不愉快なニース39 堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法①
森永卓郎氏は「書いてはいけない 日本経済脱落の真相」で、メディアの仕事をするようになって四半世紀以上が経過した。その経験のなかで、メディアでは、けっして触れてはいけない「タブー」が3つ存在した。(1)ジャニーズの性加害。2)財務省のカルト的財政緊縮主義。3)日本航空123便の墜落事件。と書いています。しかし、それ以外でも「マイナンバー」「コロナワクチン」「脱酸素」に対する批判は報道してはならないようです。本書は、この3点について、データに基づいて、論理的に切り込んでいます。政府が「改正という表現の法律の改悪」を好き勝手に行い、なおかつマスメディアはそれらを一切報道しません。自分たちで情報を収集しようとしない限り、真実を知ることができません。国民が細かい法律まで調べることは、ハードルが高いです。頼りになる専門家の意見は貴重です。私はジャーナリストとして「堤未果氏」のことをすごく尊敬しています。真実を伝える勇気は、ジャンヌダルクのようだと思っています。今回は、堤未果著「ショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法 」(幻冬舎新書)で勉強しました。この本を読むまでは知らないこと、知らされなかったことだらけです。
・「堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法」2023/5/30
「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に為政者や巨大資本が、どさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは? 滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。
【目次】序章 9.11と3.11。私のショック・ドクトリン。インターネットとAI技術の発達によって世界中で政府による国民の監視システムが構築されてきています。序章を読むだけでもそれが理解できます。著者には失礼かもしれませんが、私は序章だけでも「立ち読み」でもいいので読んでもらいたいです。
第1章 マイナンバーという国民監視テク。(今回は1章だけです。)
1.コロナ禍が大チャンスだった。・「国民監視が合法化された9.11ショック」。2001年9月11日のテロは、ショック・ドクトリンの「手段」が「目的」に変えられた大事件でした。「対テロ戦争中」として、自国をいつまでも緊急事態下というショック状態に置いておけるようになった。テロ対策という新しい予算枠を得て、軍事産業や民間軍事会社、警察に諜報機関にセキュリティ業界などは、毎年エンドレスに税金を投入される安定した巨大利権を手にした。それだけではありません。ブッシュ大統領はすぐに非常事態宣言を発令、それまで違法だった、裁判所の令状なしの通信傍受が合法になった。さらに「愛国者法」がスピード可決し、テロ対策の名の下に政府がいつでも電話、ファックス、メールを傍受できるようになった。・「日本はショックセラピー型で移行せよ」。2020年4月7日。日本政府は、新型コロナウィルス感染が始まって、7都道府県に緊急事態宣言を初めて発令した。これと同じ日に、マイナンバーを基礎とした日本のデジタル化を一気に加速させるショック・ドクトリンが熱心に話し合われていた。2002年に「住民情報を全国市町村で共有して便利に!」と導入された住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)。毎年百数十億円。14年間で2000億円の税金を投入されながら、普及率は5.5%。そのお金は、全国9か所に設置された財団法人地方自治センターに、総務省から天下りした役員たちの高額報酬として流れていた。総務省の利権マシンと化している実態がばれる時に、救世主のように登場したのが、マイナンバーだった。天下り利権が叩かれていた「地方自治情報センター」の看板は速やかに外され、代わりに「地方公共団体情報システム機構(J-LIS)」という新しい立派な看板がつけられた。