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【OAK】それでも今季のA'sに注目すべき10個の理由【戦力分析回】
1. ニック・アレンがレギュラーになる
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MLBの新たな”ディフェンシブ・ウィザード”となるであろうニック・アレンのデビューが確実視されていることは、A'sファンにとって大きな希望です。
宝石級の守備力はもちろんのこと、疑問視されていた打撃でも進歩を遂げ、最終的に打撃でもバリューをもたらせる選手に成長しても驚きはありません。もし打撃でもインパクトを残せれば、新人王争いの意外なダークホースとなるかもしれません。
気になる昇格時期ですが、アレンのAAAでの活躍次第で変わってくると思います。現在、正遊撃手はエルビス・アンドルースの予定ですが、打席数によって更新される来季オプションがあるため、シーズン終了後までにレギュラーでいることはまずありえません。アレンがMLBでプレーしても大丈夫とフロントが判断すれば、すぐにでもレギュラーをアレンに明け渡すことになると思います。早ければ5月、遅くとも8月までには世代交代は完了するでしょう。その間にアンドルースがチームの若手に何を残してくれるのかにも個人的には注目しています。
2. 少なくとも現時点でマーフィー、ローレアーノ、モンタスがいる
昨年以前からの主力メンバーであるこの3人はオフの間の放出を免れ、少なくとも現時点ではA'sのユニフォームでプレーすることになります。
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中でもトレード放出説が最も現実的だったモンタスは、サイヤング賞の有力候補の1人です。キープしたということは、モンタスのトレードバリューがまだまだ上がるとA'sが睨んでいることでもあるので、モンタスの活躍には期待したいです。
今季が調停前最後のシーズンであるマーフィーは覚醒の雰囲気を漂わせています。STでは打率.433と絶好調で、30打席に立って5三振とこれまでの課題だったコンタクトツールにも長足の進歩を見せています。
禁止薬物使用による出場停止で4月いっぱいは試合に出られないローレアーノですが、STでは堅調でした。名誉挽回の機会を欲している所でしょうし、復帰後は大暴れに期待したいですね。
欲を言えば、この3人がまだチームに居る内に再びプレーオフに出られる態勢を整えてほしい所ですが、現実的には難しいでしょう(特にモンタスは)。今夏のデッドラインで全員を放出する可能性もゼロではないため、A'sにいる内にそのプレーを目に焼き付けておきたいですね。
3. ドールトン・ジェフリーズが開幕ローテに入る
怪我にたたられ、不運にたたられ、先発ローテーションになかなか入れていなかったジェフリーズがついに先発ローテーションの一員となりました。
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昨年、ジェフリーズは肩の故障もあって開幕ローテ入りを寸での所で逃し、さらにシーズン中に先発投手が離脱した際も実力的には代役一番手でありながら中日が合わず、ついにはシーズン終盤にローテ入りが決まると自分が故障と祟られたかのようなシーズンを送りました。
ファイヤーセールでスポットが空いた今年はファンにとっても、そして何より本人にとっても待望の機会です。健康でさえいれば、ザック・ギャレンのようなパフォーマンスをしてくれると信じています。ジェフリーズが先発する開幕3戦目が早くも楽しみでなりません。
4. クリスチャン・パチェ・ショーが開幕か?
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マット・オルソンのトレードの目玉として加入したクリスチャン・パチェはその快活なキャラクターで早くもファンの心を掴んでいます。
ゴールドグラバー級の守備力が評価されるパチェですが、打撃はまだまだ発展途上。ローレアーノ不在の間、CFのレギュラーとしてどのようなパフォーマンスを見せるのか注目です。
今年すぐにブレイクする必要はないので、今年はひとまず最低限の打撃成績をクリアし、MLBで1年プレーできたら御の字ではないでしょうか。
フル出場できればゴールドグラブの可能性も十分にあると思います!楽しみ!
