見出し画像

タスクシュートで、「第四世代の時間管理」をしよう! (その1)

タスクシュートは、「第三世代の時間管理」を非常に円滑にできる、とても優れたメソッドです。
これ以上のメソッドは、ちょっと見当たりません。

「第三世代の時間管理」とは、スティーブン・R・コヴィが、名著『7つの習慣』で書いているものです。
第三世代の時間管理の特徴は、
①「第一世代のToDoリスト」と②「第二世代のカレンダー」とを併せ持っていること。
さらに、③「価値観の明確化」と④「優先順位づけ」が加わっていること。
この4つが特徴となっています。

タスクシュートは、ToDoリストとカレンダーを一体的に管理し、一本のレールを敷くかのように、上から下へ実行順にタスクを並べることで、気持ちよく滑り降りる(シュート)ような行動の後押しをしてくれます。

第三世代の時間管理をする上で、このような発想の、しかも進化し続けるツールは、世界唯一と言って過言ではないでしょう。


しかし、コヴィ博士は、「これからは、第四世代の時間管理が求められている」と言います。それはなぜなのでしょうか。

第三世代の時間管理には、大きな課題があります。
一つは、効率主義。もう一つは、独りよがりです。


効率主義

効率主義というのは、「間違ったジャングルでも、速く進もうとすること」「間違ったハシゴでも、速く登ろうとすること」です。
その目的地が、正しいかどうかは問題にされません。正しいも間違ってるも、良いも悪いも、考えません。
目の前に現れたタスクをできるだけ早く、できるだけ多くこなすこと。できるだけ効率的に目標を達成すること。それが求められます。

効率主義は、重要度という尺度を失っています。その代わりに領域を広げているのが、緊急度です。
重要度が自分の内側から生まれるのに対して、緊急度は自分の外側からもたらされます。
外側から鳴り続ける「これをやれ、あれをしてくれ」というアラーム。「忘れないでね」というリマインド。「これはいかが?」というレコメンド。「お知らせあるよ」というプッシュ通知。
すぐに反応してくれ!という刺激の嵐です。

アウトサイドからの刺激に反応し続けると、間違ったハシゴに登っていることに気付かず、登り終わった時にふと周りを見て、疲れながら思うのです。
「あれ、ここに来るはずじゃなかった」と。
優先順位をつければいいというものではないのです。

また、効率を求めるということは、人間をモノ扱いすることにもなります。
相手が家族であれ、同僚であれ、「自分がうまいことやるために動かす対象」に成り果てます。
もちろん相手は、モノ扱いされることを敏感に感じ、気持ちよくありません。相手からは、協力が得られず、シナジーも起こらず、自分でやるしかなくなります。
自分でできる範囲であれば、うまくいくでしょう。しかし、自分を超えたところに行くことはできません。
思いがけずシナジーが起こり、自分も相手も溶け合うかのように、喜びを共にできる一体感。あの甘美な幸福は、生きているならどうしても味わいたいものです。


独りよがり

独りよがりというのは、「自分だけにしか通用しない価値観」です。
コヴィ博士は、「強盗団には、強盗団なりの価値観がある」とし、それを「愚かしさ」と批判します。
価値観には、他人を傷つけ、迷惑をかけ、悪くするようなものもあります。
「価値観の明確化」をしたとしても、独りよがりな価値観は、愚かなものであって、尊重すべきものではありません。
価値観を明確にすればいいというものではないのです。

第三世代の時間管理は、ToDoリストとカレンダーの一体化だけでなく、価値観に沿って、優先的なタスクから実行することができる、優れたメソッドです。
しかし、独りよがりな価値観に沿って、自分の外側から与えられた緊急タスクを優先に、できるだけ早くできるだけ多くこなし、目標の達成を目指しているようでは、それは<幸福への道>とはけして言えないのです。

それを乗り越えるのが、「第四世代の時間管理」です。


第四世代の時間管理

第四世代の時間管理では、<人類に普遍的な善さ>を中心に置きます。
普遍的とは、どの時代であっても、どの地域であっても、どの文化に育っても、共通して<善い>と納得できるということです。
また、第四世代の時間管理では、<内側から溢れるミッション>もまた中心に置きます。「誰がなんと言おうと、自分にとってはこれが大事なんだ。自分はこう生きたいんだ」と思える信念です。

第四世代の時間管理は、原則(普遍的な善さ)とミッション(内側の声)を中心に、インサイドアウトで行うタスクマネジメントであると言えます。


第四世代の時間管理になると、「時間」管理ではなく、「自分の行動」管理。つまり、タスクマネジメントという発想になってきます。


では、「タスクシュートを使って、第四世代の時間管理をする」とは、どのようなものになるでしょうか。

続きは、以降の記事に書いていこうと思います。


いいなと思ったら応援しよう!