・「マイナポイント2万円分は本当にお得なの」。マイナンバーを登録したら5000円、健康保険書を登録したら7500円、給付金受け取り用の銀行口座を登録したら7500円。合計2万円分がポイントでもらえる。政府がこのキャンペーンに使った税金は1兆8000億円。今や日本は、大学生の3人に1人が学費を払えずにローンを組み、卒業と同時に数百万円の借金を背負う国。1兆8000億円とは、全ての国立大学を無償化できる金額。・「高齢者がカードを作らないなら、保険証を廃止します」。法律で強制できない状況で、全国民を有無を言わせずに申請窓口に走らせる方法を真剣に考えた河野大臣が決めたことは、国民の選択肢を奪うこと。10月にいきなり、「2024年秋をもって、紙の保健所は廃止します」と発表。
2.「マイナ保険証はここが危ない」。①カード作成は義務じゃないのに、選択肢を奪って強制。「これは違法」と法律家の立場から真っ先に反対の声を上げたのは日弁連でした。でも政府はそれを認めるどころか、さらに脅しのようなことを言い出す。「2024年には全てマイナ保険証だ。紙の保険証は廃止後1年間は使えます。その場合は自動更新なしで、受診料はマイナ保険証より高くします」②医師や病院が合いつめられる。2022年6月、政府は閣議決定した「骨太の方針2022」を踏まえて、全国の医療機関に、「オンライン資格確認システム」の2023年4月までの導入を義務化。やりたい放題の政府は、「期限内に導入しなければ、医療機関の資格停止もあるかも」と、またも脅し。③なくした時の責任はだれにある?あらゆる個人情報と紐づけされるマイナンバーカードは、失くした場合の被害は他との比ではありません。④実はデジタルより紙の方が便利です。日本は自然災害大国です。災害時に停電して通信が遮断されたら、マイナ保険証は使えません。⑤マイナンバーカードで便利になるサービスが増えていくので、政府は持ち歩きましょうと奨励。⑥海外では問題だらけ。アメリカ政府がカードは「持ち歩くな」と警告。アメリカには社会保障番号があります。カードには「DO NOT CARRY IT WITH YOU」とわざわざ印刷されています。2020年、約2万5000人のニューヨーカーが個人番号を盗まれ、勝手にクレジットカードや銀行口座を作られてしまった。
3.日本人が知らない世界のマイナンバー事情。・「カードは簡単になりすましできる」。マイナンバーカードと暗証番号さえあれば、その人の様々な情報が入ったマイナポータルというサイトに誰でもアクセスできてしまいます。つまりマイナポータルは犯罪にも使える個人情報の宝の山です。・「大切なデータこそ分散させる」。デジタル時代の個人情報も、リスクの要は、とにかくまず分散です。だからこそ他の先進国では、国民の個人情報が1カ所で閲覧できない様に気を付けています。・「マスクしても識別できる顔認証、日本は規制なし」。2022年10月。日本国内で本格的な事業展開戦略を発表したのは、世界2位のセキュリティ企業、中国のダーファ・テクノロジーでした。・「マイナンバー制度は外国では当たり前じゃない」。アメリカやカナダには共通番号制度はありますが、取得するかは個人の自由。ドイツでは、人に共通の番号を付けるのは憲法違反。フランスでは社会保険番号を導入しましたが、政府の方針として、その番号はいろいろなことに使わないと明確に規定しています。・「日本のマイナンバー情報はすでに何回も漏れている」。2018年。年金機構が500万人分のマイナンバー入力業務を委託した外部業者が、その作業を中国の企業に再委託したことが発覚して大問題になった。個人情報保護委員会によると、2017年度から2021年度までの5年間で少なくとも3万5000人分のマイナンバーが漏洩している。・「国家公安委員会がマイナ身分証は危ないからやめてくれ!」。2022年11月。谷公一国家公安委員長は「マイナポータルにアクセスすれば閲覧できる個人情報を一括して盗まれ、職員個人への不正な働きかけに利用される可能性があり、最悪の場合、秘密情報の流出につながるので見送りました。」と国会で答えました。・「社会のデジタル化の先にある真の目的は?」。新型コロナパンデミックというショックの下で、ろくな審議もないままにスピード可決されたデジタル関連法案。①マイナンバーに紐づける情報をどんどん広げていく。②それらの情報をすべて、政府が管理するサイト「マイナポータル」に集めていく。③ひとたびマイナポータルに入ってしまえば、その使い方は国会を通さ無くても変更できる。民間でもOK。④個人データが盗まれるなどしても自己責任。デジタル庁は責任を取らない。⑤生活の中で色々なサービスを使うたびに紐づけられる情報は増えていく。⑥財界が欲しがっていた、国民の個人情報パッケージが完成。
