雪組バウホール公演「Sweet Little Rock 'n' Roll」感想③ フィナーレ
どんどん長くなっていくのでどうしようと思いつつ(笑)
フィナーレについて、最後に書きたいと思います。
もうね。
何もかも全部ウワーーー!!!ってなるレベルで、とにかく黒燕尾が最高でした。
めちゃくちゃ恰好良かった!
ほら、ナウオンであがあみ、二人してすっごい嬉しそうにキャッキャはしゃいでたじゃないですか。
始まって割とすぐ理解しました。いやこれは無理ないわ、そりゃあはしゃぎもするわと、たいっへん強く納得しました。
こんなフィナーレつけて貰えてよかったねええええ!!!
きっちりやりきる真面目な雪組生が愛おしいです。
きみたちは強い。ほんとうに。
オープニング
本編終了後、突然鳴り響く心臓の音。
あがた(縣千さん)がすごい姿勢で寝ているところから始まる。
好きな方には申し訳ないんですけど、私ここ気に入らないです。(笑)
いやだって「ロックンロール」なのに、なんでフィナーレ導入に韓流のラップを持ってくるの。わけわからん。まるで繋がりがないじゃない。
あがたはわりと敢闘賞、ですが、でもやっぱり喋り切れなくてビートが声では刻めずテンポがずれるのが気になるよう。はいちゃん(眞ノ宮るいさん)が予想外にうまいのには笑ってしまったりした。
チョイスが謎すぎる…これ持ってきちゃうセンスよ…。
いろいろ眺めていると「演出家の趣味」だそうですね。
あれですか、サイトー氏におけるJPOPてんこもりみたいなもんですか。(根に持ってる)
まあそもそも本編にもロックンロール感は基本的になかったな。ポップだったな。
みんなゴリゴリに踊っています。ギラみ強めな衣装で。
彩海ソロ歌唱
と、思っていたら突然やってくる「ザ・タカラヅカ」。
これ、これってさ。
いわゆる「歌唱指導」というやつだよね…!?
綺麗なブルーのお衣装で、たっぷりと布をひるがえしながら、音を立てそうなキラキラをまき散らしながら、あみちゃん(彩海せらさん)が歌う。
舞台の上にはあみちゃん一人、スポットライトを浴びながら、彩海せらがうたう。
正直(いやラップの噂は勿論聞いてはいたんですけど)バーンとあみちゃんが「タカラヅカ」してくれたのに、すごくほっとしてしまいました。(笑)
その声はホール全体に声を響かせるのを楽しんでいるように、朗々と、あかるく、のびやかでまっすぐ。
ひとりで、しっかりとあの空間を埋めていた。あみちゃんが小柄なことなんて、全然感じさせない、存在感がちゃあんとあった。
月組に行って歌の場面が増えて、声量、もっともっと伸びるといいな。
できたらあと2、3まわりくらい大きくなってほしい。そしたらもう、大劇場でもバリバリに響かせられるようになるはずだから。
もっとできる。
もっと、きっと彩海せらならできるはず。
そしてここ、OPに続いてあみちゃんがめっっっちゃくちゃ朝美絢なのに笑ってしまった。
なるほどそうかそういう押し出しが!できるようになってきているのか、あみちゃん!!
きっとCH新公ミックの経験もめちゃめちゃに効いているのだろうなと思わせる、堂々たる居方で、歌唱でした。
おもしろいなあこの子。朝美さんファンにもぜひ注目して見ていただきたい。感想が聞いてみたい。
娘役群舞
真紅のドレスがとてもおしゃれ。
全体的に裾さばきがなんとも初々しくて、そんなところで、ああ若手バウであったと思い出したりする。
うんうん、がんばれ。
いっぱいがんばれ、みんな。
そしてね、夢白あやちゃんの、まんなかでライトをはじき返す確かな力ですよ。
着々と仕上がっていきつつある感。本編での絶妙な「かわいい」の匙加減、押し引き加減も含めて、ほんとうに頼もしい限りです。
この子は全部、ねじ伏せていけるんだろうな。なんというか、とても、誉め言葉として「現代的」な子だと思う。
そしてスタイルがリアルにお人形さん。この感想抱いたの星組のなこちゃん(舞空瞳さん)に続いて2人めだよ!!とんでもねぇな腰ほっそ!顔ちっちゃ!
