不愉快なニース37  NTT法廃止で日本は滅ぶ②

ネットで、大人と子供の将来どんな職業に就きたいかの会話が載っていました。「将来は政治家になりたいと思うかい?」と質問に、ある子は「政治家は悪い人たちばかりだからなりたくない」。ある子は「政治家は楽をしてお金持ちになれるからなりたい」と答えていました。子供たちは、意外と世の中を見ています。ほんの僅かでも日本のことを考えている政治家がいると信じたいですが、大半は私利私欲のためだけで政治家をしています。本書は、マスコミなどが報道しない内容が多く、私にとっては目から鱗でした。本文は、ごく一部の紹介程度ですので、ご興味あれば、是非、本書をお読みください。
 
・深田萌絵著NTT法廃止で日本は滅ぶ」賀屋書房(2024/3/15)。NTT法が廃止されると携帯料金が爆上げする!・「内容説明」。日本の政治家は、日本の国有財産、国民財産を、二束三文で外資に渡して私腹を肥やしてきた。裏金議員たちの次の標的はNTT法廃止で、NTTの財産である通信インフラを叩き売ることだ。テレビなどで、「NTTが国際競争力を取り戻すため」との報道は全て、利権の為のウソだ。
 
第4章 狙いはNTT帝国。「JR東海葛西帝国を目指す通信会のドン」。右翼政治家と連携するのは、元NTT社長で現会長の澤田純氏である。週刊文春電子版で、「NTT法見直しで、焼け太り。ドン澤田会長が狙う経団連会長」と言う記事が出た。つまり、NTT法廃止は、国鉄民営化利権、郵政民営化利権に続く、議員と経営幹部による私物化利権だ。
・「40兆円私物化作戦」NTT法で国が保有しているNTT株は売ってきいけないことになっている。外資にNTTが乗っ取られたら危険であるためだ。自民党は、「国際競争力を高めるために廃止しよう」と主張している。国際競争力を高めるのにNTT法を廃止する必要はない。必要なのはビジネスモデルの転換だ。彼らがNTT株を国が保有しなければならないという条文を隠しているのは、国民に気づかれないように、外資に売却するためだ。
・「トンチンカン総務大臣」。松本総務大臣までもが「研究開発の開示義務」というNTT法に存在しない条文をベースに議論している。NTT法にあるのは「研究開発の普及の責務」であって、「研究開発の開示義務」ではない。自分たちの利権を推進するために、存在しない条文を問題だとして、法律改訂議論を展開するのが今の自民党である。
・「NTT独占的地位に向けたペテン」。NTTの経営幹部が右翼政治家とタッグを組んだのは、独占的地位復活に向けての策である。その第一弾がドコモの子会社化、2022年にドコモとコムの統合を果たした。これでNTTは独占的地位を一層高めることができた。以前、NTTの当時、澤田社長に、「グローバル停会のために国際競争力を高める気はないのでしょうか?」との質問に、「日本企業として国内のサービスを拡充することが先決で、グローバル進出には興味ない」。「NTTがGAFAを目指すべき?」に対する意見を求めた時は、「NTTの事業はGAFAとオバーラップする部分はない」と答えが返ってきた。
・「附則に2025年に廃止を明記」。NTT法廃止議論に対する批判が高まると、政府は「NTT法廃止でなく法改正」という建前を押し出すようになった。メディアも大々的に、NTT法廃止議論なんかなかったように、「NTT法改正」という見出しで報道を始めた。そして、NTT法の在り方としてさんざん関係のない議論をして、ほとんど触れないまま最後の最後にNTT法を2025年に廃止する附則が自民党提言にこっそり忍び込ませている。附則とはオマケではない。法令は、本則と附則で構成される。法令において付属的な事項を定めた部分のことを附則と呼ぶ。附則は「追記」のような軽いものでなく、法令の本則と同じ効力を持っている。ということは、改正のために国会で審議して決議すると附則で「2025年国会でNTT法を廃止」がセットでついてくる
 
