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【OAK】シーズンここまでを小ネタで振り返る
開幕して1ヶ月半、思ったよりも投稿のネタがない毎日です。
正確に言うとちょっとしたネタを思いついたりはするのですが、どれも帯に短し襷に長しという感じで、一本の記事にするまではいかなそうなネタばかり。そもそもがコンテンダーでもないですからチームの戦績を振り返ってどうこうも言えないですし、ブレイクした選手のことについて書こうとしてもブレイクしそうな選手がいなかったりと、なかなか難しい状況です。
とはいえども、書かなければいけません。今回は没ネタ・小ネタを集めてシーズンここまでを振り返ってみます。
AJ パクの感動ブレイク
最も記事になりそうだったネタ。できるだろ?となるかもしれませんが、この程度の活躍でいちいち大騒ぎしていてはオタクがすたりますし、2016年ドラフトNo.1投手の名が泣きます。パクのどこがこうして良くなったんだぜ?とbaseball savantのチャートを引き合いに出してドヤ顔で講釈垂れるのは、パクがサイヤング賞を獲ってからです。それまで待っていてください。
そうとばかり言っていられないのでここからは少し真面目に話しますと、今年のパクが良くなったのはひとえに「コマンドの改善」のおかげです。
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こちらがパクのピッチマップですが、意志を感じるまとまり方を見せています。
昨年、肩の故障とフォーム変更によって失われた球速を取り戻すためにアームアングルを下げてからちょうど1年、サイドハンド転向自体は失敗に終わりましたが、細かい修正を繰り返しながらやっと今のスタイルにまで辿り着きました。
オーバーハンドで投げていたプロスペクト時代はやや球質が平凡というきらいもありましたが、アングルを下げたことを契機にそれも改善しました。道のりは長かったですが、これまでの茨の道のりで得たものが無駄になっていないことを感じ、一ファンながら深い感慨を覚えています。
このままいけばリリーフとしてMLBを代表する存在になることももはや夢ではないパクですが、個人的にはやっぱりパクを先発で見たいという思いが強いです。コッツェイ監督は開幕前、パクの先発の道を閉ざさないことを示していましたし、リリーフ起用もそれを意識してかマルチイニングでの登板がほとんどです。モンタスが無事にトレードとなればスポットも空きますから、そこでパクが再び先発に戻ることも無くは無いとそう思っています。
守備が上手いケビン・スミスとクリスチャン・パチェ
それぞれチャップマンとオルソンのトレードの見返りとしてやってきた期待の若武者、ケビン・スミスとクリスチャン・パチェの守備貢献は特筆に値します。
”将来のゴールドグラバー”との呼び声高かったパチェは早速その守備力を惜しみなく発揮。
ここまでOAA+4を記録し、このまま試合に出続ければゴールドグラブの最右翼となりそうです。
この守備範囲の広さには毎試合驚嘆させられます。
Cristian Pache went a LONG way to make this catch for the @Athletics -- 101 feet, to be exact. pic.twitter.com/BUmArQYfNz
— MLB Pipeline (@MLBPipeline) May 7, 2022
そして、ケビン・スミスの守備が平均以上というレベルを飛び越えてここまで優秀だというのには驚いています。
DRS+5、OAA+3は前任者のマット・チャップマンと比べても優秀です(チャップマンはDRS+0、OAA+1)。
本職はSSということもあって高い身体能力をいかんなく発揮しています。
Great grab by Kevin Smith, love the side shot of Elvis Andrus jumping with him. #Athletics #DrumTogether pic.twitter.com/p7jp3sLsGI
— Joe Hughes (@VegasJoeHughes) May 7, 2022
ただ、パチェ、スミス共にOPSは.600を超えておらず、打撃での本格開花はまだ先になりそうな様子。
しかし、トラッキング系の指標を見てみると、2人の打撃にも期待が持てそうです。どちらとも打球が速く、そして思いの外アプローチがそこまで悪くありません。
パチェはここまで平均打球初速91.2mphを記録、ハードヒット率は48.8%という高水準です。ここまでRaw Power(生来のパワー)を発揮できているとなると、あとは改善中のアプローチをさらに磨いて、打球の角度を上げるだけ。スプリングトレーニングからエバレッジ打撃コーチと取り組んでいる二人三脚の特訓が、着々と成果を見せ始めています。
スミスも同様に良質な打球を飛ばせています。彼の場合はバレルのフィールに優れているようで、平均以上のバレル率を記録しています。ただ、スミスの問題はフライを打ちすぎること。ゴロが多すぎるパチェと足して2で割れたらちょうど良い感じになりそうです。
A'sが今オフのファイヤーセールで獲得したプロスペクトはどちらかというと守備力が売りの選手が多め。試合に出続けられるだけの守備力は十分に備わっているため、あとはメジャーでの経験を増やして打撃覚醒を待つだけだと思います。マーカス・セミエンのようにじっくり大きく花開くのを待ちましょう。
ドミンゴ・アセベドが投げている球界最悪の4シーム
無名のリリーバーばかりのブルペンの、割かし中枢を担っているのがメジャー2年目のドミンゴ・アセベドです。
かつてはヤンキースのトッププロスペクトとして期待されていましたが、大成せず。昨年マイナーFAでA's入りしたところ、リリーフで覚醒、メジャーデビューを果たしました。数多くの主力が抜けた今年は勝ちパターンの1人に数えてもいいほど重要な場面を任されています。
今季ここまでそれなりに健闘してくれているアセベドですが、見ていてどうしても引っかかることがあります。それはアセベドが球界最悪の4シームを4割超の割合で投じていることです。