あとは個人的に、ガッ!と足を上げる瞬間のはおりん(羽織夕夏さん)に、あゆみさん(先日退団された沙月愛奈さん)の影をみてしまったりしていました。はおりん、あゆみさんのお手伝いさんだったのね…(あゆみさんInstagram参照)
はおりんにも今後もっと注目していきたい。
彼女の歌も好きなので、もっと今後、歌の場面も増えたらいいよね…。
男役黒燕尾
もうね、圧巻。
めちゃくちゃ見ごたえがある。
みんなの気合が全身から迸っていて、見ていてものすごく気持ちが良い。最近見た黒燕尾の中で一番好きかもしれない。
二幕はここのためにある…とは言いすぎですが、ものすごく、ものすごく最高です。
何度だって見たい…どう足掻いたって目が、目が足りないぃ…。
望海時代の黒燕尾の精緻さ、統一感とキメ、タメのはっきりした感覚。
そこに彩風さんのふわりと滑らかな雰囲気もどこか重なって。
いやもう本当にめちゃくちゃ感動しました。ほとんど100期以下の若手、初黒燕尾の子もいるとは思えない揃いぶりと、躍動感。
全員に漲る「男役が好き、黒燕尾が嬉しい、もっと、もっともっとカッコよく!」の意気が、なんだかもう、見ているこっちが嬉しくなってきてしまうくらい、ぴっかぴか。
そしてとても偉いのは、そんな高揚感に、決して引きずられすぎることなく、きちんと揃えるべきところはバチッと揃えてくるところ。
ああ、プロだな…私は「これ」を見ていたんだよな…こうやって引き継がれていくんだな…って、あとから思い返してすごいしみじみしました。
見ているときは「ウワーーーーーーーー!!!」で感情が占拠されて語彙力は安定に死に絶え、こんなの考える余裕はなかったです。(笑)
あとそう、ここのあがたの掛け声「フッ」が、とてもしっかり声が、息が、子音がまっすぐに飛んで恰好良い。
そして、声の飛び方に、またどうしても望海さんを彷彿とさせられる私であったりした…。
正直な話、とても予想外なレベルで凄くしっかりはっきりと響いて、恰好良くて。驚いて、でも、同時に納得もした。
あがた、やっぱりちゃあんと追求している。
進歩するために、一生懸命、いつだって激走している。
わかってはいたけれど、本当に、改めて感じたまっすぐさで、真剣で、真摯だった。
あがた…あがたが掛け声をがんばってる…。
受け継いで、自分のものにしていこうとしてる…!!
そんなところでも、どうにも感動しきりでした。あがたは本公演でホントに男を上げたよな、と思います。
少なくとも私の中ではめちゃくちゃ上がった。
あとはもうね、ここの、黒燕尾のあみちゃん。
彼女からは、とにかくありとあらゆる部分に望海さんの影を感じてしまって仕方がありませんでした。
いやあのそもそも私、初日の黒燕尾写真が出た時点で、手の伸ばし方やら指先やらポージングの仔細に、ものすごく望海さんみを感じてしまって。
こ、これは…と実はひそかに戦慄していたんですが(笑)目の前で繰り広げられる本物は、まったくもってそんな戦慄でおさまるレベルじゃなかったよー!!
いやもう本当、望海さんのファンの方、是非見てほしい。
ほとんどすべての細部に、望海さんのおもかげがよぎります。
でも、そうでありながらきちんと彼女は「彩海せら」なの。確かに彩海せらさんなの。
ああこの子はどこに行っても大丈夫だ…と、
どうしたって寂しさは拭えないながらも、確信させてもらえた場面でもあったりしました。
んでもって皆さま言っている通り、途中、二列になった男役たちの間を、あがたが抜けていきながら一人ひとりに絡んでいく振りがとても危険。
しかもなんではいちゃんとあみちゃんだけ腰を抱くのか。ふたりも完全に男役で対応を作ってるのが余計にウェエエエってなる…。
ホント、何回だって観たい。この三人の作る三角形、それぞれ踊りのスタンスがまるで違う「のにしっかり振りが揃っている」ため、見ごたえが半端なくてすんごい楽しい。
デュエットダンス
ドライアイス、竜巻になるの巻。
あがたの体力が底なしすぎて、これ2回公演やってる日も普通にあるんだよね???って我に返るとめちゃくちゃ不思議になります。
リフトがとにかく軽やか、かつ超速回転で、そりゃあ夢白ちゃんも「無重力空間です!!」っても言うわ。すごいわ。
しかもそんな超絶技巧を魅せていながら、ふたりともすごくうれしそうで楽しそうなの。
すごいよなあとしみじみ思う。
きみたちがプロムキングとクイーンだよ…。
さて。
感想をちまちまと書いている間に、無事に「Sweet Little Rock 'n' Roll」は、本日1/24の前楽までが終わりになりました。
誰一人欠けることなく、全員が全力全開で。
泣くも、笑うも、残るはあと一回。
どうか明日の千穐楽が、雪組生みんなにとって、一番楽しい幸せな一日になりますように…!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?