いわゆる闇営業についての宮迫博之さん、田村亮さんの記者会見を全部見て
子どもの頃からラジオが好きで本が好きだったのは、知らないことを教えてくれたから。
鉄道や飛行機が好きだったのは、行ったことのない場所に連れていってくれるから。
アナウンサーになりたかったのは、誰かに何かを伝えて、子どもの頃の僕のように「へぇ〜っ」と思ってもらいたかったから。
でした。
過去形なのは、いまさらながら、自分のやっていることが本当にそうなのか自信がないから。
ヤクザや詐欺グループかどうかは別として、今回、闇営業と呼ばれたような仕事に関わったり、知っていた芸能、マスコミ関係者は数多くいるにもかかわらず、あんな可哀想な(私の感想)記者会見をせざるを得なかったのは、人が誰かが堕ちていくところを見たいというリンチのような好奇心をテレビ、ラジオ、雑誌などのメディアが商売の種に使っているから。
人は自分のやっていることを批判されたくないし、自分以外に責任があると思いたいもの。
また、人は嘘をつくこともあります。
自分かわいさに責任を逃れたいから。
みんなのためと言って組織を守りたいから。
その嘘は、より大きな嘘を必要としてしまい、いつか嘘の風船は破裂することが分かっているのに。
今回の出来事についての詳しい経緯は昨日の会見で初めて知りましたが、パーティーに呼ばれたら金はもらっていたであろうこと、会社から会見を止められていたであろうと判断して、番組ではずっと話をしていました。
そりゃそうでしょ。
世間を騒がせるという、なんのこっちゃら分からないことの責任を取ることへの違和感を持ちながら。
でも、結局はあの会見を開かざるを得ない事態に手を貸していたのかもしれません。
個人的な欲求や地位、名声、金銭のほかに、宮迫さん、田村さんが人々に笑いを届けたいと思って活動してきたことは間違いないでしょう。
でも、その道は当面絶たれました。
残念です。
彼らのついた嘘がきっかけなのだから仕方ない、と言われるかもしれません。
考えてみてください。自分にとって不利益ななにかについて、不意に問いかけられたとき、とっさに嘘をつかない人がどれほどいるか。
例えるなら、親に「宿題やった?」と尋ねられて、「もうやった」とか「今やるところだった」と反射神経で言ってしまいませんか?
そして、彼らは芸能界という舞台から堕ちていきました。みんなではないにしろ、多くの嘲笑をうけながら。
私は、ラジオを通じてそれを手伝っているのかもしれない。
年に数回のラジオ聴取率調査、翌朝に出てくるテレビ視聴率よりも、リアルタイムで出てくるツイートやradikoのリスナー数が重視されると、受け手に考えてもらう材料を提供することよりも、人が堕ちていくことを見せる方が数字が取れるようになるかもしれません。
それは、自分が伝えたいことを自分の言葉で伝えてくれた、少年だった私がワクワクして聴いていた番組とは違うものです。
どこまでできるか分かりませんが、私は私が納得できるように生きていきます。