4.個人情報が全て紐づけられた先に。・「ショック・ドクトリンでは、メディアがそろって笛を吹く」。河野大臣は会見で「理解されるまで(話し合いでなく)広報を頑張ります。」と回答すればOK。実際に頑張るのは、デジタル庁から第一次マイナポイント事業費139億7000万円に続き、第2弾CM活動も49億7000万円で受注した、広告代理店最大手の電通の皆さんです。初代デジタル大臣が元電通マンの平井卓也衆議院だったことも、奇怪な巡り合わせです。・「政府と企業間のお金と人事をチェック」。2015年に政府からマイナンバー関連事業を受注したのは、この制度を設計した張本人である、内閣官房検討会議「情報連携基礎技術ワーキンググループ」のメンバー企業9社でした。NTTデータ、NEC、日立製作所、富士通。自民党に2億4000万円を寄付しているこの4社は、総務省をはじめ関連省庁の官僚が大量に天下っている企業でもあるのです。マイナンバー制度の元になっているのが、総務省の巨大利権といわれた住基ネット。いつのまにか終了したシステムです。その住基ネットの仕組みを開発したのはNTTデータで、住基カードを作ったのは日立製作所ですから、2015年に廃止された住基ネットを基盤としたマイナンバー事業なら、今更他社は入れません。導入初期費用約3000億円と毎年の維持費300億円、セキュリティ対策費などの関連費用を含めると1兆円市場規模であるマイナンバー事業。政府の会議に参加した一握りのIT企業にとっては、笑いが止まらないでしょう。政府はまた、全国1800超の自治体に、職員の入館証とマイナンバーカードの一体化を強くプッシュしています。これももちろん受注するのは総務省傘下のJ-LSI。さらにもう1社忘れてならないのは、人材派遣会社のパソナグループでしょう。2015年の五輪の大会運営事務を独占契約&中抜き9割で、3300億円(2021年5期)を売り上げて炎上したばかり。今度もしっかりマイナンバーカードの管理・運営事業をパッケージ受注です。・「マイナンバーがないと政府ができない2つのこと」。①全国民の金融資産(預金・有価証券・電子マネーなどすべて)を、リアルタイムで完全に把握すること。②国民の思想と行動を把握すること。1つ目の個人資産の把握は、以前から財務省の悲願でした。本命は、2000兆円を超える、日本国民が持つ個人資産。1946年。戦後のハイパーインフレを理由に、日本政府は全国民に金融資産報告を強制すると、突然「預金封鎖」を実行して資産を1時凍結しました。国民は、全ての資産の最大9割を「財産税」として問答無用で徴収されたのです。現代の日本でも、国民の金融資産を没収する方法は、国会審議だけだとは限りません。議長である総理、内閣官房長官、金融担当大臣、財務大臣、日銀総裁、金融庁長官の6人で構成される「金融危機対策会議」で決められるのです。2つ目は、すでに日本でも、個人の信用力にスコアを付ける「信用スコア」が始まっています。もし個人データが知らないうちに売り買いされていたらどうでしょうか?個人情報を第三者に渡すときには、利用目的をクリアにして本人の同意を取るのが原則でした。実は,ほとんどの国民が知らないうちに、そのルールがどんどん緩められています。2015年には、「個人が特定できないように加工したデータなら企業が本人の同意なしで外部に売ってもOK」と法律を改正。2016年には民間企業だけでなく行政や独立行政法人にも拡大。2017年には医療情報までOK。2020年には非識別なんてまどろっこしいとばかりに匿名加工よりさらに簡単な「仮名加工」でもOKにしました。個人情報保護法が、どんどんザル法にされています。・「閣議決定は、全会一致の便利な道具!」。