第5章 台湾バナナと腐敗国家。「裏に台湾の影」。NTT買収にシナジー効果があり、それを買うだけの資金が用意できる会社は世界に数社しかない。1社はビジョンファンドを運用するソフトバンク。もう1社はアメリカが中国スパイ企業と名指しで読んでいるファーウェイの2社ぐらいだろう。もしかしたら、中東のファンドが出てくるかもしれない。どちらも裏にいるのは習近平政権を支える浙江財閥である。中国通信業者から、どうも習近平は、TSMCに買わせるつもりだという情報を得た。TSMCとファーウェイは、台湾と中国で同じ年に創業し、表裏一体の関係で動いてきた兄弟のような企業である。そのファーウェイが次に狙っている日本企業の技術は、NTTの光電融合技術である。この技術を持っているのはNTTくらいである。その技術を狙っているのがTSMCである。光電融合技術をTSMCのモノにすれば、ファーウェイを世界一の通信企業にすることが可能になる
・「裏金議員と台湾ロビー」。木澤二郎氏著「台湾ロビー」(データハウス)でも、台湾企業が自民党議員のパーティー券を散々買っていることが描かれている。それだけの金を流さなければ、ここまで台湾が優遇され、TSMCだけが、1.2兆円以上の血税を注いでもらえることはない。
・「台湾半導体企業のペテン」。今の日本の政界で最も影響力の強い国は、アメリカでもなく、中国でもなく台湾である。それが如実に表れたのが半導体向けの助成金だ。日本の半導体の助成金の殆どは、TSMCに注がれた。議会で審議もなしに、TSMCと日本の間に何の契約もなしに、4760億円の血税が注ぐことが決定された。契約も何もないので、TSMCの熊本工場で製造される半導体は日本企業に提供されることは義務図けられていない。当時、これに関わった萩生田議員は、「国内に優先出荷する義務を課す」としているが、政府公式見解では、「国内優先供給を行うことは国際協定違反になるためできない」としている。萩生田議員は、そのつもりもないのに日本に優先供給するからとうそぶいて、巨額のお金を契約もなしに台湾企業にプレゼントしたのである。この議員は、最も統一教会とズブズブだった人物で、裏金ランキングでも上位に入っている。自分の都合で支持者との約束を何度も保護にしてきた経緯もある。
・「技術はTSMCへ」TSMCやファーウェイにとっては、NTT法に規定された「研究成果をモノやサービスとして普及させる」という責務が邪魔なのである。なぜなら、NTTが技術を普及させるための手段が「特許の取得」であるためだ。だからこそ、この条文を改訂させたい。この法律がある限り、NTTは自社で研究開発した技術を特許申請しなくてはならない。そうすると、台湾企業や中国企業がNTT株を買収して企業秘密を知っても、特許を取得されてしまうと、自分たちのモノにできないというデメリットがある。
・「利権政治は日本を潰す」萩生田礒は、その権力を使って競争事業者を排除したうえで、半導体附則を補うためと、外資のTSMCに、4760億円と7350億円の合計1兆2110億円の助成を決定した。自動車産業の半導体が足りないのは事実だが、補助金は、車載半導体を製造している旭化成やルネサスには流れなかった。日本政府も、裏金議員の私利私欲のために半導体不足の犯人TSMCに国民の血税を流し込んだ。なぜ外資だったのか。外資企業に血税が入った後、本社の海外口座に資金が移されれば、その後どこに行ったか分からなくなる。管轄が複雑になるため国税庁も東京地検も外資にはメスを入れにくい。だから、日本の裏金議員たちは、日本企業を助けることには興味を示さず、外資に興味を示す。靖国神社に参拝して愛国保守だと賛美されてきた政治家がことごとく裏金や統一教会と絡んで台湾利権を作り上げてきた。
・「NTT の私物化を許すな」。NTT法廃止に向けて自民党は全力を尽くしている。2023年12月22日に開催された総務省の委員会をオンラインで傍聴したが、「NTT法廃止ありき」で進められている委員会で、御用学者しか参加していなかったのか、反対派の声は一つも上がらなかった。酷いことに、開催告知がされたのは、3日前の12月19日。筆者が20日にその告知を見つけた時点では、満席で申し込みを締め切っていた。クローズドで御用学者だけで委員会を開き、反対派には会議の様子を見せないようにして終わろうとしている魂胆が丸見えだった。NTT法廃止を進めている仕掛け人は、NTT副社長で元安倍首相秘書官の柳瀬唯夫氏と萩生田議員だと言われている。安倍氏の元秘書官らは、十社ぐらいの顧問になって、年収が億になった人もいると言われているが、それでも足りないらしい。そもそもNTT法廃止にまつわる委員会で、誰に売却されるのかという本題には一切触れられていない。NTTの通信インフラがどこに行くかという話も語られなかった。そして通信インフラは誰のものかという点も一切触れられなかった。触れられるはずがない。それに触れたら、NTTを私物化して40兆円にまで膨らむ資産を私物化する目論見がばれてします。ここで強調するが、NTTの通信インフラは「国民資産」である。
 
