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【OAK】ここまでの動きまとめ。ハニーウェル獲得など

これまでのストーブリーグの動きをざっとまとめます。

ブレント・ハニーウェルを金銭トレードで獲得!

ルール5プロスペクトのプロテクト締め切りとなる現地11/29にビッグムーブ(当社比)が来ました。
A'sは金銭との交換でタンパベイ・レイズからブレント・ハニーウェルを獲得しました。

ハニーウェルはかつてはトッププロスペクトとして嘱望され、2017年にはMLB.comで12位にランクインされるなど、正真正銘の金の卵でした。
しかし、ハニーウェルは度重なる故障に苦しみ、2017年から2021年までは怪我で1球も投じず、その間に4回右肘にメスを入れました。
ハニーウェルは2021年に何とかメジャーデビューに漕ぎ着けましたが、MLBでもAAAでも結局インパクトある成績を残すことはできず。マイナーオプションも既に切れ、見込みもないハニーウェルを人材豊富なTBが40人ロスターに残す術はありませんでした。

A'sにとってはこのハニーウェル獲得は僥倖でしょう。ルール5のプロテクトを前にして40人ロスターはわずか28人とロスターはすっからかんで、スターター・リリーバー両方のデプスを欲していました。
もはやかつての面影は薄れたとはいえ、ハニーウェルは投げられさえすれば十分な貢献を見込める投手だと思います。

 -ハニーウェルについて分析

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ハニーウェルは4球種を織り交ぜます。4シーム、カッター、チェンジアップ、そしてスクリューボールです。

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幾多の故障を経ながらも、4シームは今でも平均93.8mph、最速95-96mphを叩き出します。スピンレートは2047とかなり低めで、沈む変化を見せる球種です。ゾーンのエッジ(特に球団方針なのか上辺とサイド)に丁寧に集まっている点が好印象。

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プロスペクト時代の代名詞は絶滅危惧種の変化球・スクリューボールでしたが、どちらかといえば主要な変化球はカッターとチェンジアップのコンボ。どちらも縦にも横にも小さく動く高速の仕様で、プロスペクト時代からプラス評価を受けていましたが、MLBでは満足に空振りを取れていませんでした。スクリューボールは腕への負担が大きく、ハニーウェルの故障禍の遠因と噂されていたこともあってか、データ上は現在半ば封印しているような形です。

ハニーウェルについて調べていく中で感じたのが、ハニーウェルが意外にも”いかにもアスレチックス"な投手だということです。

三振は多く奪えないものの、コマンドで勝負できる技巧派というカタログスペックはもちろん、そのコマンドとレパートリーはキャプレリアンやジェフリーズを、空振りを奪えない変化球はAJ パクを、その虚弱体質は全てのA'sのピッチングプロスペクトを思わせます。A'sの投手に通ずるところが多く、言い換えれば、A'sが好みそうなタイプと言っても良いでしょう。
私はプロスペクト時代のハニーウェルにも魅せられましたが、今の元プロスペクトのハニーウェルという投手のことも随分と気に入ってしまいました。

投球をどう改善させていくかについて言えば、回転数の少なさを活かしてシンカーを投げたり、あるいは速球は低めに集めたり、カット気味の速球を投げたり、と色々試す余地はあるように思えますね。スクリューを投げられるぐらいには指が長く、柔らかいのでカッターなんかはすぐに覚えられるかもしれません。

ハニーウェルの起用法についてどうこう言える段階ではまだありませんが、先発でもリリーフでもどちらでも潰しは利きそうです。
特にシーズンの中盤からは完全に先発起用に戻り、先発としてのオプションが消えていないと証明できたのはプラス材料です。昨年もオフのロスター整理に一枚噛んでコール・アービンを獲得していますし、こういったノーリスクのトレードで何人いてもいい先発投手のデプスを分厚くするのは素晴らしいことです。

モンタス、バシット、マナエアの三本柱の解体が噂され、ローテーションを組む人数が足りるかどうかも不透明な現状、ハニーウェルはスターターとしてスプリングトレーニングに臨むことになるはずです。
できればパク、ジェフリーズ、キャプレリアンらと共に元スペランカー有望株ローテーションを組んで欲しいもの。健康第一で頑張って欲しいです。