閣議決定とは、内閣が全員一致で決めた政府の意向、会社でいうと取締役会で決定したことのようなもの。日本ではほとんどの場合「多数決」といいながら「全会一致」。基本は大臣全員の賛成が前提、もし一人でも反対する大臣がいたら、総理が強制的に辞めさせてから全員に賛成の署名をさせます。(過去の例では、小泉総理が郵政民営化に反対した島村農水大臣を辞めさせた)。2022年12月2日。参議院本会議で改正感染症法、改正予防接種法が成立し、2024年から紙の保健所廃止とマイナンバーカードの取得の実質義務化が決まりました。さらにこの改正で決まったのが次の新ルールです。・都道府県知事の権限の強化。・製薬会社が支払うワクチン関連の損害賠償を国が肩代わり。・感染の疑いのある人物には「自宅待機指示」が可能。・自宅待機を拒否した人には懲役または罰金が科せられる。・ワクチン接種にマイナンバーカードを身分証明書に使った人の接種記録が国のワクチン接種記録に反映され、政府や自治体などの関連機関が接種記録を確認できるようになる。・マイナ保険証をワクチンパスとして利用する。これらのインフラ整備は、NECが、総務大臣の認定を取得済み。
5.アナログからデジタルへ。危険もいっぱい。・「いつの間にかどんどん利用範囲が広げられている!」。2023年3月4日。2024年度末までに運転免許証とマイナンバーカードを一体化させる道路交通法改正案が閣議決定。2023年3月7日。今後年金や給付金の受け取り口座も国民が拒否しない限りマイナンバーと自動的に紐付けられることが閣議決定。ここまでくると、政府のやりたい放題はどんどん加速し、次のような内容まで入れられていました。「マイナンバーを通して得た国民の個人情報を、何に使うかについては、国会を通さずにその範囲を拡大できるようにします」。法改正が必要ないなら、国会審議も不要。広範囲の個人情報が紐付けられたカードが、行政の判断で利用範囲をどんどん広げることができてしまう。・「見落とさないで!マイポータルに隠された巨大な落とし穴」。政府が運営するマイポータルのトップ画面の下に、目立たない色で小さく書かれている「利用規約」を読んだことがありますか?特に重要な4項目を簡単に見てみましょう。第24条、マイナポータルの利用に当たり、利用者本人又は第3者が被った損害について、デジタル庁の故意または重過失によるものである場合を除き、デジタル庁は責任を負わないものとします。第25条、デジタル庁は、利用規約の変更が、利用者の一般の利益に適合し、または、変更の必要性、変更後の内容の相当性そのた変更に係る事情に照らして合理的なものであるときには、本利用規約を改正できるものとします。第4条、(デジタル庁に対して自分の本人確認情報をいついかなる時でも閲覧されることに同意したとみなされる)。第11条、(金融機関に口座情報を照合することについて同意したとみなされる)。規約と言うのは契約書と違い、双方の合意ではない。だから「こちらで判断したのでルールが変更できます」とできるわけです。クレジットカードなら、盗まれたら凍結させ、新しく別の番号にできる。けれどマイナンバーカードは、原則として番号が変えられないうえに、悪用されたときの被害は比にならない。4桁の暗証番号があればマイナポータルで大量の個人情報にアクセスできてしまう。・「政府の仕事は利便性よりセキュリティの徹底」。カナダのトルドー首相は、コロナ禍をショック・ドクトリンに使った多くの為政者の一人です。国民にワクチン接種の強制や法を逸脱した行動制限を課し、市民が憲法違反を訴えると、いきなり緊急事態法を発令し、デモ参加者の個人情報を基に、彼らの銀行口座を凍結した。いざとなったら政府が国民のデータを使ってどんなことかできるかを世界に示した。
