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【高専からの大学編入】 【土木系】 併願校を徹底的に検討する

はじめに

少しネガティブな話にはなりますが、「落ちたとしても進学できる大学がある」という事実は、もしもの場合の進学先を確保できるのみならず、余計な不安や焦りを取り除くことができ、メンタルの安定に繋がるため、併願校選びは非常に重要です。
しかし、幾多ある大学の中から比較・検討して併願校を選ぶということは時間がかかりますし、入学確約書の締切日などの都合もあるため、併願校選びに苦心する方は多いと考えています。
そこで、実際に九州大学工学部土木工学科を受験した際に、併願校をどのようにして選んだか、また、併願校として検討していた大学とその特徴を記事にして公開し、土木系の後輩方に役立てていただきたいと考えた次第です。
なお、試験日程や合格発表日などに関しては、2023年度に受験した際の情報です。基本的に大きくは変わらないと思うので、来年のカレンダーを見るなりして、参考にしてください。

併願校選びの際に軸としたこと

試験科目が少なく、内容が簡単であるか

併願校の試験科目が少なく、試験が簡単であるほど、併願校のための対策に割く時間を減らすことができ、第1志望校の対策により多くの時間を割くことができます。実際に、岡山大学、徳島大学は、5日前くらいから本格的に対策を行い、労力を最小限に抑えて合格をいただくことができました。なお、熊本大学は一週間ほど前から本格的に対策を行いましたが、不合格になりました。何はともあれ、併願校のための対策に多くの時間を費やしては本末転倒であるため、2科目以内で、癖のある問題が少ない大学を選びましょう。また、第1志望校と同じ科目が課される大学を選ぶと、より併願校のための対策に割く時間を減らすことができるでしょう。なお、九州大学以外の旧帝大を受験される方は、数学、物理、化学、(大学によっては)英語と、かなりの重量入試が課され、その対策に多くの時間を費やす必要があるため、同じ科目が課されるかどうかは気にせず、とにかく試験科目が少なく、内容が簡単な大学を併願校に一校は選んでおきましょう。

入学確約書の提出期限

入学確約書の提出が第1志望校の合格発表より前に求められる大学は基本的に受験できません。
まあ、一般入試であれば、入学確約書提出後でも辞退していいという考え方もありますが。徳島大学は、大学側から辞退していいとしている訳ですから、ここは個人の判断に委ねます。

その大学に進学する目的はあるのか

編入した後、目的がなければ意味がありません。最終的に私は、先述した2点と研究したい分野を考慮して、岡山大学、熊本大学、徳島大学の3校を併願校とすることにしました。

併願校に検討したい大学

岡山大学工学部工学科都市環境創成コース

  • 試験日程 : 6月17日(土)

  • 試験内容 : 面接(口頭試問を含む)

  • 合格発表 : 7月10日(月)

  • 入学確約書 : 10月6日(金)

広島大学と中四国No.1を争う大学です。面接(口頭試問を含む)のみで受験することができ、TOEICの提出も求められず、かなりの軽量入試であることから、併願校としてオススメします。また、合格者数も定員と比べて多めにとられます。恐らく、辞退者数などを考慮して、一定のボーダーを超えた学生は合格としているのでしょう。
ちなみに、広島大学も併願校としてオススメしたかったのですが、両大学は、例年同じ日程(6月中旬)で編入学試験を行う上に、広島大学は7月下旬には入学確約書を提出する必要があるため、難関大学の併願校には不向きであると判断いたしました。なお、岡山大学の入学確約書の提出締切日は、募集要項に記載はありませんが、例年9月下旬から10月上旬頃となっています。


熊本大学工学部土木建築学科土木工学教育プログラム

  • 試験日程 : 7月8日(土)

  • 試験内容 : 数学、専門科目(構造力学、水理学、土質力学)、面接

  • 合格発表 : 7月31日(月)

  • 入学確約書 : なし

九州にてNo.2の地位を確固たるものとしている大学です。数学、専門科目(構造力学、水理学、土質力学)が課されますが、問題数が非常に少ない上に、基礎的な問題しか出題されないため、併願校としてオススメします。詳しくは過去問を取り寄せて確認してみてください。広く浅く対策して、合格を勝ち取りましょう。注意点としては、先生方に記入していただく調査書、自分で記入する自己申告書が厄介であるという点です。書類に関しては、前々から準備しておきましょう。
ちなみに、これだけ簡単そうに書いていますが、私は不合格でした。


東京都立大学都市環境学部都市基盤環境学科

  • 試験日程 : 7月7日(金)

  • 試験内容 : 専門科目(構造力学、水理学、土質力学、土木材料学、土木計画学)、英語(TOEICまたはTOEFL)、面接

  • 合格発表 : 8月4日(金)

  • 入学確約書 : なし

大阪公立大学と並ぶ(?)有名公立大学です。構造力学、水理学、土質力学、土木材料学、土木計画学が試験科目として課されます。近年はやや難化傾向にありますが、問題演習に取り組むなど、しっかり対策していれば大丈夫でしょう。都立大学の魅力は受験料の安さです。国立大学は30,000円であるのに対し、都立大学は17,000円で受験することができます。13,000円は大きいですよ。また、どうしても都内で生活したいって人は、都立大を受験する必要があるでしょう。土木系学科は、電通大や海洋大、農工大にはありませんからね。


