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ルーツ
…といへば、クンタ・キンテ。彼は24世紀にジョーディ・ラ=フォージとして転生、宇宙艦隊士官としてU.S.Sエンタープライズなどで活躍した──
…歳、バレますわネ笑。「ルーツ」小生は見ませんでしたが、当時かなり話題になった米TVドラマです。
小生が幼少の砌(みぎり←こんな漢字とは初めて知りました!)、好きだった音楽はテレビの特撮ドラマ主題歌とアニソン(←当時はそんな言い方はなく単に”TVまんが主題歌”)でした。
ドラマの主題歌を覚えて歌うことが好きで、新番組でもたいてい3回目には覚えました。いわゆるなつかしの昭和特撮アニメソングは、テレビ放映時にリアルタイムに耳で聞いて覚えたものです。
聞くだけでしたので、どうしてもわからない歌詞もありました。マイティジャック(1968年・フジテレビ)の主題歌でいくつか聞き取れない箇所があり、「とおいいー・ざ・まいてぃじゃっく~」と歌ってました。「MJ号が遠い空の彼方へ飛ぶんだ」と勝手に解釈です笑。大人になってようやく「ゴーイング・ザ・マイティジャック」とわかり、得心したものです。
まだテレビの音楽はレコードにもならなかった時代でしたが、人気の特撮ドラマの主題歌は、「ソノシート」として雑誌の付録などで販売されることがありました。
買ってもらったのは、「キャプテン・ウルトラ」(1967年・TBS)と、「ウルトラセブン」(1967年・TBS)のソノシート。まだ自分でレコードもかけられない歳でしたので、母に何回も何回もかけてもらって愛聴しました。この音楽体験が、小生の音楽に関するルーツといえましょう。
「キャプテン・ウルトラ」の音楽は冨田勲が担当、マイティジャックやリボンの騎士、ジャングル大帝も、シンセサイザー前の富田サウンド、そう「新日本紀行(1963-1982NHK)」のテーマ曲でおなじみの素晴らしいオーケストラインストゥルメンタルです。ちなみに「キャプテン・ウルトラ」の主題歌中に流れるロケットの発射音は、水洗トイレを流す音です笑。
当時の子供向けTV番組の音楽は、じつは最先端の日本オリジナルの音楽でした。海外で流行っていた音楽のエッセンスをいちはやく、巧みに取り入れており、とても子供向けとは思えない、猿真似でも焼き直しでもない、歌詞も含めてのオリジナリティはもちろん、斬新的な試みや練られた工夫が盛り込まれたまったく新しい音楽だったのです。昭和の日本の歌謡曲がいま世界の若者に注目されているのは、そこに理由があるようです。
その一方で、生活の背景音として昭和のポップスを聞いて育ったわけです。家の中ではクラシックも時折流れていましたが、やはり子守唄としてはフラメンコやフォルクローレが中心でした。ただ子どもの頃はこの類の音楽は騒音でしかなく、父が夜、ちょうど自分が寝る頃になるとレコードをかけはじめると「うるさい!」と耳をふさいでいました。はやりの歌謡曲とか演歌は両親とも好きではなかったようで、テレビ以外では一切流れませんでした。もちろんレコードもありません。意外にも父母にはラジオを聴く習慣がなかったようです。
そうして小学校の高学年になったある日にとつぜん、学校教材の鍵盤ハーモニカを使って、いままでに覚えた主題歌を弾こう(吹こう)という気になったのです。なにかきっかけがあったのかもしれませんが、まったく覚えておらず、どういうわけか、ある時からケンハモによる耳コピにひたすら夢中になったのです。10弦まえの沼ハマり現象ですネ笑。これは恋というより、憧れといえますしょうか。最初の曲は「ロボット刑事K」(1973年フジテレビ)のオープニングテーマでした。
そうやっていろんな主題歌にチャレンジするうちにだんだんケンハモでは飽き足らなくなり、クラスの同級生(女子)の強い影響もあって、ピアノかエレクトーンをやりたいと言い出しました。これには両親はたいそう驚きました(その理由はまた別の機会に)。うちではそんなものは買えないといわれ、事情はわかっていたので、まあ、そうだろうナとあっさり引き下がりました(その理由もまた別の機会に笑)。しかしここがブレークポイントだったというわけです。
父は自分が音楽の道には進めなかったので、息子に託したい気持ちがあったようです。いったんはあきらめたのに、今度は息子の方から音楽をやりたいと言い出したわけですから、やっぱり嬉しかったのだとおもいます。
結局、ピアノは買ってやれないが、かわりにギターを買ってきた、これをやるといい、おまえ(小生のことです)には(ピアノより)ギターが合う、ということで、なんだかわからないうちにギターを弾く羽目になったというあらすじです。ギターとはまったく想定外だったので、うれしいもなにもなく、えーっ父がそういうならやるしかないかあ、という感じでした。
◯おまけ動画)
TBS特撮ドラマ「ウルトラQ」(1966年)のオープニングテーマ(作曲:宮内国郎、ギターアレンジby ゆうげん)
・昭和のなつかしのテレビまんが主題歌は、今は耳コピしなくてもけっこう楽譜が出ていますネ。とはいうものの、ギターアレンジ版の多くは原曲をかなり省略したものばかりで(技術上の制約ゆえ)どうしても気に入らず、ほぼ原曲どおりのピアノ譜を元に自分でアレンジして弾いています。これはその中でも、意外にギターでの演奏効果が高いが、10弦でしか弾けないという「ウルトラQのテーマ」です。サントラ盤では本編前に妖しげなエフェクトが挿入されていますが、その雰囲気をなんとか再現しようと奮闘しました笑。