元彼クエスト
今日は元彼の誕生日です。
お誕生日おめでとうK。
数週間前、自分の過度に性的な過去の作品を読み返していたのです。
小説を書き始めて間もないころの、ほぼ私小説で、Kのことも微に入り細にわたって書いてる。
というか、Kのことを忘れないために書いた。
私は学生のころから小説が書きたくて、書きたくて、書き出してみても、嘘みたいにつまらなくて、ずっと書けなかったんですが、ある日書き出したらなんか書けて、それからKのことを書いてみようと思い、書いてみたら、自分がなぜ小説を書けなかったのか分かったというお話。
私はKと付き合いながら、他の男に心を移し、Kとはあっさりと別れた。
私が心を移した男にこっぴどく振られて、それから長期にわたって立ち直れなかった時のことを書きたいと思っていた・
書けなかった。まったく。
書けば書くほど、つまらなくなる。
Kと別れて、4年ほどたったある日、昔の女友達から電話があった。
彼女は今Kと付き合っていて、Kは浮気をするし、前戯なく挿入してくる。大切にされていないと泣きながら電話をかけてきた。
Kによると、私のことは大切にしていたのだと。
Kは趣味のことにしか(詳しくは書かないけど、のちにそれがKの職業となる)興味がなく、私のことは二の次だった。
それを大切にしてただって…。
Kなりに大切にはしてくれたのかもしれないなあ、とは思うけど、その時の出来事も、やはり埋もれる。
それからまた長い年月がたつ。
ある日突然、私はKに対して、ひどいことをしてしまったことに気づく。
というか、自分を裏切った男のことは、覚えるのに、自分が裏切った男のことは、すっかり忘れてるって、なんて客観性の欠如。
そして、それが長い間小説が書けなかった理由。
あとから考えれば考えるほど、あれだけふたりとも、恐ろしいほど自己完結型の人間なのに、1年も付き合ってたってすごい。
まあ、この記事をKが見ることはないと思うけど、お誕生日おめでとう。
そして18歳の私を大切にしてくれて、ありがとう。