優先するタスクを選ぶときの「よりよい」について 【7.TaC】
僕は、タスクシュートを、
「よりよい人生に向かって共に歩むための相棒」と思っています。
ここで、「よりよい」について、
『7つの習慣』のエッセンスも交えながら、考えていきます。
タスクシュートは、
1日の仕事(タスク)を、上から順番に気持ちよく滑り降りる(シュート)ように終わらせられるメソッドです。
このタスクシュートの、最も卓越したところを挙げるとすると、
「優先順の提示」という点になります。
上から気持ちよく滑り降りるように、「次にやることは、これだよ」「その次にやることは、これがいいよ」と、「優先順の提示」をしてくれるのです。
途中で突発的なことが起こっても大丈夫です。
柔軟に「優先順」を変更するための仕組みも、整っています。
だから、状況が揺れたとしても、その時に最適な「優先順が提示」され、安心して気持ちよく滑り降りることができるのです。
さて、「優先」という文字には「優」が入っているように、
より優れたもの、よりよいものを指し示す言葉です。
「優先」があれば、必然的に「劣後」があります。
タスクには、優劣があります。
誰の、どんな基準による優劣なのでしょうか。
それは、自分自身の生きたい人生を基準とした、優劣です。
自分の生きたい人生へ向かって、<よりよく>生きるために、タスクには優劣がつけられます。
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<よりよい>というのは、とても大事なテーマです。
個人にとっての<よりよさ>もあれば、社会にとっての<よりよさ>もあります。
漢字にすると2種類あって、「善い」と「良い」になります。
英語にすると、
「善い」は、Good(グッド)であり、
「良い」は、Nice(ナイス)です。
スティーブン・R・コヴィの名著『7つの習慣』には、この2種類の<よりよさ>に対応した言葉があります。
人格主義と個性主義です。
人類普遍の原則を中心とする人格主義は、普遍的な価値である<善さ>をベースにします。
個体のスペックや快楽を中心とする個性主義は、刹那的な価値である<良さ>をベースにします。
人間の幸福にとって、最も身近なものは<良い>ものです。
しかしそれは、<善い>ものをベースとしなければ、独りよがりであったり、他者との共生を妨げるものであったりします。
<善さ>を根っことして充分育(はぐく)んでおけば、
その上に伸びる<良さ>は、自分にも心地よく、他者にも喜ばれる花を咲かせることでしょう。
タスクシュートは、「よりよい人生に向かって共に歩むための相棒」です。
<よりよい>人生に向かうにあたって、優先するタスクを選ぶ際には、
「善さ」なのか、「良さ」なのか。
「善さ」をベースとできているのか、独りよがりな「良さ」ではないのか。
そのあたりを吟味することで、本当によりよい人生に向かうことができるのだと思います。