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「順風」に乗る!順風満帆なタスクシュート

タスクシュートというタスク管理メソッドを実践していると、順算や逆算について、考えることが多くあります。

逆算は、未来から現在へ計画を立て、計画に必要なタスクを書き出し、タスクを消化していくもの。
順算は、現在から未来へシミュレーションし、その時に必要なタスクを組み合わせ、タスクを積み上げていくもの。

順算や逆算はテクニックなので、使いやすいように使えばいいものです。

順算なのか、逆算なのかは、あまりこだわりません。


それよりも僕が大事だと思っているのは、「順風」に乗ることです。


タスク管理の文脈で順風という言葉を使っていたのは、タスクシュート考案者の大橋悦夫さんです。

これをくり返すことで、自然と「順風」に乗ることができるはずです。

2024.3.23タスクシュート・ジャーナル「現実世界では順算と逆算が混じり合う」(一部有料)


(※ちなみにここで言う「これ」とは、「まずは今日という一日を順算で過ごしてみる。記録に残ったその過程を振り返りながら、翌日もまた順算で過ごす」ということです)


僕はこの文章を読んだ時、順風という言葉が、「とてもいいなぁ」と思いました。
「順風(じゅんぷう)」っていうのは、語感も、イメージも抜群にいいです。
「ぷう」というのが、可愛らしくて、コミカルで、爽やかで、いい響です。



「順風」は、名著『7つの習慣』ともよく合うので、
「7つの習慣」と「順風」の関係について今回は書きたいと思います。




風とは


順風というからには、まず「風」があります。
タスクマネジメントの文脈における「風」とは、「自分を超えたところで働いてる、何らかの力」を指します。
例えば、タスクシュートのトレーナーをされているkyo-koさんは、このように感じています。

風が吹く。
これは、『7つの習慣』で言う「自然の法則」が働いてる様子でもあります。
「自然の法則」とは、人類に普遍的な原則のことを指します。


風の向き

「順風」というからには、風の向きがあります。
風の向きには、順行もあれば、逆行もあります。

どこに向かうのが「順行」なのか。
それは、空で動かずに同じ場所を示し続ける、北極星のような原則。
そこに向かう風が、「順風」となります。
人類に普遍的に<善い>とされている原則に向かう風です。

風の向きには、真北(まきた)の法則があります。
どこにいても、北極星の位置は、北です。風もいつも北(北極星)を目指して吹いています。


心の内側から吹く風

自分の行動にも、方向性があります。
内側の声に従って、理想世界に向かって進むのは、順行です。
外側の声に従って、理想世界から離れていくのは、逆行です。

風の方向と、行動の方向。
「風に乗る」というのは、この2つの方向性が一致している時に起こります。

内側の声に従う。すなわち、インサイドアウトです。
内なる炎から生じている熱風。そこから外側へ向かっていく活動は、インサイドアウトです。

世間や社会が求めてくるものに乗っかるのは、アウトサイドインです。
行動が、社会通念の鏡のようになってしまっています。
他人から渡された脚本で、生きてしまっています。


心の声は、尽きせぬ泉です。
いつでも水で満ち溢れ、他者に与えても与えても、尽きることはありません。自分も他者も、元気にします。
それが、インサイドアウトです。

アウトサイドインは、水を奪っていきます。
他者が水を奪っていくので、枯渇してしまいます。元気がなくなっていってしまうのです。


小さなまとめ

ここまでをまとめると、
「原則」に向かって、インサイドアウトの活動をする。
それによって、自然と「順風」に乗るという現象が起きる。

ということになります。

順風に乗ると、力まずに、自然体で、リラックスさえしながら前に進むことができます。
逆風になってしまうと、不自然に力を込めなければならず、すごく疲れるけど、頑張ったほどには前に進みません。

体感としては、「運がいい」「運が巡ってきた」という感触があるかもしれません。
成功する人が、「運に恵まれた」とよく言うのは、原則に向かってインサイドアウトの活動をしてきたからなのでしょう。


