新曲『黄昏セクエンツィア』について
ここでは、11月3日にリリースされた新曲
『黄昏セクエンツィア』の歌詞と、コラボさせていただいたシンガーソングライター・すぬたん さんのご紹介、そしてコラボのキッカケや曲の制作に関するお話を少ししたいと思います。
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『黄昏セクエンツィア』
作詞:すぬたん
作曲:10key
不意にかち合った視線を
戸惑っているように
貴方は逸らした
朽ちたギャバジンを翻し
踵(きびす)を返して 街へと急ぐのね
あの日あなたの口から
飛び出した言葉は
余りに軽いのに
古い煙管(きせる)を掴む指が
私に触れるのを何故だか期待した
乗り込んだメトロ
憧れたトーキー
憂い帯びた目に
二度も恋をしたの
沈黙の中で
耳捉えたのは
甘く響いたマンドラ
物差しで測れるような
しょぼいプライドなんかじゃ
空いたグラスも満たせやしない
世辞のひとつも言えないような
しけた劣情なんかじゃ
乾いた傷さえ癒せないわ
取るに足らないと
貴方は笑うの
大きく見せたい虚勢 弄(もてあそ)んで
輝いた過去は褪せた写真の中
さぁ燃やしておしまいなさいよ
冴えた台詞を纏った声に
胸を踊らせ焦がした
想い出を蘇らせてよ
さぁ貴方は何処へ向かうのかしら
冷めた熱を滾(たぎ)らせて
甘い夢をもう一度見せて
物差しで測れるような
しょぼいプライドなんかじゃ
空いたグラスも満たせやしない
世辞のひとつも言えないような
しけた劣情なんかじゃ
乾いた傷さえ癒せないわ
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📺 すぬたん さんのYouTubeチャンネル
元々は声楽家さんとしてクラシック音楽をメインにご活動されていたそうですが、その後ポップスのシンガーへ転身され、現在は上記YouTubeチャンネルにてカバー曲、オリジナル曲の歌唱動画を公開中です。
映画『竜とそばかすの姫』の主題歌や、ミュージカル『ミス・サイゴン』の『命をあげよう』などのカバー、そしてご自身のオリジナル曲も素敵なんです!要チェックですよ!
今回のコラボは、すぬたんさんの歌唱力と、オリジナル曲の歌詞の特徴に惹かれ、また小島麻由美さん等のジャズ歌謡が好きという話をされていて、また既に すぬたん さんは『赤のバロン』という素敵なジャズ歌謡のオリジナル曲をリリースされていたこと、さらに僕自身も昔Ego-wrappin’、モダーン今夜といったアーティストさんのカバーバンドをやっていたことから、この方とジャズ歌謡を一緒に作りたい!という気持ちからお声掛けさせて頂きました(^^)
冒頭の歌詞は、僕がすぬたん さんに曲のデモをお渡しして、僕がそのデモに対して抱いていた『落ちぶれたスター』『お酒』等といった断片的なイメージから、すぬたん さんの感性で昭和初期の夜の世界観に昇華させて頂いたものです!
ストーリーは、かつて華やかな世界で活躍していたものの、今となっては落ちぶれてしまったスターに対し、彼に密かに憧れを抱いていたカフェー給仕が、もう一度彼に返り咲いて欲しいと発破を掛ける、というお話。
初めてこの歌詞を頂いた時、僕の頭にはない言葉があらゆるところに含まれていてレトロな情景も明確に浮かぶ、とても良い歌詞だなぁと思いました。
かつて僕がバンドマンだった20代前半の頃、レコーディングスタジオで録った自信作のオリジナル曲をバンド関係外の友達に聴いてもらったところ、
「歌詞がもっと共感できたり、情景が浮かぶような内容だったらいいのにね」
と言われて、
「作り手と聴き手ではこうも感覚にズレがあるのか!Σ(゚д゚lll)」
と痛感した経験があったので、図々しくも すぬたん さんに作詞をお願いして本当に良かったなぁと思いました。
歌唱スタイルについては、主人公のキャラクター作りを完全に すぬたん さんにお任せして、少々クセを含む妖艶さと可愛らしさを表現して頂きました。
ご本人いわく、主人公のカフェー給仕は19歳とのこと。この曲が単なる古くさい昭和歌謡風ではなく聴こえるのは、すぬたん さんがこのキャラクターを演じ切ったことによるところが大きいと思います!
…おっと、ついつい話が長くなってしまいましたσ(^_^;)
またそのうち、オケの制作に関するお話を思うがままにするかもしれませんが、ご興味がありましたらまたお付き合いいただけると幸いです。
そして、この『黄昏セクエンツィア』が、皆さんにとってお気に入りの一曲としていただけることを願っております( ˘ω˘ )
それではまた。