第6章 電話加入権を返せ。「電話加入権は我々の財産だ」。私たちは、NTTの私物化に向けた政治家とNTT幹部の暴走を止めなければならない。そうしなければ、この国の未来が危ういことになる。NTTによる電話加入権という3店方式のペテンで国民から金を巻き上げてきた。その総額たるや4.7兆円。国民資金で作り上げた通信インフラを我が物顔で私物化する動きは絶対に阻止しなければならない。私たちは騙された。筆者はNTTに国民資産返却を求め「NTTに電話加入権返金を求める会」を立ち上げた。会費は不要なので、お気軽に登録ください。仲間が集まれば集まるほど、私たちは勝利に近いのです。
 
第7章 元総務大臣原口一博議員との特別対談。「NTT法廃止論には2つの嘘がある(ライブ対談より)」。原口「NTT法廃止は究極の売国政策ではないでしょうか」。深田「2つの嘘があります。まず1つは、NTT法は固定電話のための法律であるという嘘。もう1つは、NTT法によって研究成果の公開が義務図けられているので知的財産を守れず、スパイ問題が生じる嘘」。原口「昔総務大臣だったので、そのあたりはよく分かっています。よくそんなことが言えたものだとあきれています。
「NTTには30兆円以上の隠れ資産がある」。原口「NTTは巨大なコングロマリットであり、巨大な研究施設なのです。それを守らないといけない。NTT法廃止を推進する議員らは、1部の人達に儲けけさせよう。自分たちがまた裏金を取ろうとその意図が浮上しています」。原口「要するに外資が狙っています。自民党さんには申し訳ないけど、30年自民党にいたからわかります。もうとにかく、外資の傀儡なのです。どこからか指示が来て、うまそうな埋蔵金がまだ残っているから、ちょっと生贄に差し出せという話が持ちかけられているのだと思います」。深田「その埋蔵金は、特別な資産です。電話加入権での国民負担で構築された通信インフラです。30年ほどかけて25兆円規模の設備投資が行われています。これが現在価値で少なく見積もっても40兆円です」。「外資企業やファンドは含み益を隠し持っている古い会社を狙います。外資にとって美味しい取引の最たるものがNTT買収です」。原口「美味しいからこそ、法で守られている。ところが、法を改正する立場にいる売国奴に狙われると、それがものすごく脆弱なのです」。深田「本当に脆弱なのです。本来であれば保守派と言われている人達が、この国の通信インフラは防衛インフラの最たるものです。と主張すべきなのに、知らん顔しています。
・「郵政民営化は大失敗だった」。原口「日本はこの30年の保守と言われる人間に、日本国民の資産を売り飛ばされ食い散らかされたわけです。だから日本は弱くなってしまった」。原口「日本の国会に本物の保守がいるか怪しいです。彼らは保守の顔をしているけれど、行動を見ると売国奴なのです」。深田「靖国神社を参拝すると、愛国保守に見えるスキームを、小泉元首相が作り上げたためです」。深田「郵政を民営化して何が愛国だったのですか。何かいいことがありましたか」。原口「あの時、小泉さんと竹中さんは紙芝居を作ったのです。郵政を民営化すれば年金も良くなる、景気も良くなる。財政も良くなると。僕と安住(淳)君はその逆のあすなろ村の惨劇という紙芝居で対抗したのです。残念なことに僕らの書いたとおりの状況になった」。深田「アメリカは郵便を民営化していないんです。赤字事業だから、サービスを維持するために断念したのです。あたかも世界中で郵便は民営化するのが当然だというプロパガンダを流して、小泉元首相は簡保と郵政と言う膨大な資産を国民の手から奪ったのです」。原口「例の裏金問題で、一掃するチャンスですね」。深田「東京地検が裏金問題で本当に議員逮捕まで漕ぎつけられるか心配しています」。原口「検察も行政の一環ですから、圧力には弱いです。ただ、国民の皆さんに愛国保守と自称する議員が一番危険なのだと、嘘ばかりだと知ってもらいたい。本当の愛国者は自分を愛国者とは言わない。
・「総務省から優秀な人材が一掃された」。原口「総務省のエースたちは菅元総理大臣の時代に、スキャンダルで干された。今はサイバー攻撃対策などを一番にやっていた人間が総務省の中にいない。狙い撃ちにされたのではないかと」。深田「アメリカだとサイバーインフラセキュリティ庁があるのです。本来であればこの電気通信のインフラ、電力のインフラ、水道ガスのインフラは国が全力を上げて守らなければならない対象です。」
・「NTT法廃止でNTTは中国にとられる」。深田「私の見た感じでは、かなり中国と握っている。もうむしろ中国と一体化し始めているところが一番の懸念です」。深田「たったの5兆円出せば、40兆円分の資産が手に入る。毎年1兆円のドコモの利益も付いてくる」。原田「しかも、研究所もめちゃくちゃ持っている。凄い資産です。ゼロから立ち上げようと思っても無理です。」
 
