人に信と誠がないと、何もできない
(書き下し文)
子曰わく、人にして信無くんば、其の可なるを知らざるなり。大車に輗無く、小車に軏無くんば、其れ何を以て之を行らんや。
(現代語訳)
孔子先生は言われた。「人は信と誠がないと、何もできなくなってしまう。人に信と誠がないのは、車体に動力を伝えるものがないのと同じで、人もまったく動かしようがなくなってしまう」。
(思いや学び)
まずは、『信』と『誠』の意味について、間違いのないよう調べてみる。
「信」とは、信頼に足る行動をとることや、嘘をつかないこと。
「誠」は「忠」と「信」という言葉を併せた意味をもちます。
「忠」とは「真ん中の心」で「まごころ」です。
つまり、まごころを持ちながら、信頼に足る行動をとることが人の動力源であると孔子先生は説いていることになる。
これは、論語と算盤で渋沢栄一先生が書き記した『忠恕』という言葉にも似ているところがある。
忠恕という言葉の意味は、自分の良心に忠実であることと、他人に対して思いやりの深いことである。
忠恕の心を基盤とし、行動してゆくことで、信頼に足る人間にもなってゆくと思うのだ。
私自身、生き方に迷いが出たときには、『忠恕』という言葉の意味を思い浮かべるようにしている。かっこよく、かっこよくする。ありがとう。
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