人を惹きつける文章の書き方
「バズる投稿を生み出せないのは、文章力が足りないからである。」
Instagramでレシピアカウントの運用をはじめ、早10ヶ月。5000フォロワーを超えてからの伸びがすこぶる悪い。
「何かを変える必要がある…」
そんな時期に差し掛かった気がする。いわゆるターニングポイントというやつだ。
一休さんばりに頭をひねって考える。
「バズる投稿を作るには一体どうすればいいのか?」
一般的に、バズる投稿には「いい企画・いいデザイン・いい文章」が必要だと言われている。(この点については至るところで理由が解説されているので詳細な説明は省く。)
そこで、まず過去の投稿を分析してみることにした。
「伸びている投稿はあるから企画の筋は悪くない、としよう」
「デザインも他の人の投稿と比べて…遜色はないな」
「文章は…なにか物足りないんだよなぁ〜…」
分析結果は以下のとおりだ。
「企画とデザインは合格ラインに達しているが、文章は合格ラインに達していない」
最低限の企画とデザインは揃っている(とした)ため、今やるべきことは文章力をあげることだという結論に至った。私は自身の文章力をレベルアップさせることを決意した。
過去3年ほどブログをやっていたということもあり、多少なりとも文章の勉強はしてきたつもりだ。『わかりやすく簡潔に』を意識して記事を書いてきた。が、人を惹きつけるナニカがなかった。文章に引力がないのだ。
「人を惹きつける文章を書く必要がある。」
そう思い、参考になりそうな本や記事を探した。すると、「あした死ぬかもよ?」や「3秒でハッピーになる 名言セラピー」などの著書で有名な天才作家ひすいこたろう氏がちょうどいい本を書いてくれていた。「ひすい先輩、幸せになる伝え方を教えて!」という本だ。
読んでみて思った。めちゃくちゃ良い本だ、と。自分の中でしっかり消化させよう、と。
今回の記事では、ひすいこたろう氏の本の内容やこれまで学んできたことを踏まえ、「人を惹きつける文章の書き方」について、自身の備忘録も兼ね、まとめていくことにする。この記事が文章力アップの一助となれば幸いだ。
人を惹きつける文章の特徴
人を惹きつける文章の特徴を3つ列挙した。それぞれの特徴について、詳細を以下で解説していく。
①ターゲットが明確である
「すべての人に刺さる文章なんてものは存在しない」
「タイパ(タイムパフォーマンスの略)向上アイテム5選」というタイトルがついた記事があるとする。忙しい20代のビジネスマンには刺さっても、定年退職した60代の元ビジネスマンには刺さらない可能性が高い。
この記事のターゲットは20代ビジネスマンである。20代ビジネスマン向けに尖っているからこそ、20代ビジネスマンに届き、反応してくれる。
そして、そのターゲットの印象に残るからこそ、ターゲットから支持され、バンドワゴン効果(多くの人が支持しているものの支持がより高くなる現象)によりその勢いが波及し、多くの人から支持されるようになるのだ。
明確なターゲットを設定し、理解し、そのターゲットに刺さる言葉を選ばなければ、だれにも見向きされない文章になる。そして、ターゲットに刺さることも永遠にない。
人を惹きつける文章には、必ず明確なターゲットが設定されている。
②読むメリットがある
「なぜその文章を読むのか?」
人は自分にメリットのないことはしない。学び・驚き・気付き・共感・笑いといった、望んでいるメリットを得るためにその文章を読むのだ。
ラノベを読むことで、物語の面白さを享受することができる。花粉症の対策方法の書かれた記事を読むことで、その対策方法を知り、花粉症の症状を緩和することができる。
人はこれらのメリットを得るために文章を読むのだ。逆にいうと、読むメリットがない文章は、誰からも読まれない文章ということになる。
ちなみに、人はタイトルやサムネイルを見て、その投稿を見るか(メリットがあるか)どうかを判断する。統計によると、このときにかかる時間は0.3~0.5秒ほどだ。よって、一番最初に目につくところで一番大きなインパクトを与えることが重要になる。
また、文章の途中においても気を抜くことはできない。望んでいるメリットが得られないと判断されれば途中で離脱されるからだ。文章の最初から最後まで、読み手になんらかのメリットを与え続ける必要があるという点には注意が必要だ。
人を惹きつける文章には、必ず読むメリットが存在する。
③頭の中で具体的なイメージが浮かぶ
「相手の頭の中に言葉で絵を描く」
これは、ひすいこたろう氏の言葉である。私はこの言葉から、書いた文章を読んでもらうことは、すなわち「イメージの共創」であると理解した。
書き手は文章でイメージを伝え、読み手はその文章からイメージをつくる。書き手は脳内のイメージを正確に伝える必要があるし、読み手は書き手のイメージに近いイメージを脳内につくり出す必要がある。
文章の書き手と読み手が、文章からイメージを共創することで、イメージを共有し、理解し、書き手が伝えたいことが読み手に伝わっていくのだ。
A: 夕日によって長い影ができた。
B: 西の空一面を染めた橙色の太陽が、我々の影を長くのばしていた。
AとBの文章を読んだとき、鮮明なイメージが沸くのはどちらだろうか?
