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銀行員が取り立て屋になった日

実質の営業の最終日。お昼前に店舗改修で融資してもらっている銀行の担当が来ました。融資の担当をしてくれた当初の人は異動になって、今は頼りな〜い感じのおじさん。

「ちょっと噂で聞いたんですが…閉業されるんですか?それだと一括返済してもらうことになります」

腕組みをして、取り立て屋のような表情で言われました。引っ越しするのでここでの営業は出来なくなるけど、事業としては続いていく。次に店舗を借りる人も決まって、返済分を家賃としてもらうことも説明しました。保証協会に確認してみないと分からないけど、ココでの営業実態がなくなるから多分一括返済になるだろうと言って帰って行きました。

しばらくして電話がかかってきて、やはり一括返済してもらうことになるとの回答でした。やっと今の銀行で融資してもらったのに、どこかで借りられるところもない。残金200万超。身内にも、彼にも、借りることは考えられない。そうなったらわたしはどうなるんですか?って聞いても「分かりません。まだ時間があるから…」とゴニョゴニョ濁していました。

好きな人を追いかけて後先考えずにやると、こんなことになるのか⁈何でいつもこんなことになるんだろう?ってガックリ。他にも車のローン、カードローンからも借りているし、誰にも言わず、ひっそりと自己破産をしようと考えました。

わたしは15年ほど前に自己破産をしたことがあります。前のダンナさんが事業をしていて、その借り入れの連帯保証人になっていました。更に足らない現金をわたしのカードで数十万、借りていました。前のダンナさんは当時、収入はほぼなく、返済も出来てませんでした。家賃滞納、保育料滞納、生活できそうなほどの利息が月々かかっていました。このまま行くと共倒れになる…離婚を期に精算することにしたのです。
まずは市の無料弁護士相談に行きました。理由は正当だし、自分で手続き出来ることを教えてもらいました。裁判所で書類をもらって2万くらいを納めて、自己破産の手続きは出来ました。

自己破産したから生活しづらいということもそんなになく、カードやローンを利用しない現金主義の生活でした。いつ「ブラックリスト」から外れたのか外れてないのか分からなかったけど、7〜8年前に車を買うときローンを組まされました。ローンは無理だししたくないって話したら、頭金を入れて残りのローンを完済したら信用は戻ると教えてくれました。そうやって立ち直って借入して事業をやってる人がいると。(その時、わたしは事業をするんか⁈って思ったけれど、やってもうたなぁ(-。-; )

わたしは自己破産をして、信用というものをなくした。お金はなくしても取り戻せるけど、信用ってなくしたら取り戻せないって思っていたので、この車屋さんは車じゃなくて信用を売ってるんだなって思いました。はじめはムリクリ整備して高くしてローン組ませて…「この人、好かん!」って思ったけど、神でしたね。(笑)

で、その人が言った通り、わたしの信用は元に戻って、今のカフェも借り入れしてやることが出来たって訳です。いや、商売なんてしたくなかったけど、愛する人に会いたいがため…愛のパワーって凄すぎる。

こんな経験があるので、自己破産に対してはそんなにネガティブに考えていません。ちゃんと返済出来るように(他の人に貸す)手段を考えているのに、そんな簡単に一括返済だって言われるんだから仕方ないでしょう?(賃貸の収入はカフェでの売上ではないので、アピールできないらしい)
前回も今回も、直接わたしが悪いんじゃない。少しの間落ち込んでいたけど、自分を否定しないで過ごしていました。

わたしの気持ちは自己破産をして、ずっと想い続けた旧まー(10年想い続けた人)との物語を終わりにしたい、キレイにして新まー(婚約者)のところに行きたい、でした。

新まーには言わないで一人で解決しようと思っていたけど、新まーってわたしが何か考えたりしてるのを、言わなくても分かっちゃうんだよね。。わたしの気持ちも落ち着いたし話そう!って思いました。

新まーには会って話したかったので、ウチに来た時に「ちょっと深刻な話がある」って切り出しました。やっぱり勘づいてたみたいで「少し前から変だなぁって思ってた」って言われました。
わたしは一括返済するように言われたことと、それを自己破産したいと思っていることを話しました。彼は「一括返済分を銀行から借りて来ようか?」って言いました。わたしは「それはしたくない」と断りました。わたしがキレイに精算したいと思うのならそうしよう、気持ちは何も変わらんよ、事業で何度も自己破産してる人もいるし大丈夫だと同意してくれました。

