あしあと-私と息子のあゆむ道-(出産編)
夏も終わりに近づき少しずつ外の空気が夏から秋に移りゆく9月、ながいながい陣痛の末に出会えた小さな命、その瞬間私はようやく出会えたこの小さな命に感動の涙が…
ごめんなさい。
うそです(笑)。
それはそれはもう、とてつもなく長い試練だったんです。
正直産んだ瞬間の感想は、
もう勘弁。
でした(笑)
陣痛時間、約15時間。
最初の陣痛がきたのは、眠りについた矢先のことでした。
10分間隔から5分間隔になったのは夜中。
めちゃくちゃ痛いけど、めちゃくちゃ眠い。
私、どうやら睡眠欲が陣痛と同等だったみたいで、陣痛と陣痛の間のほんの数分の間に強烈なラスボスのような睡魔に襲われました。
がっ!眠りに落ちてとても気持ちのいい時に下半身にほとばしる激痛と荒波のごとく押し寄せる吐き気。
(激痛の中の嘔吐は本当にきつかった)
この繰り返しを15時間耐えたのだから、そりゃあもう出産の感想なんて
もう勘弁してくれ。
です(笑)
正直すぎますか?
そんな苦闘の末、ようやく生まれた長男に初乳をあげながらカンガルー抱っこをしている時は、部屋中が甘い香りに包まれとても静かで穏やかな時間でした。
その時私が思ったのは、
この勢いでもう1人産みたい
でした。
どういうことでしょうね(笑)。
だって「もう勘弁してくれ」だったのが
数分後には「もう一人産みたい」なのですから。
その言葉の中にたくさんの感情が詰まっているんです。
それはもう、ぎゅうぎゅうに。
可愛い、愛おしい、幸せにしたいetc.
きっと多くのお母さんが感じること全て。
ただ、正直な気持ちとしてもう一つ。
出産の感覚が残っているうちに、もう一人産みたい。
だって、何年か過ぎると感覚がリセットされてしまいそうで。
(のちに第二子を出産した私は、初産から3年の月日が経つにも関わらず、確実に出産の感覚を取り戻したため、あれだけ強烈な経験をすると、記憶や感覚が完全リセットされることはないのだと確信しました)
我ながら、
どれだけストイックなんだよ
と思いましたが(笑)。
カンガルー抱っこという至福の時が終わり、ようやくゆっくりと休む時間がきて、助産師さんに
リンゴジュース🍎
をいただきました。
それはリンゴ畑でもぎったリンゴをその場で搾ったような、とても新鮮で美味しいリンゴジュース。出産で火照った私の体中に冷たいリンゴジュースが一気に染み渡りました
もしかしたら、普通に売られているものかもしれないけど、その時の一杯は私にとって忘れられない最高のリンゴジュースでした。
ついリンゴジュースの説明に熱が入ってしまいましたが、何はともあれ、出産の全てが初めての経験で最大の出来事でめちゃくちゃ大変だったけど、とても幸せな出産だったと思います。
→「産後〜退院編」へ続く
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