人を惹きつける文章を読むと、必ず具体的なイメージが頭の中に浮かんでくる。
人を惹きつける文章の書き方テクニック7選
前章では人を惹きつける特徴について解説してきた。だが、これらの特徴は少し抽象的過ぎるようにも思える。
そのため、人を惹きつける文章を書くにあたり、特に使えるテクニックを以下に7つ列挙した。それぞれのテクニックについて、詳細を以下で解説していく。
① 表現をシンプルにする
「簡潔に分かりやすく(引き算の美学)」
人の脳は楽をすることが大好きだ。楽な方へ楽な方へと進んでいく。脳科学においては、脳が情報を処理するとき、できるだけエネルギーを節約しようとすることが知られている。
当然、文章を読むにしても同様の力が働く。そのため、難しい言葉を使わず表現をシンプルにし、脳の認知負荷を可能な限り少なくすることで読むハードルを下げることができる。また、表現をシンプルにすることで、認識の齟齬が発生しづらくなるため、イメージの共創がはかどる。
人を惹きつけるにはシンプルさが必要だ。
② ストーリー性を持たせる
「忌み子として生まれた。親を含めたすべての村人たちに忌み嫌われた。名前はまだない。」
人類は進化の過程の中で、物語に共感し、登場人物のことを自分ごとのように捉えられるようになった。これは身の危険を守るため、また、集団の中で円滑なコミュニケーションを行うために身に付いた能力である。
映画やドラマ、漫画といった物語にも共感という力が働いている。文章に物語の力を利用しない手はない。※共感については以下を参照
③ 感情や五感の動きを伝える
「爽やかな香りが鼻に広がり、口の中に目が覚めるほどの強烈な酸っぱさがもたらされる」
共感の力を利用するためには、感情や五感の変化によって感じたことを言語化し、読み手に伝える必要がある。人が人である以上、他人の感情や五感の動きは最も理解しやすいからである。
より強力に共感の力を利用するために、感情や五感の動きを伝える必要がある。
④ 秀逸な例えを活用する
「ひらがなにルビを振るくらい意味ない」
秀逸な例えにはインパクトがあり、印象に残りやすい。また、イメージもしやすい。相手の頭の中に印象的な絵を浮かべるには、相手がすでによく知っていることを例えに利用することがコツである。
ただし、使いすぎるとウザくなりがちなので使いすぎには注意が必要。
⑤ 問いかけをする
「問いかけはなぜ必要なのか?一度手を止めて考えてみてほしい。」
文章中に問いかけを入れることで、読み手に対話のような体験を提供できる。また、文章の中で一度立ち止まることで、その中身を咀嚼できる時間も生まれる。
客観的に読んでもらうのではなく、主観的に読んでもらうことで文章の中に引き込み、文章というアトラクションを体験してもらおう。良い体験は記憶に残るものだ。
⑥ データや名言を引用する(権威を借りる)
「諦めたら試合終了ですよ」
人は権威性に弱い生き物である。これは科学的にも実証されていて、(安西)先生や専門家の意見を否定せず鵜呑みにしてしまうのが良い例だ。
文章に信ぴょう性を持たせるためにも、権威のある人の名言やデータなどを引用したい。(権威を借りる)
⑦ 伝えたいメッセージを明確にする
「人を惹きつける文章でバズる投稿を生み出す」
トーク=メッセージ(伝えたい抽象的なこと)×エピソード(現実に起こった具体的なこと)
上記は、ひすいこたろう氏の著書「ひすい先輩、幸せになる伝え方を教えて!」の中で、同氏が提唱している方程式である。方程式について、詳しくは同書を読んでいただきたいが、私も同意見で「伝えたいこと(メッセージ)を読み手に伝えるために書く」ことが文章を書く目的だと思っている。
「あなたは何のために文章を書くのだろうか?」
まとめ
「バズる投稿を生み出したい。」
そんな思いから始まったこの記事も、もうおわりになる。この記事を簡単にまとめると、人を惹きつける文章の特徴は以下の3つ。
ターゲットが明確である
メリットがある
頭の中で具体的なイメージが浮かぶ
これらの特徴を満たすために、以下の7つのテクニックを紹介した。
表現をシンプルにする
ストーリー性を持たせる
感情や五感の動きを伝える
秀逸な例えを活用する
問いかけをする
データや名言を引用する
伝えたいメッセージを明確にする
これらを意識して文章を書くことができれば、バズる投稿を生み出すことができる。という結論だ。
この記事の完成に伴い、これから私はこの記事を見返しながら文章を書いていく予定だ。
これから一歩一歩、高みを目指して進んでいく。その歩みを見守っていただければ、それ以上嬉しいことはない。
参考文献
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