自分の気持ちをこんなに受け止めてもらえたのは初めてでした。前のダンナさんもとても優しくて守ってくれる人だったけど、親のように「ああしなさい、こうしなさい」があったし、お金の面はわたしに頼りきりでした。前のダンナさんのときは職場でいじめにあっていて、ダンナさんは味方してくれるけど、「もっと強くなりたい」って思ったんだろうね。今まで一人で戦っていたのは、強くなりたいだなんて願ってしまったからかぁ(笑)これからは強くなりたいなんて思わまい!って思ったのでした。

新まーに受け止められて嬉しいのと、今まで辛かったことを思い出してたくさん泣きました。

自己破産をするのなら、手続きが全部終わってから入籍しようってことになりました。入籍の予定は3/24です。方位学の人に見てもらって、二人にとってこの日がいい日だと言われたそう(わたしは春分の日3/21が良かったけど、もうこだわらないことにした)先日結婚指輪にも日付を入れるように注文しました。3月に彼の家に引っ越すのは変わらないけど、入籍は延期。
どこの裁判所で手続きするのか?入籍の延期について、ウチの両親にはどう説明するのか?旅行で取ってるホテルや、祈祷してもらう神社もキャンセル?いろいろ考えると全くフィットしません。ひとまずこの件は、横に置いておくことにしました。

そうしていたら…

わたしは予定通りに入籍したい

やっぱり、彼にお金を貸してもらおうかなぁ…そんな気持ちになってきて、次の瞬間には銀行の人とちゃんと話をしてみよう。一括返済が確定したわけではないのだから…って浮かびました。

ひとまず支店長と話をしようと電話しました。当時融資の担当をしてくれた支店長は、一年も経たない間に本部に異動になっていないと言う。がーーーん。
(諦めようかな、と一旦後退)
じゃぁ本部に連絡してみよう!と元支店長を求めて電話しました。元支店長は丁寧に対応してくれて、廃業するのでなければ転居先の支店に移管も可能だと思うと教えてくれました。また、もしもダメで一括返済になったら、向こうの金融機関に訳を言って貸してもらったらいいとのことで、ものすごく安心しました。でも元支店長が手続きしてくれる訳でもなく、次は会ったこともない現支店長にアポ。これがなかなか捕まらなくて、そうしていたらあのクソ担当が電話してきました。「支店長に電話されてるみたいですが、あの件だと思うけど、わたしでは役不足ですか?」だって。支店長さんと直接話したいと言うと、折り返し電話がありました。

現支店長も元支店長と同じく丁寧に対応してくれました。町の融資制度を利用してるからちょっとややこしいけれど、他の支店に移管する方向で進めてくれることになりました。
現支店長と話す前、引っ越ししてからも移動カフェしようかなぁっていう気持ちが湧いていました。自分がやりたくないなら人を雇ってもいいわけだし。現支店長にも向こうでやります!って宣言しました(そう言わないと返済どうするの?ってなって、有利にもならない様子だったというのもあるけど)。キッチンカーが売れないのもそういうことだったのか…という感じです。

電話が終わって、彼にメッセージでいい話になったことを報告しました。そしたらその時、彼が勤める旅館の社長が「奥さんはウチで働いたらいい」と声をかけてきて話していたそう。彼女は雇われるようなタイプではないと言うと「何が出来る?」と聞かれて、カフェやコーヒーの話をしたのだそう。すると、「美味しいコーヒーを出したいと思ってたところだ!」って言って、ロビーのラウンジや展望カウンターで淹れてほしい、今度そのコーヒーを飲んでみたいと言われたそうで…。すごい展開になってきたなぁ!って二人でビックリ。
移動カフェも、社長が経営してるお土産屋さんやいちご狩り、バラ園、好きなところでやったらいいと言ってもらえたそう。どんどんいい展開になってきてる。

わたしが最近しているのは、happyちゃんが言ってる瞑想。瞑想ってほどでもないんだけも、朝起きた時に呼吸しながら、今日どんな気持ちを味わいたいのか?その気分を感じるというものでした。現支店長に電話をする前も、どんな気持ちがいいのかを味わってから電話してみました。誰かの笑顔とか自分の笑顔とか、嬉しい出来事とかを思い描くんじゃなくて、ただただ安心するような心の状態を感じる。それだけ。やるのを忘れてる日もあるけど、後で振り返るとすごくいい日だった!ってことが増えてきました。

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