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10年愛の彼の思い…最愛の彼を振る

10年愛の彼と、彼が買う小型船を一緒に見に行くことを約束していた。けれどわたしはOさんと仲良くなって、本当に好きになってしまったから、もう彼と行きたいという気持ちがなくなってしまった。小型船を売っている常連客のおじさんが、最近頻繁に連絡してくるようになったので、これ以上近づかれても困るから…という理由を使って、一緒に見に行くことを断った。

彼からは『迷惑かけてゴメン!』とすぐに返信があった。船は置き場を確保することと、わたしのお店の商売繁盛を願うことと、自分が作ってるじゃがいもを掘ったら食べてね、という内容で明日とあさって帰ることが書かれていた。わたしからは一言、『ありがとう☕️🥔』だけ返信した。

翌日またメッセージが来た。夜勤明けで眠くて帰れなかった、雨だから次週にすると…。もう、彼が帰って来ようが来まいがわたしには関係ない。またわたしは『よく休んでね』とだけ返信した。

その翌日の昨日、またメッセージが来た。禁酒してたのに休みすぎて飲みすぎた、今のお気に入りだと言って、YouTubeのリンクが貼ってあった。開くと優里というアーティストの『シャッター』という曲が流れた。

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僕は全てを失って一日中泣いた

本当の気持ちはやっぱり分からないけど、君のアルバムに居る僕を全部消したんでしょう?

シャッターが落ちるみたいに、君を切り取って恋に落ちて、壊したくなくて無難にきっとやり過ごしてた

だからさ、だからさ、写りの悪い僕だったろう

シャッターを切る時間も君に触れていれば良かった

全ての時間を君だけに使えば良かった

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上の写真は、削除してデバイスから消えるのを待っていた、彼がシャッターを押した写真。一年前、初めてわたしのお店にお母さんと来てくれた時のもの。そう、あなたの写真は全部消しました。こういう、自分の気持ちを伝えるようなことをしてきたのが初めてで、彼は今、悲しみの中にいるんだと知った。だからと言って、わたしの気持ちが彼に戻ることはない。

彼は続けてメッセージを送って来ていた。10月の駅伝に出場するのにお酒をやめて練習する、波がないからサーフィン出来ないけどパドリングの練習すると。前向きに行こうとしているようだ。

でも、わたしが好きだったそれらのことを言って、気を引こうとしている感じもあって…わたしは彼をちゃんと振らなければならないと思った。そして彼にお別れのメッセージを送った。

わたしは、あなたが心の奥底にしまい込んだ気持ちを受信して、好きで居続けたのかもしれない。きっと一緒に居ない方がいい、本当に大事だから…。それが初めから分かっていたらここまでやらなかったのに。わたしが掘り返してしまった結果、傷つけて悲しませてしまった。お母さんにもあなたにバツが付くのはカッコ悪いからって、わたしを選んでもらえなかったこと。奥さんの姿を見て、あなたが守らなくて誰が守るんだろう?って思ってしまったこと。奥さんはあなたがしたいことを叶えてあげられる人であること。わたしはいずれ、ここでのカフェは辞める。長年にわたって迷惑かけてしまった、奥さんにも…。あなたの優しさに感謝します、と。

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