『ななめちゃん』がやってきた。なんでか分からないけど友人もやってきた。

　私、Vtuber(本人が顔を出すのではなくアバターに声をあてて配信するスタイルの人。※世界観が壊れるからアバターとかあんまり言わない方がいい。)を見るのが好きで彼らの配信や動画をよく見る。その中の一人で統合失調症を公表しているVtuberがいる。彼女は自分の体調が悪いことを「『ななめちゃん』が来た」と表現するのだけれど、まさに今の自分はそういう感じ。私は今まで精神疾患を患ったことがないから彼女の言う『ななめちゃん』と私の『ななめちゃん』は性質が違う可能性が高い。でも、この落ち込んだ気持ちに『ななめちゃん』というちょっと可愛い名前をつけて、「またアイツがやってきた」って考えられると少し気は楽になる。

　病院に行くほど困ってはないけれど、かなり前から自分の気分に波があることは分かっている。ある時は、大抵のことは努力すればどうにかなって、自分が頑張れば将来は絶対に良くなると盲目的に信じられて、人とも積極的に関わりたくて仕方がなくて、自ら仕事を増やすし、勝手に勉強するしで自分でも驚くほどアクティブになる。この状態をここでは仮に「『アゲアゲちゃん』がやってきた」、としたい。そうやって忙しくしていると、ある日、『ななめちゃん』がやってきて、何をやっても空しい、とか、この先に何の希望もないな、とか思ってしまって気持ちが一気に落ちてしばらく動けなくなる、ということを繰り返してきた。

　以前はこの『アゲアゲちゃん』と『ななめちゃん』のせいで人に大分迷惑をかけていた。有難いことにそれを指摘してくれて、私に根気強く「できないならできないで無理と言っていい」「無理なのにそれを言わないで一人で爆発する方が良くないし、仕事に差し障る」と教えてくれた人のおかげで最近は大分マシになったと思っていた。自身の気分の波を自覚してからは、出来そうだと思っても無暗に仕事を増やさない、と決めていた。それでしばらくはなんとかなっていた。

　けれど、9月半ばくらいに『アゲアゲちゃん』が来て、私はその誘惑に負けて色々とタスクを一気に増やしてしまった。そして、実は先週くらいから『ななめちゃん』がやってきている。今は『アゲアゲちゃん』が広げまくったタスクたちを最低限の締め切りのギリギリを攻めてなんとかやっているけど正直、かなりしんどいですわ。

　今だってnoteより書くべきものはあるし、「今後どうしよう」って考えるべきことが沢山あるんだけど、一旦ここに避難させてもらおうと思う。明日、朝から少し動こう。「明日やろうはバカ野郎」っていう金言があるけれど、ごめん、今だけは無視させて。本当にしんどい。やるべきことから逃げている自分にイライラする。今抱えている全てのタスクが私のせいで止まっている。早くやらなきゃいろんな人に支障が出てしまう。だけど、今は本当にやりたくない、無理。まるで、宿題をやりたくない小学生の駄々こねみたいだ。自分は結局根気がなくて辛いことから逃げてしまって、外面がいいだけの弱い奴だと心底突き付けられている。

　今日は朝から一つだけ、このタスクだけはやると決めてそれをとりあえずこなした。その後、昼ご飯を食べて気分転換にお出かけした。買い物しようとうろうろしていたら偶然、遠くに住む友人から私の住む近所に弾丸旅行で来ていると連絡が入った。本当に何の打ち合わせもしていなかったから私はLINEを見たとき、思わず声を上げそうだった。スケジュール的に短時間なら会えそうだったから会うことにした。彼とは色々話したいことがあったけど時間があまりにもなかったので他愛もないことを話して帰った。正直、直接話さなくてもいい内容ばかりだったけど、今、ここで、こんなダメダメな私の相手をしてくれる人間がいることに救われたような気がした。少なくとも、今日ここに私はいていいんだなと思えた。

　帰りながら、次に彼と会えるのはいつだろうか、と考えた。正直、二度と会えない可能性も十分にある。そのくらい、彼と私の人生には共通点がない。年齢も生まれた場所も育ってきた環境も驚くほど重ならない。今だって、なぜ彼と私の人生が交わっているのかよく分からない。でも、なんだかんだ彼と出会ってから今まで彼には沢山お世話になってきたし、彼は私の友人であり恩人になってしまった。彼とまた直接会える保証はないけれど、なんかまた会う気もする。前世で彼と何か因果でもあったんだろうか。いや、きっと因果なんて何もなくて、彼にとっては数多いる友人の一人の近くにたまたまいるから連絡をよこしてたまたま会えたから会ったってだけなんだろうな。

　けれど、彼が今日、偶然私の近くに来ていて、何を思ったか私に連絡して、私が時間を空けることができて、彼と話すことが運命だったとしたら、私は運命のことを少し好きになれそうな気がする。そのくらい、今日、彼に会えたことは自分にとって素敵な体験になった。

　最後に少しだけ。今日会ってくれた友人がこのnoteを読むことはきっとないから書かせてください。

　今日、私に何の因果か勝手に連絡をよこし、少しだけど会って適当な話をしてくれたあなたには本当に感謝しかないよ。なんで今日に限って連絡をしてきたんでしょうか(笑) まあ、でも、友達の多いあなたのことだから普通のことなのかもしれませんね。「今、気分が落ち込んでる」なんて言ったらあなたはそれなりに心配しそうだから絶対に言わないけど、私は今日あなたに会って話すことができて、本当に楽しくて嬉しくてありがたかった。明日、もう少しだけ頑張ってみるよ。いつか、あなたが本当にしんどくてどうしようもない時、私がどこかで力になれたらいいな。私はそれまでにあなたの力になれるような強くて優しい人間になっていたいと本気で思うよ。今日は本当にありがとうございました。