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こちらがアセベドの4シームのスタッツ。被打率・被長打率・xSLG・wOBAで4冠を達成しているのに飽き足らず、xwOBAやハードヒット率でも虎視眈々と球界ワーストの座を見据えています。
アセベドの4シームの問題の一因は、球質の平凡さにもあるでしょう。平均球速93.0mphは平凡、というかパワータイプのリリーバーであることを考えれば物足りないレベル。変化量の方を見てもシュート方向にはよく動くものの、縦変化はほぼなく、落ちるわけでもホップするわけでもありません。いわゆる棒球というやつでしょうね。
そしてコマンドも悪い。こちらがピッチマップですが、なんとも美しい。ストラックアウトをしていてもこんなに真ん中に投げることはないはずです。ダイナミックな自殺志願でしょうか。
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しかし、逆に捉えれば4割超の高割合で爆弾を投げながらも成績までも爆発していないということは、4シームさえ減らせば伸びしろはあるということ。事実、スライダーとチェンジアップの被打率は1割台と機能しています。
なんとか、なんとかピッチコムのシステムに侵入して、アセベド登板時だけ4シームのボタンが無くなるようにできないでしょうか…。
追記:
Gary Sanchez 433 feet to dead center! pic.twitter.com/oMFxupFXco
— Talkin’ Baseball (@TalkinBaseball_) May 17, 2022
このチャプターを書き終えた後、アセベドの4シームがまたまたまたまたまたまた飛びました。
クリスチャン・ベタンコートの足が速い
Covid-ILの離脱者が出た時の代替選手としてアピールし、ついに控え捕手の座を勝ち取ったベタンコートが頑張っています。
2017年以来のメジャーでのプレーとなるベタンコートですが、ブランクを感じさせないプレーぶり。プロスペクト時代から評価されていたキャノンアームと守備力はもちろんのこと、打撃でも貧打のOAK打線では比較的優秀なパフォーマンスを見せています。
そしてbaseball savantを眺めていると目を引くのがその足の速さ。パーセンタイルで72の高水準で、平均27.9ft/sは捕手としてはかなりの速さになります。
以前は二刀流に挑戦していたこともあり、アスリートとしての運動能力はやはり頭ひとつ抜けているということなのでしょうか。ともあれ今後もこのアスリート捕手のプレーぶりに注目です。
DFAされてから本気出す。ルイス・バレラはブレイクできるか?
シーズンここまでの最大のハイライトは恐らくルイス・バレラのキャリア初アーチとなる逆転サヨナラ3ランではないでしょうか。中継を見ていましたが、思わず目が覚めました。
Luis Barrera's first big-league home run was a big one.
— MLB (@MLB) May 14, 2022
(MLB x @CapitalOne) pic.twitter.com/PSVwNCfz7G
このバレラ、実は4/11にDFAを喰らったばかり。その後4/15にウェーバーをクリアし、AAAに降格、そしてマイナーでの活躍を認められ5/9に再び40人枠に復帰しました。
言うなれば、球界で最も層の薄いチームのひとつであるA'sからお払い箱にされ、さらに他の29球団のどこからも必要とされなかった選手だったというわけです。
チーム内ではプロスペクトとしての期待を受けていたバレラにとって、DFAの知らせは非常にショッキングなものでした。「ラスベガス(AAA)では良いシーズンを送っていたのに…」
傷心のバレラにとっての転機は彼の妻の言葉だったといいます。「あなたのキャリアはまだ終わっていない」「ゼロからの再出発よ」と夫を励ましたそうです。
そしてアウトライトされた後、AAAではさらなる活躍を見せ、ビリー・マッキニーからポジションを奪う形で再昇格。今回のサヨナラHRに繋げたというわけです。
アスレチックスの選手がDFAを経てブレイクというのはいくつかの先例があります。
リアム・ヘンドリクスがその最たる例でしょう。彼は2018年のDFAから一念発起し、その年のプレーオフのオープナーまで務め、そしてその後の活躍は御存知の通りです。
さらに今年ブレイク中のポール・ブラックバーンもDFAの経験があります。
バレラも偉大な先人の例に倣えるでしょうか?答えは神のみぞ知るところでしょうが、少なくとも私は楽観的です。
バレラの肩・走塁・守備といったツールはもう証明済みですし、打撃の方でもここまで素晴らしいアプローチを見せています(Whiff/Chase rateはどちらも平均より10ポイント近く低い!)。
なかなか定着のチャンスに恵まれないままオプションをすり減らし、ついに巡ってきた今年のチャンス、なんとか活かしてほしいという親心でバレラを見守っています。
プレイヤー・オブ・ザ・マンス
4月のもー的月間MVPの発表です。MoVPに輝いたのは…….
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ポール・ブラックバーンです!!!
4月は4先発し、ERA1.35の好投。チームに3勝をもたらしました。このままいけばオールスターも夢ではない感じですね!5月に入っても調子を落としていないので期待大!
プロスペクト・オブ・ザ・マンス
AAでプレーのユーティリティ、マックス・シューマンが4月のプロスペクト・オブ・ザ・マンスです!!
昨年マイナーで52盗塁を決めた韋駄天のシューマンですが、打撃の進境著しく、今季はここまで4割近い打率と5割近い出塁率を記録。昨年7HRながら既に3HRを放っており、打撃覚醒の予感を漂わせています。
昨年もほとんどAAでプレーしていましたし、そろそろAAAに上げてみてほしい所ですね👀
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