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テクノロジーの進歩と障害福祉について
テクノロジーの進歩によって、人間にできることが増えていきます。
できなかったことが、解決に向かいます。
では、テクノロジーが進歩すればするほど、問題がなくなって安心できるかといえば、そうではないですね。
「できることが増える」ということは、善にも悪にも利用できるということです。
また、「できることが増える」ということは、今までスルーして良かったことが、スルーできなくなる、ということです。
「できなくてもしょうがないよね」だったのが、「やろうと思えばできるのだから、あとは選択の問題だよね」「やるの?やらないの?」と迫られる場面が増えてきます。
「できない理由」が必要になるのです。
選択には価値判断が伴うので、選択の機会が増えるほど、価値観の違いが浮き彫りになってしまうことでしょう。
世の中一般的に正解と思われて共有されている選択肢=常識。
これが揺らいでくるので、常識とは何か。ふつうとは何か。考えなければなりません。
一般的な正解、常識に支えられるのが、社会秩序です。
秩序は、英語で、オーダー。
オーダーから逸れるものは、ディスオーダーと呼ばれます。
ここからさらに、ディスオーダーを、日本でどう訳すか。
「障害」と訳されます。
障害福祉における「障害」です。
障害があるということは、
「この人は、ディスオーダーです」ということです。
オーダー自体が揺らいでいる時代では、
ディスオーダーも当然、揺らぎます。
ディスオーダーから、次の時代を構築するものが育まれるのかもしれません。