6.便利で快適なディストピアへようこそ。・「わざわざ不便にするのはなぜ?国民のせいにするためです」。あえて不便なことにするのはなぜ?政府がやることに偶然はありません。マイナ保険証ができれば、カードを使わざるを得なくなります。ところが不便です。不便になったときに「もっと便利にしてくれ」となります。つまり政府は強制されるわけでなく、国民から望む形になるのです。2020年の新型パンデミックスの際に成立した「スーパーシティ法案」もまた、ショック・ドクトリンの1つでした。国民の関心がそちらに向いている間にほとんど審議なしに通過したこの法案は、都市全体をネットでつなぐ都市構想です。スーパーシティで行政、企業、個人の情報を使って、外部企業がビジネスをすることが可能になりました。2020年の改正国家戦略特区法で、マイナンバーに行政情報が紐付けられることが決まりました。これは国民のマイナンバーを管理するスーパーシティの事業を投資家や経済界に提供する法案でした。さらに不安視されているのは、このデジタル都市構想は中国政府との連携が決定していること。・「スシロー事件の見えない刷り込み」。マナーの悪い若者に、怒りを感じたのではないでしょうか?「野放しにしておいてはダメ。しっかり取り締まってほしい」と。これこそが国民の願いです。その空気が高まったタイミングでデジタル大臣がテレビに出演して「マイナンバーカードがSNSの悪用防止にも使えますよ」と発言する。・「マイナンバーが上手くいっていた国があった」。バルト3国のエストニアです。個人情報を最重要資産と位置づけ、それを保護する立場の政府の責任を明確にしました。国民が安心してデータを預けられるよう、政府への信頼度を高めるインフラも整備し、全国民がいつ自分の個人番号を検索しても、誰かがそこにアクセスした記録をリアルタイムで確認できるようになっています。・「制度は性悪説で設計せよ」。デジタル化の成功には、技術やノウハウ以上に3つの大切なものが必要で、それらは、今の日本で壊滅的に欠落しています。1つ目は、政府と国民との信頼関係。2つ目は、情報の扱いに関する透明性と気密性。3つ目は、個人情報の持ち主の主権保護。「制度自体を性悪説で設計し、悪用できない様にすればいい」。マイナンバーのセキュリティ体制や個人情報保護、透明性がしっかりするまで、カードは作らない、使わない、という意思表示をするかどうかは私たち次第です。
7.政府のやりたい放題を止める方法。・「まず、今動いている法律をチェックする」。岸田政権が今国会に提出した、マイナンバーに関するルール変更。①マイナンバーの利用範囲を、国会を通さず省令だけで決めてOK。②年金給付口座などの情報をすでに行政が持っている場合、「登録拒否」と申し出ない限り、自動的にマイナンバーに紐づけることに同意したとみなす。③2024年に紙の保険証は廃止。④乳児の顔写真は不要に。2023年3月9日。全国8カ所で行われていた「マイナンバー違憲訴訟」について、最高裁は「違憲じゃない」という判決を出した。争点だった憲法13条(プライバシー権)への回答は、「マイナンバー制度は税金、災害、社会保障の3分野に限定されているのでプライバシー権には引っかかりません」。裁判所が3分野だけで使うなら」と言っているそばから、「利用範囲は省令で変えてもOK」にルール変更するのはアウトです。・「マイナンバーカードを作りたくない人はどうすればいい?」。今の保険証は2025年の秋まで使えるので、切れる前に発行先に連絡し、「資格確認書」を申請してください。作るのは無料、期限は最長1年で、切れてもまた更新できます。ただし、今までの保険証のように郵送してくれないので、期限が切れる前に更新手続きをしてください。マイナンバーカードを作ってしまったけれど、やっぱり様子見をしたい人は、無料で簡単に返却できます。役所に行って返納手続きの申請書をもらい、名前、生年月日、住所、電話番号と、理由の欄に「使わないので自主返納」と書くだけ。身分証は不要、10分で完了します。・「最大資産個人データを死守するための10カ条」。①政府に最低限のルールを入れるように意思表示する。②健康保険証の廃止を撤回させる。③カードの取得率で自治体の交付税に格差をつけるのを止める。④自分のマイナンバーに、いつ、誰が、何の目的でアクセスしたかの履歴を本人がいつでも見られる設定にする。⑤デジタルとアナログ両方の選択肢を残した設計にする。⑥省令だけの利用拡大はNG。⑦情報公開し、国民的議論の場を作る。⑧デジタル庁が責任を取らない状態での義務化はしない。⑨デジタル化は高齢者に合わせて設計する。⑩市区町村から送られてくる特別徴収税にマイナンバーを載せないよう、役所や地方議員に要望を出す。「個人データは最大資産。リスクは極力分散し、安心できるルールができるまで自己責任で死守せよ。」