「順風満帆」という最上級の幸福現象

さて、順風といえば思いつくのが、「順風満帆」という四字熟語です。
これもまた、いい言葉です。
とても豊かな感じがしますよね。

順風満帆とは、どのようなことなのかについても、触れておきたいと思います。


順風満帆とは、順風を受けて、帆がめいいっぱい張られ、広がっている様子を指します。

これは、「7つの習慣」で言うと、「シナジーが起こっている状態」です。
けして1人では起こせません。仲間がいて、他者がいて、初めて起こるのがシナジーです。
「7つの習慣」でも、<公的成功>の領域ですから、当然、人間関係の中で起きます。

急いで確認しておきたいことは、<公的成功>の前段階には、<私的成功>の達成がある、ということです。
「7つの習慣」では、それが基礎構造になっています。

自己を確立しないうちからシナジーを目指しても、相手への依存状態になるだけです。

コヴィ『完訳 7つの習慣』P.91

タスクマネジメントでも、まず目指すべきは〈私的成功〉です。
個人の確立です。

つまり、自分の人生は、自分の責任で変えていくという主体性を持ち(第1の習慣)、理想の人生脚本を思い描き(第2の習慣)、最重要なことを実行する(第3の習慣)。
それがまずできなければなりません。
タスクシュートでも、まずそれを目指しましょう。

タスクシュートの<私的成功>と<公的成功>

タスクシュートにおいては、私的成功するというのは、「しっくりくる」という感覚を得られるようになることだと思います。
まず、ここを目指す。
その次に、<公的成功>です。


〈私的成功〉の領域では、せいぜい「自分がしっくりくる」程度までです。
いい感じではありますが、幸福感はそれほど大きくはありません。ささやかなものです。
それだけで充分だと思うのであれば、それでもいいでしょう。

でも、どうせ生きているならば、シナジーという甘美なる幸福まで味わってもらいたいと思っています。
あの自分と他者が溶け合うような、別々であって一体であるような、想像なんてしていない、できないような現象で、幸福感に満たされる
そんなシナジーをぜひ味わってもらいたいです。


そのためには、〈公的成功〉の領域にまで進んでいく必要があります。
お互いが確立した個人となった上で、Win-Winの関係となる努力(第4の習慣)をし、相手の理解に徹する(第5の習慣)ことにより、抑止力が減少して次元の高いシナジーが起こります(第6の習慣)。

「7つの習慣」のシナジー

「次元の高いシナジーを起こす」と書くと、一般的には、「みんながそれぞれ頑張ることで、より良い結果になる」という印象が強いと思います。
しかし、『7つの習慣』で書かれているシナジー現象は、それとは違って独特です。
常に、逆風と順風のせめぎ合いがあり、Win-Winを目指す中で、逆風(抑止力)がおさまっていく。
結果的に、次元の高いシナジーが起きる。
そのような構造になっています。

シナジーを起こそうとして起きるのではなく、自分や相手に誠実に関わっているうちに、「結果的にシナジーが起きる」というところがポイントです。

コヴィ『完訳 7つの習慣』P.454

タスクシュートでデイリープランを立てる時には、「タスクをこなす」よりも「人に働きかける」「人と誠実に向き合う」というタスクを意識して入れるといいでしょう。
信頼関係が育まれ、抑止力が減少することで、高い次元のシナジーが訪れます。


さいごに


こうして、
「原則」に向かって、インサイドアウトの活動をする。
それによって、自然と「順風」に乗るという現象が起きる。

さらに、個が確立した、信頼できる者みんなが「順風」に乗って活動することにより、シナジーという甘美な状態に包まれている。

これが、順風満帆という状態です。


順算や逆算というテクニックよりも、
順風に乗る。
順風満帆で進む。
それを目指すべきだと思います。


順風を受けて進むタスクシュート


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