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【バンドの思い出】スイッチが入った瞬間

夜中にTwitterで、あるフォロワーさんのツイートを読み、昔のことを思い出しました。

2004年、東京に出て3年目。

それまで私は、先に上京して来ていた学生時代の先輩のブルース・バンドでドラムを担当していました。

この年、そのバンドとは別に、会社で歳の近い先輩後輩にたまたまバンドマンが多かったので、そこで期間限定のバンドを組もうという話になりました。

メンバーは、私と同じ学校出身の先輩ヴォーカルと後輩ギタリスト、そして別の学校出身で、当時ヤマハが主催していたティーンズ・ミュージック・フェスティバル(いわば『バンド甲子園』的なイベント)の全国大会出場経験を持つ先輩ベーシスト。
(こんな人が会社にいる時点で凄い巡り合わせ…)

最初はベーシストの持ってきたオリジナル曲のデモ音源をスタジオに入ってトレースして「お、ウチら結構イイね。」くらいな感じで、楽しみは感じていたものの、みんなそれぞれメインのバンドを持っていたせいか、そこまでメンバー全員が本気では無かったように思えました。

それがあるとき一変し「これ、マジでイイ線行けんじゃね?」となります。

ベーシストが持ってきたデモ音源には、歌、ギター、ベース、ドラムの他に、シンセサイザー的な音が入っていました。

ベーシストは、会社外から自らのネットワークでキーボーディストを探してきました。バンド経験は全くないとのことでした。

現状メンバーが男ばかりのところに、ほんわかした可愛らしい女の子。彼女の表情から滲み出るアウェー感。

しかし、その彼女が入って合わせたリハの一発目。

デモ音源に入っていたシンセ音をピアノ音色で完璧にとらえてきただけでなく、サビなど随所に絶妙なアレンジを加えてきたのです。

その瞬間、スタジオの空気が完全に一変しました。スイッチが入った瞬間です。

あの時の他メンバーが驚く表情、ゾクゾク感は今でも忘れられませんし、後にも先にもあんな経験はありません。

もともとこのバンドは、島村楽器の『HOT LINE』という音楽イベントにエントリーするために組まれたので、持ち曲は2曲で終わるはずだったのですが、せっかくだからライブハウスで30分のステージやろうぜ!となって、メンバーそれぞれオリジナル曲を持ち寄って、HOT LINEは2店舗予選参加、渋谷のライブハウスでのライブもこなし、最終的にはレコーディング・スタジオにも入ってCDの自主制作もしました。

しかし、メンバーの大多数が別のメインバンドでも活動していたので、バンドは間もなく活動終了。

あの時作ったCD、今聴き直すと色々未熟だなぁとは感じますが、あの経験があったからこそ、ドラムを辞めた今でも楽曲制作を続けていられるのかな、と思います。

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