5人のプロスペクトをプロテクト

そして、ルール5ドラフトを前にして、5人のプロスペクトを40人ロスターに加えました。

ニック・アレン(Nick Allen)
コディ・トーマス(Cody Thomas)
ジョナ・ブライド(Jonah Bride)
ジョーダン・ディアス(Jordan Diaz)
ホルヘ・フアン(Jorge Juan)

プロテクトが確実視されていた守備型SSニック・アレン、昨年AAAでブレイクの大砲トーマス、AAでブレイクした出塁マシーンのジョナ・ブライド、抜群の打撃センスを誇る21歳ジョーダン・ディアスなどが”順当に”プロテクトされました。

少々驚きだったのが、ホルヘ・フアンのプロテクトです。フアンはまだA+より上のクラスで投げたことはありませんが、恵まれた体躯とそこから繰り出される最速99mphの速球とカーブのコンビネーションで密かに耳目を集め始めたプロスペクトです。マイナーカテゴリーのルール5ドラフトで獲得されては元も子もありませんし、理に適った選択ですね。

対して、プロテクトから漏れた選手の中にはオースティン・ベックやジェレミー・アイアーマンなどの伸び悩みプロスペクトも含まれています。正直な所、指名される可能性もごく低いでしょうし、退団することになってもさほど痛手ではないことの方が私の心には痛いです。

ダニー・ヒメネスとマイナー契約

昨年のルール5ドラフトで獲得したもののシーズン前に返却されたダニー・ヒメネスをマイナー契約で呼び戻しました。
2021シーズンはTORのAAAで39試合に登板し、ERA2.22の好成績を残しています。

昨年崩壊したブルペンの整備は不可欠ということもあり、こういったマイナー契約は今後も多いはずです。昨年のドミンゴ・アセベドに引き続き、良い所に目を付けているなと唸らされる契約ですね。


今後について

既に幾つかの報道にある通り、A'sは主力選手のトレード放出に踏み切るようです。これについて色々と思うところはありますし、感傷的に書き連ねたいことも少なからずありますが、だらだらと書くのはまた今度にします。ただ、間違ったタイミングではないというのも確かでしょう。

再建という言葉がこれからのプロセスにとって的確かは分かりませんが、少なくとも今年のオフは来年の勝利よりもコストカットと安価で良いチームを仕上げるということがテーマになりそうです。

そのためにも、主力選手(オルソン/モンタス/バシット/マナエア/チャップマン)をどのように売り切るかということはオフの最大の争点になります。彼らの穴をそのまま埋められるメジャーレベルの選手が一連のトレードで加入する可能性は高いでしょう。どういったトレードを行うにせよ、ネームバリューのあるプロスペクトを少人数獲得するよりは、マイナー全体のデプスアップを図ることのできるパッケージの方が今のA'sにとってはベターだと私は思っています。

そしてもう一つ、このオフに取り組む必要があるのは安価な選手の獲得です。大枚を叩くことは到底不可能でしょうから、前述のハニーウェルやヒメネスのようなムーブでなんとかデプスを厚くしたいところ。
特に補充が必要なポジションは...と書こうとしたら野球チームの構成要素全てが列挙されてしまったので控えますが、積極的なマイナーFAやウェーバークレームに期待しています。

具体的な話をすれば、まずブルペンは安価で便利屋のベテランであるプティートを呼び戻し、マーフィーの控え捕手(マーフィーが放出されて正捕手になるかもしれませんが)にも先日DFAされたマイケル・ペレスウィリアンズ・アストゥディーヨなどをクレーム、投手陣もマイナーFAからエリック・ヤードリージェイコブ・ジュニスなどを獲得してほしい。。

。。。

ウィンドウショッピングがこんなに慎ましくて良いものでしょうか?

安価な伏兵の発掘に躍起になるのは例年のことながら、例年その烏合の衆を見事な統率力で束ねていたボブ・メルビンがもはやチームにはいないということに気付かされ、また悲しい気持ちになりますね。


画像出典:baseball savant, baseball reference, Oakland A’s Twitter

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