5. ケビン・スミスとシェルドン・ノイジーの3B争い
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どちらがマット・チャップマンの後継者となるのでしょうか。ケビン・スミスとシェルドン・ノイジーの両若手が鍔迫り合いを演じています。
当初は、チャップマンの交換要員であるスミスのレギュラー獲得が当確扱いされていました。スミスはその期待に応える形で、STでは打率.325/3HRの活躍を見せましたが、そこに伏兵ノイジーが待ったをかけました。
元々A'sのプロスペクトで、オフにLADからDFA後に復帰したノイジーは打率.343/4HRとスミスを上回る大爆発。
開幕に差し掛かって、コッツェイ監督は嬉しい悩みを抱えることになりました。
救いなのは2人とも守備が良い所。3B守備はもちろんのこと、スミスは本職のSSを、ノイジーは2Bもこなせます。高いレベルで複数ポジションをこなせる汎用性が2人とも備わっているため、2人を同時に試合に出すことはそこまで難しいことではありません。
結局のところ、スミスとノイジーがどちらともブレイクしてくれたら最高ですね。
6. ルーキー投手の投げっぷりに注目
投手陣にはほとんど補強を施さなかったこともあり、今年は昨年からいたメンバーに加えてトレードで獲得した若手とマイナー契約で獲得した選手でなんとか乗り切ろうという予定のようです。
その中のひとりがバシットのトレードで加入し、開幕ロスターの座を手にしたアダム・オラー。
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プロスペクトと呼ぶには少し年増の27歳のオラーは苦労人です。ドラフト20巡目でプロ入りし、リリースやルール5ドラフトも経験し、独立リーグやオーストラリアでのプレー経験もあります。
「正直に言うと、自分のキャリアでそんなこと(メジャー昇格)を聞くことになると思っていなかった」と何度も諦めかけた夢を叶え、今季メジャーに挑みます。
他にも注目すべき投手がいます。40人枠外からチャンスを勝ち取り、開幕ブルペンの切符を手にしたザック・ジャクソンとダニー・ヒメネスの2名です。
ジャクソンは元はTORのプロスペクトでしたが、故障や制球難のせいで伸び悩み、昨年マイナーカテゴリーのルール5ドラフトでA'sに加入。制球難を矯正し、アンヒッタブルな投手へと生まれ変わりました。
ヒメネスは2021年のルール5ドラフトで一旦A'sに加入しましたが、STでアピールできずTORに返却。その後AAAで好成績を残し、今季マイナーFAでA'sに”復帰”を果たしました。
ブルペンは人手不足が顕著で、シーズン中に崩壊してもおかしくありませんが、ニューカマーの覚醒に期待しましょう。
7. これまで控えだった選手に注目
主力が一斉にチームを去り、これまで控えを務めていた選手にチャンスが回ってきそうなのも今年の数少ない良い所のひとつです。
特にチーム最古参となってしまったチャド・ピンダーはついに毎日プレーするチャンスを得ることになります。
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マイナー時代はオルソンやチャップマンと同じようにプロスペクトとしての期待を浴びていましたが、結局プラトーンプレイヤーからのステップアップを果たせず、ついにピンダーはFAイヤーを迎えてしまいました。A'sの選手として最後のシーズンの可能性もあり、悲しいことにピンダーがMLBのレギュラーとしてプレーする最初で最後のシーズンの可能性もあります。心して見守りたいシーズンになりそうです。
また、もう一人はセス・ブラウンです。昨年はプラトーンでメインに起用され、20HRをクリア。今年はさらに出場機会を増やす見込みで、どれほどHR数を伸ばせるのかに注目です。
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そして2人とも守備が優秀なため、フルで出ればゴールドグラブ受賞の可能性もあるはず。このシーズンを機に一気に一流選手の仲間入りとなれば最高ですね。
8. ジェド・ラウリーとスティーブン・ボートのラストイヤーになるのか?
