日本語配列 自作キーボードの作成 その6
QMKの続きです。レイヤーとタップ等について説明します。
まずはレイヤー
レイヤーについては以前軽く説明しましたが、キーの数が少ないのにどうやって入力するんじゃい問題を解決するためのものになります。よくある Fn キー同時押しのやつですね。
QMK Configurator の Quantum タブを見てください。
左上に MOという下に小さな四角のあるボタンがありますが、こちらを割り当てます。
割り当てると四角の中に数字が0と入っていると思いますが、こちらをクリックすると任意の数字を入力することができます。
ここで例えば 1 を入れてみると、このキーを押している状態では1のレイヤーのマップに切り替わります。
そのため①のレイヤーにも別のキーをアサインする必要があります。
何も押さない場合がレイヤー⓪となりますのでレイヤー⓪に数字の1を、レイヤー①にF1を割り当てると、よくあるキーボードのFn+1でF1、といった設定になります。
レイヤーは15まで設定可能です。(実際は数個しか使わないかな?)
レイヤーの切り替えには上の図にあるいろいろなボタンで実現できますが、使うのはごく少数です。
レイヤー切り替えキーの説明
MO(数) 押している間、その数字のレイヤーに切り替わります。
TG(数) 一度押すとその数字のレイヤーに。もう一度押すと元のレイヤーに
切り替わります。
LT0~15 長押しするとLTの後ろの数字のレイヤーに(MOと一緒)
(任意字) ちょん押しの場合は、四角の中の文字が入ります。
OSL(数) 一度押すとその数字のレイヤーに。何かキーを押すと、変更した
レイヤーの文字が1文字入り、元のレイヤーに自動で戻ります。
ここでちょっと変わっているのが、LT0~15 で、キーを押す長さで機能が変わる設定となります。
詳しくは下の タップとホールド で説明します。
TIPS
以下の小技が有効です。
その1 レイヤー切替え後さらに切替え
レイヤーはレイヤー⓪←→レイヤーx と、双方向に移動するだけではなく、レイヤー⓪→①→②などと移動することができます。
例えば、レイヤー⓪で、左右のFnキーをそれぞれ MO(1) MO(2) と設定した上で、レイヤー①の 右Fn に MO(3) 、レイヤー②の 左Fn に MO(4) と設定すると、Fn左 + Fn右 でレイヤー③に、Fn右 + Fn左 でレイヤー④にと、押し順を変えることで別のレイヤーに移動することができるようになります。
その2 危険なボタンの誤動作防止
キーボードの再プログラミングのためのリセットボタンをキーボードから投入することができます。Quantum タブの最上段にある EEPROM Reset がそれにあたります。
こういったキーを間違って押さないように、深い階層のレイヤーに置くため、普段では押し間違えがないような組み合わせを作るのがオススメです。
(ポカヨケのため、特殊なレイヤーにする)
例:左Fn→右Fn→E→P でリセットとする場合
左Fnでレイヤ①、レイヤ①の右Fnでレイヤ②、レイヤ②のEで
レイヤ③、レイヤ③のPでEEPROM Reset でこうなります。
左手、右手、左手、右手、と押していかないと発動しないのでまず誤爆
はないと思いますし、EPと入るので覚えやすいかも?
EEPROM Reset について
こちらは以前説明しました、キーボードのプログラム書き込み用の物理ボタンを、キーボード上で実行するものになります。
キーボードを一度ケースに組み込んでしまうと、ちょっとしたキーの変更を行う際にいちいちドライバーで分解してと、かなり面倒になりますが、こちらのボタンを押すと、そのまま書き込みができる状態になります。
キーの修正をちょこちょこやりたい場合は、このボタンを設定しておくといちいちケースを開ける必要がなく便利です。
ただし、このボタンを押してしまうと現在のプログラムがリセットされてしまうので、その瞬間に全てのキーが動作しなくなります。
また、厄介なことに、書き込み準備をした状態でリセットしないとダメで、リセットしてからケーブルを抜き差ししたりすると、プログラムが消えるだけで書き込み準備状態とならず、物理ボタンを押さないと再度書き込みを実行することはできませんのでご注意ください。
(プログラムが無い状態=書き込み準備状態ではないため)
タップとホールド
以前に紹介した5列目配列がこちら。この機能もキーを削減するためのものになります。
タップ&ホールドは、SHIFTなどの組み合わせ前提の機能キーとは組み合わせ出来ませんが、文字と組み合わせることでキーを削減することができます。
レイヤーの時に説明しました LT0~15 がこちらの機能の一つですが、レイヤーの移動以外にも、組み合わせることができるものが沢山あります。
再度 QMK Configurator の Quantum タブを見てください。
上段の Mod key ~ が長押し(ホールド)した際のキーとなります。説明は()内に書いてあると思いますが、こんな感じ。
同時押し
1段目は同時押し。左から LSft=左Shift、LCtlは左Ctrl、LAltは左Altです。
例えば、LSft(1) = 左Shift +1 =!が入力されます。
3段目は複数入力で、LCA=左Ctrl+Alt、LSA=左Shift+Alt となります。
LCA(Delete) とすると、これだけで Ctrl+Alt+Delete が入力できます。
沢山ありますが、いろいろ試してみてください。
自分はこうやりました
上記にもありますが、Ctrl+Alt+Delete を片手だけで入力したかったため、左手側のCtrlに対して、Fn押しのレイヤーに LCA(Delete) を設定しました。
右手側にはDeleteがあるため、右手ならCtrl+Alt+Delete が片手で押せますので、左右どちらの手でも片手で対応可能になっています。
タップ&ホールド
2段目はタップ&ホールドで、LSft(1) とすると、長押しで左Shift、ちょん押しで数字の1が入力されます。
レイヤーの時の LT0~15 と一緒ですね。
自分はこうやりました
自分は左右FnキーをWinキー(※)と、アプリケーションキーと組み合わせています。
※この場合はWinの長押しがなくなりますので、「Win+E でのエクスプローラーを開く」等、Win+何か の入力は判定がシビアになります。
(同時押しのタイミングがずれるとダメ)
あとは左右のALTと無変換/変換キーですね。
誤爆とフォロー
タップ&ホールドは一見便利な機能ではありますが、先に説明した通り、同時押しとなるキーをタップ側に設定した場合は、タップ側のキー+何か、という入力がシビアになりますのでご注意ください。
自分は左FnのタップをWinキーとしましたので、Win+E のキーを押しづらくなりましたが、その場合は左FnのレイヤーでEを押した場合、Win+E が入力される、LGui(E) と設定すると、遅い入力でもフォローができたりします。
なお、左右ALTと無変換/変換ですが、こちらは無変換/変換の同時押しショートカットは無いためフォロー不要です。
今回はここまで。次回はマウス操作や他、LED等の機能について説明します。