幸福へ向かう順算や逆算の土台となるのは、内側の情熱から始めるインサイドアウト 【7.TaC】
タスクシュートを学んでいくと、一度は「順算って何?」というところで、立ち止まるのではないでしょうか。
わたしたちは、「逆算」という考え方は、よく使いますし、学校や会社で叩き込まれます。
しかし、「順算」とは学ばないものです。
一方、タスクシュートの中では、順算は激推しの概念になっています。
いったいこれは、何なのでしょうか。
「順算」というのは、タスクシュートを使う方々の中でも、きっと最初は言葉にしにくいものだったのではないでしょうか。
その証拠に、「タスクシュートマスター講座テキストブック」(2023.8.1版)には、「逆算しない」という表現はあっても、「順算」という言葉は一回も出てきません。
タスクシュートを使う方々の中で、順算とはどのようなものか、対話が続けられてきました。
それぞれの実体験を踏まえながら、「こういうものではないか?」と一つの概念にまとめあげていく行程は、とてもワクワクするものです。
テキストブックの中で、順算という言葉を使わなかったのは、むしろ正解だったのではないかと思えるくらいです。
そして、いわゆる<共通了解>(複数の人の間で「こういうものだよね」と納得される定義)が育まれ、今現在は、「順算」の定義がまとまりつつあります。
タスクシュート協会の理事であるjMatsuzakiさんもまた、いろんな場所で「順算の定義」を発信しているのですが、ここではいったん置いておきましょう。
今回は、「順算とは?」について、僕らしい思考の行程を踏んで、定義したいと思います。
僕の思考の特徴としては、スティーブン・R・コヴィ博士の名著『7つの習慣』に、人間として在り方を求めている点にあります。
「在り方」を『7つの習慣』に求め、
「やり方」を「タスクシュート」に求め、
「在り方」と「やり方」を統合したところに「幸福な生き方」が生まれると考えています。
であるならば、タスクシュートにおける「順算」「逆算」もまた、『7つの習慣』を参考にして、理解していきたいと思います。
『7つの習慣』をベースに考えた時、まずもって、順算なり、逆算なりは、テクニックだということです。
よりよいタスク管理、時間管理をするための、テクニックです。
『7つの習慣』においてテクニックは、「第二の偉大さ」に位置付けられます。偉大ではあるけど、表面的なものなのです。
「第二の偉大さ」は、「第一の偉大さ」を土台にして初めて、効果を発揮することになっています。
では、「第一の偉大さ」としての順算、というコンセプトで考えた時、順算とはどのようなものになるか。
順算という文字を分けてみると、「順行して計算する」ということです。
であれば、「順行とは何か」がまず問題になるはずです。
順算・逆算においては、「時間の流れにおいて、現在から未来へ流れるのが順行であり、未来から現在へ流れるのが逆行である」と言えそうです。
時間を管理するテクニックとしては、時間を客観的に計れる状態にし、24時間や365日と区切って、その流れを順行なり逆行なりして計算することが可能です。
これはこれで、偉大な発明です。
それとは別に、「第一の偉大さ」としての順算を考える時は、客観的なものではなく、主観的なものに視点を移すことになります。
「やり方」ではなく「在り方」に目を移してみます。
「第二の偉大さ」としての順行・逆行は、「時間の流れ」でありました。
「第一の偉大さ」としての順行・逆行は、「意識の流れ」だと思います。
意識の流れとしての順行を、別の表現にするとインサイドアウトということになります。
インサイドアウトとは、『7つの習慣』における、かなり重要なキーワードです。
『7つの習慣』において、インサイドアウトとは、「自分自身の内面から始めるという意味である」と書かれています。
つまり、自分の内面から湧き出るものが、外面へ流れているのが、順行です。
反対に、外面(社会や他人)から内面(自分)へ向かって流れているのが、逆行になります。これは、アウトサイドインです。
もう少し、『7つの習慣』の文脈で、インサイドアウト=意識の順行について見ていきましょう。
自分の内面から始めて、順算によって偶然の力も生かし、想定以上の成果を出して、思いもよらぬ幸福が訪れるためには、順序があります。
せっかくなので、順序についても簡単に触れておきましょう。
主体的であること (第1の習慣)
主体的に、終わりを思い描くことから始めること (第2の習慣)
思い描いた終わり(=理想)を最優先事項とし、実際にきちんと優先すること (第3の習慣)
自分の満足だけでなく、共に歩むメンバーも一緒に満足するようにすること (第4の習慣)
そのために、自分を理解してもらうより先に、まずメンバーの理解に徹すること (第5の習慣)
理解し、理解されることによって築いた信頼関係によって、シナジーを起こすこと (第6の習慣) ←※思いもよらぬ幸福の訪れ
第1〜第6の習慣を、磨き続けること(第7の習慣)
このような順序になっています。
これが、インサイドアウトであり、「意識の順行」に基づく実践です。
インサイドアウトを土台として、その上にテクニックとしての「順算・逆算」が乗っかってきます。
インサイドアウトがあってからの順算。
インサイドアウトがあってからの逆算。
インサイドアウトが土台にあれば、順算であれ逆算であれ、幸福に近づいていきます。
順算であれ、逆算であれ、その時、幸福に近づきやすいテクニックを選べばいいのです。
「他人からどう思われようとも、他人がどのように幸せに見えようとも、自分の内側の情熱から始める」のです。インサイドアウトです。
インサイドアウトを抜きして、順算だとか、逆算だとかにこだわっていても、表面的な言葉遊びに終わってしまうでしょう。
今回のブログ記事は、「順算って何?」というところからスタートしました。
最後に、僕なりの定義をここに書き記して、終わりたいと思います。
順算とは、現在について洞察し、未来へ向かってタスクを組み合わせて、始めていく技術である。
逆算とは、未来について予測し、現在へ向かってタスクを計画立てて、終わらせていく技術である。