#絵本未満・・・、ぼくのへそのゴマ星人⑯
#チャレンジ・・・ 、ぼくのへそのゴマ星人⑯
「ねえ、健太くん。このごろわたし、百点ばかりとれるのよ。このぶんじゃ、天才少女?!になる夢もかなえられるかも。やっぱりこれって、ゴマ語の呪文のおかげかしら?!」
放課後の教室で、カンちゃんは、うれしそうにたずねた。
「えっ?!ということは、カンちゃん、もう呪文を覚えたのかぁ。」
「健太くんは、まだなの?!」
「だって、やたらながくて、いみもてんでわからないんだもの。そうかんたんに覚えられないよ。」
「しょうがないわねぇ。わたしが特訓してあげるわ。」
「やったぁ。」
「カンちゃんと特訓なんて。ぼくは、もの覚えがわるくて、ラッキーゴマ~。」
ぼくは、こころのなかでつぶやいた。
「ミンナ、ナニカ、ユメヲモッテイルヨネ。チイサイユメモ、オオキイユメモ。ミンナ、ダレカ、アイタイヒトガイルヨネ。アコガレノヒトヤ、タイセツナヒトガ。ミンナ、ドコカ、イイトコロアルヨネ。スゴイジシンハナイケレド、ココハ、チョット、ステキダナッテ、ジブンデモキニイッテイルトコロ。・・・、ゴマセイジンハ、ソンナ、ミンナノ、イイトコロヲスコシズツモラッテ、ミンナノ、ユメヲカナエル オテツダイヲスルタメニ ミンナノ ヘソニヤッテキテイルンダゴマ~。」
「やったぁ。覚えられたぞ。」
と、おもったとたん、ぼくのへそから、そんなゴマ語がはっきり、聞こえてきた。
おじいちゃんのなつかしいうたごえも聞こえてきた。
(つづく)