守番がんばってね。
いつも応援してくれてありがとう。」
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ボクは、感謝して過ごすことも覚えた。