ファイヤーセール続きのファンの批判の目を逸らすためか(?)、A'sは人気のある2人のベテランを呼び戻しました。
ジェド・ラウリーは奇跡的な復活を遂げた昨年に引き続きチームに帰ってきました。走塁と守備はもう厳しいとはいえ、機械のようにウェルヒットを量産する打撃技術はいまだ健在。多くの若手にとってのロールモデルとなり得る存在で、若い選手の多いロスターに経験をもたらすことが期待されます。
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前ディケイド最大の人気者と言っても過言ではないスティーブン・ボートは6年ぶりに復帰。控え捕手、一塁手としての役割のほかにも、チームリーダーとしての役割を期待されています。ボートはチームが主力を続々放出し、新たな時代に突入したことを受けてこう語っています。
私のメッセージはこれだ。我々にはチャンスがある。素晴らしい1年になるはずだ。与えられたこの機会をどう生かすかなんだ。今チームでは多くの若手がメジャーリーガーとしての地位を確立しようとしていて、それは必ずしも容易なことじゃない。毎日、自分の力を発揮し、チームの勝利に貢献する機会が与えられているんだ。毎日の目標は、1試合1試合に勝つことだ。そのために必要なことは何でもするつもりだ。
年齢的にもこの2人がメジャーでプレーできるのはそう長くはないでしょう。来年がラストイヤーという可能性も十分にあると思います。フランチャイズの英雄の最後の雄姿を瞼に留めましょう。
9. プロスペクトの昇格に注目
一連のトレードでA'sのファームシステムは大いに潤いました。今季中に昇格の可能性があるプロスペクトもちらほらいます。
AAAラスベガスでは前述のニック・アレンをはじめ、オルソンの対価であるシェア・ランガリアーズ、俊足巧打の外野手ミッキー・マクドナルドらが控えます。
AAミッドランドにはさらにネームバリューのある面々が控えます。投手でいえばコリン・ペルースはAAを早々に卒業し、終盤にデビューの可能性がありそうです。また野手であれば、今季から捕手にも挑戦するスーパーユーティリティのジョナ・ブライドやローガン・デビッドソンといった面々の名が上がります。デビッドソンは昨年こそ苦しんだものの、投手有利のAAで結果を残せれば、今季中にデビューできる見込みもあると思います。
下のクラスにも楽しみな選手が多く、また別でマイナーリーグのプレビューもしようと思います。そちらもぜひご一読を。
10. 奇跡の兆候あり?
ここまであたかもA'sが最下位確定の若手を登用する以外に楽しみのないチームかのような書き方をしてきましたが、それは全くもってその通りです。しかし、訓練されたA'sファンの皆々様はお気づきの通り、最下位予想が多いときほど奇跡を起こすのがこの球団。A'sが奇跡を起こすと信じるためのトリビアをいくつか。
まず今年は奇跡の大逆転地区優勝を決めた2012年からちょうど10周年の節目です。あの年も今年と同じようにファイヤーセール後に迎えたシーズンでしたが、蓋を開けてみたら伏兵の大覚醒祭りで地区優勝。
今年のチームを見てみましょう。ゴーグルのアダム・オラーはAJ グリフィンそっくりですし、怪我がちなエースのジャロッド・パーカー役はドールトン・ジェフリーズが適任、ランガリアーズの髭面はデレク・ノリスそのもの、カリスマ性をビンビンに醸し出しているパチェは2代目ジョシュ・レディックの風格が既にただよっている。。。まるっきり2012年の焼き直しのようではないですか!?
本来なら海外から鳴り物入りで加入するセスペデス役は鈴木誠也のはずだったのですが、金銭的事情で呼べなかったようです。残念。
普通なら誰しもが絶望するようなファイヤーセールの後でも、こうやって夢を見られるのがアスレチックスを応援する特権かもしれません。奇跡を起こすにせよ、大負けするにせよ、楽しいシーズンになるだろうと確信しています。
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