2024年上半期 ベスト本

 Twitterで上半期ベスト10冊みたいなのやってるけど、ああいうのみていて楽しいですね。

 わたしはというと本を読むスピードも量もびびるくらい遅く少ないので10作も選べません。せいぜい5冊です。
 ということで公開します。

・52ヘルツのクジラたち  町田そのこ作
・神様のビオトープ    凪良ゆう作
・容疑者Xの献身      東野圭吾作
・恋に至る病       斜線堂有紀作
・ことり         小川洋子作
・昨日星を探した言い訳  河野裕作
(6冊じゃん!)

以下若干ネタバレ含みます。

 正直、52ヘルツのクジラたちが良すぎました。とても大切な一作になりました。noteで語りすぎているのでぜひ読んでってください。
 神様のビオトープ、とてもよかったです。凪良ゆうさんの作品は『わたしの美しい庭』、『流浪の月』、『すみれ荘ファミリア』を読んできました。どれも素敵なお話ですが、神様のビオトープは苦しくもなく、でも軽くもなく、優しく温かくとても包まれるような思いで読むことができました。最近流浪の月を読み直しましたがやはり苦しいのです。それが必要な作品ではあるし、文と更紗の生きづらさがなんとも。素晴らしい作品。他も読みたいのだけれど苦しそうで、いつでも読むぞ!という気分にはなれず。いつか。
 容疑者Xの献身はとにかくすごい。映画が大好きで、この映画を文でどう表現しどういう構成になっているのだろうととても興味を持って読みました。すさまじかった。ミステリーをほとんど読まないのでありきたりなこというかもだけれど、「頭の中どうなってるん?」です。細かすぎる設定、構成に脱帽です。一体どんな細かいプロットをたてているというのですか。そして容疑者Xの献身のすごいところはミステリーとしての完成度のみならず、人間の描き方。語ると長くなるのでやめておきます。石神を演じた堤さんもすさまじい。まさに石神そのものでした。それからタイトルもわたしはとてつもなく好き。献身。愛だ。
 恋に至る病はとにかく悲しくなりました。52ヘルツ~も胸が痛いけど、それとは違う痛み、悲しみ。憎悪に近い。いや、もはや憎悪だ。裏切られた、怖い、そう思ってわけもわからず勝手に涙がでました。信じたくない結末だったのです。読んだのを後悔までしました。嫌いな作品だとも思ったのです。でもしばらくしてしっかり心に刻まれているのに気づき。わたしはこれを読めてよかったと心底思います。
 ことりは言わずもがな。小川洋子さんの作品が好きなんです。ことりも例にもれず好きでした。小鳥のおじさんの一生をみれた。こんな作品を書いてみたい。小鳥が道で息絶えてしまっているのを見たとき、「あぁ小鳥のおじさんとお兄さんが、悲しんでしまうな」と思った。いつの間にかことりの作品はわたしの人生の中に入り込んですらいたのです。
 昨日星を探した言い訳もよかったです。愛だなぁ。8年(だったか)ずっと好きでい続けるなんてそんなのはゆめまぼろし。だと思うのだけどそれでも最後までわたしの望む結末であって輝いてくれたのが何よりうれしかったです。希望のあふれる作品で素敵でした。

 というわけでした。
 わたしの大好きな乙一さん、新作は本格ミステリらしいのでとてつもなく楽しみで今からわくわくしています。では。

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