千代と暮らして丸2ヶ月
わたしの姿を見ると身を低くして物陰に隠れ、わたしが起きているとゴハンすら食べなかった千代が、このところ日に日に諦め、受け入れ、要求し、お喋りになっている。
保護主さんの言ってた通りだなあ。でも当時は「1ヶ月、3ヶ月とすぎる頃にはベタベタの甘々になるのでむしろ今が貴重ですよ!」と言われても「はァ…そうすかね…」と信じられなかった。
去年の9月に喪くしたさちは台所が大好きで、いつもわたしの足元で転がっていた。
千代は全く台所に近づかず、わたしがいればなおのこと、ひとりでもそこにいるのを見たことがなかった。
それが今日、さっき、初めて!
友だちが来るので料理をしていたわたしに鳴きながら近寄り、脚に身体をすりつけて「アン!」と言った。
ドキドキした…!
あまりに台所に近寄らないので、台所大好きだったさちが結界を張ってるのかしらなどと思っていたけど、だとしたらさちと千代も少しずつ仲良くなってるのかもしれない。
さちが今もいれば千代はここにはいないんだけど、なんだか2匹が並んで日向ぼっこしている姿を思い浮かべてしまう。
お互い大人だから一緒に遊んだりもしないだろうけど、ケンカもしないんじゃないかな、とか、千代もだんだんお喋りになってるからさちの大声と両方だったら凄そうだな、とか。
まあ、繰り返すけどさちがいたら千代はここにいないし、さちは猫が苦手なので現実味はゼロなんだけど…。
千代の変化が嬉しくてありえない生活を想像してニヤニヤ笑っている。