大沢温泉2泊3日+遠野/2024年11月①
転職までの有休消化の期間があり、湯治に行くことにした。
前にBSで、農家のおばあさん2人が湯治宿に行く番組を観て憧れていた。湯治は時間をかけて湯に浸かるのだから、今が絶好の機会ではないか。ならばと、旅館でないホテルでない、湯治宿を探すことにした。建物は歴史があるほどワクワクする。冬だし、北国であればなおよい。
現代は歴史ある宿もweb対応はばっちりである。湯治初心者の私にぴったりの宿がすぐさま見つかった。岩手県花巻温泉の大沢温泉だ。
ネット予約ができ、寝具・寝巻きの貸し出しがあり、趣のある建物に、おいしそうな食堂があって駅からシャトルバスの送迎付き。決まりである。
1日目
■移動 東京〜新花巻駅
東北新幹線やまびこ59号11:36発〜14:41着。この時間だとシャトルバスの乗り継ぎがちょうどよい。娯楽に本と、念のため湯たんぽを持っていった。
■新花巻からシャトルバスで大沢温泉
新幹線の着からバスの出発まで30分くらい。駅で地元の野球関連の展示が観られる。大谷翔平選手のユニフォームなども展示されていた。その間にバスが来ていれば早めに乗り込んでおくのがよいだろう。また、花巻駅で乗り込んでくる人の方が多い。ゆったり座りたければ新花巻からの乗車をおすすめする。
大沢温泉到着
大沢温泉はすてきな旅館スタイルの山水閣と、昔ながらの湯治場スタイルの湯治屋があって、バスの発着は山水閣。着いたらすぐ湯治場が見えて安心。
帳場でチェックインを済ませ、館内を説明しつつ、部屋まで案内してくれる。借りたいものがあれば申し出るとよい。今回は浴衣、丹前、コタツ、ストーブを借りた。
ストーブがあると暖かいが、灯油のにおいが強かった(帰宅したあとリュックの中からにおいがするくらい)ので湯たんぽがあれば次回はコタツのみでよいと思った。
写真はどんよりして見えるかもしれないが、部屋は清潔である。地方の民宿にありがちな、なんか粉っぽい床などはない。あとで気が付いたが、チェックアウト後の掃除は掃除機を使わず箒と拭き掃除をしてくれている。そのため連泊者は掃除の音を気にせず過ごすことができる。
いざ、風呂ざんまい
大沢温泉の宿泊者が入れる風呂は4つ。
山水の湯
山水閣にある室内風呂。とても大きくて、たっぷりとしたお湯が豊かな気持ちになる。湯気がもくもくしていて窓が大きくて非常に気分が良い。洗い場が一番広いので、シャンプーなどキッチリするときはこのお風呂がよいと思う。薬師の湯
湯治屋の室内風呂。地形の関係で入口からのフロアより降りたところから、さらに降りる。イメージ的には地下2階。浴槽は2つあって可愛らしい色のタイルが貼られている。ぬるめの浴槽があるので長湯できて、小さめなのに天井が高くて落ち着く。かわべの湯
女性用の露天風呂。着替えるところも外なので初めとても寒いが、温泉で温まった後はしばらく裸で汗をかくので問題ない。貴重品の鍵付きロッカーがあって安心。洗い場はない。大沢の湯
基本混浴だが、20:00〜21:00で女性専用時間がある。入り口で女性の従業員さんが受け付けてくれるので男女とも間違えて入る心配はない。気にならない人はいつでも入れるうえ、脱衣所は女性用の小部屋があるのでさらによいと思う。1時間か〜と思うがすぐ温まって汗かくのでこれも心配ない。開放感があるすてきな露天風呂。
チェックイン〜夕食までの間は山水、薬師、かわべを1度ずつ入った。入浴後はじわじわと汗をかいて布団のうえで放心した。こんなに暑くて、本当に冬の岩手なんだろうか。
最初の晩御飯
さて、湯治に憧れていたというのに自炊する道具は一切持たなかった。食堂の「やはぎ」の評判が良かったからだ。メニューは部屋にあってよく見てきたが、種類が豊富なので迷ってしまう。15時過ぎに着いてから2時間ちょっと風呂に入ったり休んだりして、18時半ごろ席に着いた。
そばがとにかく美味しい!そばの香りがして、つるつるして瑞々しくて、そばがおいしいのか水がおいしいのか分からなくなってくる。薬味として大根の絞り汁があった。初めてだったけどこれも爽やかで大変よかった。
プラスいくらかで部屋に出前も頼める。ずっと部屋にいるし、食事の時くらいは他の人がいるところで過ごしたいと思って毎回食堂で食事をとった。夕方のニュースが流れ、窓の外は青っぽく夜に変わってくる。壁面には所々ジブリの絵が描かれた色紙が飾ってあった。
はらごなし、風呂ざんまい
食べてすぐの入浴は消化に良くないので、部屋のコタツで本を読んで過ごす。隣り合う部屋とは壁一枚、出入り口は障子(鍵はかかる)のため物音は筒抜けである。他の部屋のテレビの音をBGMにして寂しくなく過ごすことができた。ストーブにやかんを乗せているので加湿されて心地よい。結局、満腹で読書は捗らず小一時間寝たと思う。
落ち着いたところで薬師の湯、続いてかわべの湯、少し休んで山水の湯でしっかり洗って浸かり、部屋に戻ったところでお茶休憩。
お茶はがぶがぶ飲んだ。部屋のポットは中のお湯がなくなったりぬるくなった場合は帳場で交換してくれる。
23時まえくらい、もう一度山水、かわべ、最後に薬師の湯に入った。周りの宿泊者は早めに寝ている人が多かったので足音に気をつけた。
寝る前、ストーブで温めたお湯を湯たんぽに入れ布団を暖めた。湯たんぽはあるとよいと思う。24時くらいに寝たと思うが、灯りのついている部屋は他になかった。
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