あとがき 未来を守るために法による規制が亡くなれば、NTTそのものが外資に売り渡されたり、通信インフラだけが外資に譲渡されるシナリオも十分にある。通信インフラの利用料金が吊り上げられれば、単に携帯料金が高騰するだけでなく、NTTのインフラを利用している通信業者は軒並み倒産に追い込まれるだろう。通信インフラを失うことは、社会生活すべての重要なインフラに関わってくるだけでなく、国家安全保障上の問題である。それが一部の政治家の私利私欲のために行われるのだから看破できないこの国を守ろう。人は集まれば強くなれるということを覚えておいてほしい。メルマガの登録も再度お願いさせていただきたい。この国を支えているのは、エリートでなく、勤勉な国民たちの存在だ。
 
今まで、私は政治と財政について、無知無関心だったと反省しています。ビジネスの世界で一生懸命に生きてきたつもりですが、その結果、日本は政治家と官僚による「奪われた30年」になり、庶民はどんどん貧しくなり、若者たちが夢の持てない国になりました。こんな状況で、日本を若者たちに引き継ぐわけにはいかないと考える人が増えてきました。今更ながら、ビジネス以外の本を色々と読み始めました。読んだ本の著者の中で、「深田萌絵氏」「堤未果氏」は、特に凄いと尊敬しています。データに基づき論理的で知的です。「森永卓郎」も書いていましたが、今の日本では政府に都合の悪いことを発信する人には、えげつない誹謗中傷や妨害があると想像しています。長いものに巻かれて生きる方が楽だと思いますが、お二人には苦労しても正義を貫こうとする勇気を感じます。お二人とも女性ですが、考えてみれば、私のビジネスキャリアを振り返ると、男性より女性の方が優秀な人が多かったです。私などは、女性のサポートが無かったら、満足に仕事を処理でませんでした。そしてなんやかんや言っても、男性より女性の方が、「肝が据わっている」と感じています。2022年の日本の自殺者は、男女別にみると、男女ともに「50~59歳」が最も多く、男性は2,848人、女性は1,245人です。自分のことを考えてみても、男性は精神的に女性よりひ弱です。
 
・深田萌絵氏。[フカダモエ]ITビジネスアナリスト。Revatron株式会社代表取締役社長。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代にファンドで財務分析のインターン、リサーチハウスの株式アナリスト、外資投資銀行勤務の後にリーマンショックで倒産危機に見舞われた企業の民事再生業務に携わった。前著「光と影のTMS誘致」(かや書房)。内容。半導体製造工場は大量の有害物質、有毒物質、発がん性物質や重金属が気体、液体、個体の形態で排出される。それらの物質を無害化するのに、気体や液体は種類ごとにフィルターや除害設備を必要とし、個体は産廃処分費がかかり、その環境対策費用がかなり重たいのである。日本やアメリカは環境を守るために利益を犠牲にし、台湾の半導体製造業をはじめとする企業は利益を優先した。そのため、台湾は河川の約25%、農地の約5%を重度の汚染で失った。人工透析率は人口比で世界首位、肺がん率は北朝鮮に次いでアジア第2位である。
深田萌絵さんのメルマガ(たぶん)。https://www.tiktok.com/discover/%E6%B7%B1%E7%94%B0%E8%90%8C%E7%B5%B5-%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%82%AC
深田萌絵さんのnote。https://note.com/hashtag/%E6%B7%B1%E7%94%B0%E8%90%8C%E7%B5%B5
・堤 未果(つつみ みか)ジャーナリスト、東京生まれ。ニューヨーク市立大学大学院で修士号取得。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞を受賞。2008年『ルポ 貧困大国アメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞を受賞。国際ジャーナリスト。ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連、米国野村證券などを経て現職。政治、経済、医療、教育、農政、食、エネルギーなど、徹底した取材と公文書分析に基づく調査報道を続ける。『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命』(新潮文庫)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞。『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書)、『ルポ 食が壊れる』(文春新書)、『堤未果のショック・ドクトリン』(幻冬舎新書)、「日本が売られる 」(幻冬舎新書)、国民の違和感は9割正しい」(PHP新書)など著書多数。WEB番組「月刊アンダーワールド」キャスター。
東京ホンマもん教室。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLkZ0Cdjz3Kkh2lFDlO1yjjFjwbAS_VySp
藤井聡・堤未果対談完全版 前編【東京ホンマもん教室×表現者クライテリオン】
https://www.youtube.com/watch?v=a0UiGMaddwA

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