埼玉大学工学部環境社会デザイン学科

  • 試験日程 : 7月1日(土)

  • 試験内容 : 数学、面接

  • 合格発表 : 7月18日(火)

  • 入学確約書 : なし

定番の併願校であり、試験科目は数学と面接です。難関大学受験者の定番の併願校であるがゆえ、合格できた場合はかなり自信をつけることができるのではないでしょうか。不合格になった場合でも、難関大学の受験本番に向けてスパートをかけようと思うことができるのではないでしょうか。いい前哨戦になる大学であると思います。


岐阜大学工学部社会基盤工学科

  • 試験日程 : 6月17日(土)

  • 試験内容 : 数学、専門科目(構造力学、水理学、土質力学、土木材料学、土木計画学、環境衛生工学)、英語(TOEICもしくはTOEFL)、面接

  • 合格発表 : 7月3日(月)

  • 入学確約書 : なし

東海国立大学機構の岐阜大学です。数学は一癖ある問題が多い印象で、専門科目は構造力学、水理学、土質力学、土木材料学、土木計画学、環境衛生工学の6科目が課されるなど、特徴のある大学です。専門科目が少し厄介ですね。合格後に「入学意向調査書」を提出する必要がありますが、入学を確約する書類ではなく、あくまで意向を示すための書類であるため、併願校とすることができます。


香川大学創造工学部建築・都市環境コース

  • 試験日程 : 6月3日(土)

  • 試験内容 : 数学、力学or電磁気学orプログラミング、英語(TOEIC)、面接

  • 合格発表 : 6月13日(火)

  • 入学確約書 : なし

1997年に新設された、国立大学で最も新しい工学部です。数学に加えて、力学、電磁気学、プログラミング(C言語)のいずれかを受験する必要がありますが、難易度はそれほど高くはなく、毎年受験者の多くが合格しています。合格発表が6月中旬である(かなり早い)ことに加え、入学確約書の提出が求められないことから、合格することで、早々から変な不安や焦りが取り除かれ、受験勉強に集中することができるでしょう。


山梨大学工学部土木環境工学科

  • 試験日程 : 6月10日(土)

  • 試験内容 : 専門科目(構造力学、水理学、土質力学)、面接

  • 合格発表 : 6月16日(金)

  • 入学確約書 : なし

試験科目として三力が課され、計算問題のみならず、公式の導出問題や語句の説明問題が出題されることもあるなど、理解度が試される傾向です。他大学の専門科目対策にも山梨大学の過去問は使えると思います。ぜひ一度ホームページで確認してみてください。香川大学と同じく、合格発表が6月中旬とかなり早く、入学確約書の提出も求められないため、合格することで、本命の試験に集中することができるでしょう。


徳島大学理工学部理工学科社会基盤デザインコース

  • 試験日程 : 6月22日(木)

  • 試験内容 : 数学、専門科目(構造力学、水理学、土質力学、コンクリート工学から2科目選択)、英語(TOEICもしくはTOEFL)

  • 合格発表 : 7月19日(水)

  • 入学確約書 : 7月28日(提出後に辞退可)

徳島大学は、面接がないということが特徴の大学です。このような特徴から、
・筆記試験が終わったらすぐにでも帰りたい
・疲れた頭で面接に臨むのは不安だ
・併願校の志望動機などを考える時間が面倒だ
という方にオススメです。筆記試験の科目は数学+専門科目であり、専門科目は構造力学、水理学、土質力学、コンクリート工学から2科目を出願時に選択します。数学は徹底研究や徹底演習で見たことあるような問題が多く、簡単に攻略できます。専門科目はいずれも簡単ですが、その中でも特に難易度が低く、計算量が少ない水理学、土質力学を選択すべきです。
なお、入学確約書の締切が7月下旬となっていますが、合格通知書には、確約書提出後でも辞退してよいとの記載があったため、徳島大学は併願校にすることができるといえます。


北見工業大学工学部

  • 試験日程 : 7月1日(土)

  • 試験内容 : 数学、英語(TOEIC)、面接

  • 合格発表 : 7月14日(金)

  • 入学確約書 : なし

日本最北端の国立大学です。数学の試験がとても簡単(教科書レベル?)です。TOEICも585点で満点です。移動費等は嵩みますが、とにかくどこかの大学に合格しておきたい、という人にオススメです。
また、例年11月に2次募集を行っているため、全落ちした場合の最後の希望ともなります。


最後に

私がこの記事を投稿しようと考えたきっかけは、もし併願校選びを疎かにしていた場合、全落ちも有り得たのではないか、と感じたこと、そして、実際に全落ちした人が身の回りに多かったことにあります。私自身、九州大学の推薦入試に不合格となり、全落ちへの不安からか精神状態が不安定となり、勉強が手につかず、食事も喉を通らないような状況が続きましたが、併願していた岡山大学から合格を頂き、そこから「九大落ちても岡大行ける」の精神で盛り返して、何とか九州大学に合格することができたため、併願校選びを疎かにしていたら、と考えるとゾクッとします。この記事を機に、皆さんに併願校について今一度考えていただくことができ、編入試験合格の一助となるのであれば幸いです。


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