『メスとたましいのブログ』第33ターン;動物に合わせる》
こんにちは。金太郎さんの『メスとたましいのブログ』です。
人に教えることで自分が学ぶことがある、というのは往々にして起こることですが、今日体験したことはそういう面でまた一段としっくりくるものがありました。
以前から、教え子の愛玩動物看護師(男性)に「犬の後肢からの採血の時の保定を教えてほしい。」と言われていました。獣医療関係者の方であれば簡単にイメージがつくアレです。一般の方に説明申し上げると、踵からふくらはぎにかけての部分にある血管から採血をする時に、犬の膝が曲がらないようにかつ血管が浮き出るように足を持つことを指します。
愛玩動物看護師としては最初に覚える仕事の一つでもありますので、教え子の場合、教えてほしいというよりも「どうもしっくりこない感があることを相談したい」という感じでした。
彼が学生時代にも教えていたように今も私が学生に教えているのは「膝を握り潰すように持つ」というやり方なのですが、その教え子の彼は今も結構それを参考にしてくれていました。ただ確かに彼はうまくいっていませんでした。改めて自分がどのように足を持っているかを見直してみると、ちょっと違ったんですよね。これは自分の中ではパラダイムシフトとも呼べるような発見でした。
実際は「握り潰す」というよりも「犬の膝、足の形にフィットするように小指から(犬の足の先端側)から握っていく。そして最後に自分の手にしっくりくる、馴染むように微調整する。」というふうに言語化できるような感覚。ちょっとマニアックな話になりましたね。
でもそこでハッ!としました。「握りつぶす」という発想自体が人間の都合というか、一方的に動物を従わせるようなもので、あくまでこちらが動物に合わせるという考え方でいくならば「動物の体の形に合わせて保定する」という方が明らかにしっくりきます。
なんか荒っぽいというか雑いというか。。。丁寧な仕事をしようと日々心がけてはいるつもりだったのですが、思わぬバグが存在していた、といったところでしょうか。
動物ファーストと口にするのは簡単、動物に優しいマインドは持ったつもりになることも簡単。でもそれを実際のかつ具体的な行動で表現することは難しい。
仕事のキモの部分を見せてもらったなぁと思います。
改めて。
人に教えることは同時に大きな学びがあります。
今日も有言実行のプロフェッショナルを目指してお互い頑張りましょう!
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