<余談>先日、高校時代の友人と暑気払いしました。友人も「セキュリティが心配なのでマイナンバーカードは作りたくない。」と言っています。堤未果氏のこの本を薦めました。「すぐに読む」と言っていました。従来の健康保険証は、2024年12月2日から最長1年の間、有効である限り使用できます。 また、マイナンバーカードを取得されていない場合、ご本人の被保険者資格の情報などを記載した「資格確認書」が無償交付される予定です。 資格確認書を医療機関等の窓口で提示することで、引き続き、一定の窓口負担で医療を受けることができます。とありますので、何とかすると思います。
私は以前にセキュリティを審査する「ISMS( Information Security Management System)審査員補(ISO27001)」の資格を取りました。ISMSの前提の考え方として「いくらお金をかけてもセキュリティが100%になることはない。」があります。セキュリティには、人的、技術的、物理的対策が必要ですが、マイナンバーカードの対策は穴だらけに見えます。多くの人が振り込め詐欺のように騙しされることも予想されます。マイナンバーカードは銀行情報などの多くの情報が記録されています。流出した場合の被害は、従来のクレジットカード被害とは比較にならないと予想されます。しかもデジタル庁は何の保証もしてくれません。現在でも検索すると、偽造マイナンバーカードで200万超のロレックスを勝手に購入される被害。原因は“スマホ乗っ取り。【偽造マイナンバー】スマホ乗っ取り詐欺の本質 。など多くの記事がでてきます。独立行政センターのHPでは、「マイナンバー制度に便乗した不審な電話にご注意ください」と注意喚起しています。
ディストピア(dystopia)とは、理想的な社会の対義語で、不幸や抑圧が支配する未来社会を描いた概念です。ディストピアを描いている小説として、『1984』が有名です。1949年に刊行したイギリスの作家ジョージ・オーウェルのSF小説です。全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いています。本作の舞台となるオセアニアでは、思想・言語・結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、物資は欠乏し、市民は常に「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョン、さらには町なかに仕掛けられたマイクによって屋内・屋外を問わず、ほぼすべての行動が当局によって監視されています。世界は小説の予言のようになってきています。私は、日曜日にはTVerで、アメリカのNCIS犯罪捜査班(Naval Criminal Investigative Service)) の3本を見るています。たぶん10年ぐらい前のドラマですが、例えば、DNAからその人の、プロフィールや犯罪履歴や携帯の通話内容や銀行の口座や取引情報などすべてを検索しています。ドラマを見ているとアメリカは犯罪者以外にも国内外に政治的な敵が存在しています。人びとは多くのリスクとストレスの中で生活していると感じます。個人情報の収集は安全のために必要だとしているのでしょう。
10年以上前に、中国と取引をしていた時に、中国の経営者の方と、日本はメタボリックシンドロームの診断基準として、ウエスト周囲径が、男性85cm、女性90cm以上で、かつ血圧・血糖・血清脂質のうち2つ以上が基準値から外れると、「メタボリックシンドローム」と診断されると話題にしたことがあります。その時に中国の経営者の方は「日本人は家畜のようにそこまで管理されるのですね。」と言われました。調べると、牛個体識別番号検索サービスのサイトがあり、「サイトでは、牛の個体識別台帳に記載されている出生の年月日、雄雌の別、母体の個体識別番号、種別(品種)、飼養場所の履歴の検索ができます。」とありました。これからは、マイナンバーで人の個人情報が全て管理されます。日本は国民の意思や希望を無視して政策が、政治家や官僚の私利私欲によって決められる全体主義国家になってきています。政治家と官僚の独裁国家のようです。日本人の「家畜化」が進んでいくように感じています。