《消費する山の楽しみ方から自分たちで山を保全していく楽しみ方》1095登山道整備隊について
『1095(トクゴー)登山道整備隊』発足の概要
上高地へ向かう江戸時代から残る徳本峠クラッシックルートの整備団体を作り、一般の参加者を募集し、整備してもらうことにより《消費する山の楽しみ方から自分たちで山を保全していく楽しみ方》へ意識をシフトさせていくことで、100年先も残るルートの整備活動を根付かせることを目指します。
実施場所としては松本市安曇島々より徳本峠を経て、明神へ抜ける島々明神線の登山道部分の整備となります。
登山者等から「いつかは通りたいクラッシックルート」といわれるほど潜在的なファンが多い道で、Wウエストンや上條嘉門次、芥川龍之介、高村光太郎、小島烏水、加藤文太郎という岳人文化人の歩いた古道で、蝶や山野草、岩魚などの日本固有の生態系が今も残り、島々谷川に寄り添いながら20kmを踏破し、上高地へ抜けるという国内でも例をみない貴重な山岳ルートです。
かつては(江戸時代)島々集落の人々は杣(そま)(きこり)として上高地内の木の伐採を命じられ、年貢として藩に収め生計を立てていました、明治になり国有林化された上高地での伐採作業は禁止され、それまで土砂災害などが起こると村総出で復旧にあたっていたが、登山文化の流行も相まって生活道路としての意味がなくなり、長野県、環境省などの行政による復旧に頼らざるを得なくなっているが、2019年上高地群発地震及び豪雨災害により50か所以上被災し、2023年2月現在までこのルートは通行止めのままであり、集落では廃道を危ぶむ声も聞こえています。
プロジェクト概要
◆現在、このルートの整備に関して『徳本峠小屋』及び『古道徳本峠道を守る人々』の二つの団体が道普請という形で携わっています。徳本峠小屋は少人数で霞沢岳・明神・大滝山へのルート整備を行っており、島々徳本峠間のルート整備にはリソースに限界があります。
もう一つは主に行政の中から有志=個人が参加している『古道徳本峠道を守る人々』という団体があります。支障木の撤去・伐採や橋の架け替えなどの重作業を得意としていますが。ルートが長いため、複数の障害箇所の整備対応には負担が生じている状況です。
また、万一焼岳の噴火が大規模に起こった場合、上高地エリアからの避難路として残さなければならない重要なルートでもあり、維持・保全は地域としても取り組まなければならない課題と考えます。
その活動に私も何度も参加した中で、一般参加型の登山道整備の可能性を模索していました。
私は松本市の安曇・島々で『アルパインカフェ満寿屋(ますや)』という山岳カフェを経営しており、客層である一般の登山者はもとより、登山ガイドやクライマー、山小屋の従事者や経営者が訪れる中で、「クラッシックルートの通行の是非の問い合わせ」や「クラッシックルートの整備に参加したい!」との声が非常に多く、《未来に向けた、より開かれた徳本峠クラッシックルート整備》が実現できるのではと思い活動を開始しました。
活動計画
◆2023年3月に『1095(トクゴー)登山道整備隊』として発足する。当初は、経営する山岳カフェを母体にチーム編成を考え、資機材や消耗品の調達を自費で行っていましたが限界があり、カフェと別の団体を作り参加者から参加費(寄付)を募り、活動をスタートさせる予定です。
◆既存の整備団体と協議の上、初年度は重整備は行わず体験型の整備を多く実施し、きめ細かい整備・保全を考える。具体的には、木道に堆積した落葉の除去、軽微な支障木の撤去、落石の除去、巻道の付け替え作業などを中心とし、人が歩くことにより地固め=道の健全性が保たれる状況を実現していくことを計画しています。
◆このボランティア活動には、多くの参加者を募集しています。登山経験があり、元気で健康な方であれば歓迎いたします。
◆カフェ営業中には、危険個所の状況や装備品の事前説明を行っております。参加日前には出来る限りこの事前説明を受けてください。
作業中は、安全に配慮し、作業手順や注意事項をしっかりとお伝えしますので、初めての方でも安心して参加していただけます。
◆遠隔地の方やご高齢の方など現地での整備に参加できないには寄付型の参加や、
得意なスキルがある方はそれを活かして参加していただける仕組みも作っていこうと考えています。(例:イラストやデザイン、動画制作、Web制作、現地ディレクションなど)
もちろん運営側のスタッフも募集しています。
◆松本周辺地域からの参加で、資器材運搬に使える軽トラを持ち込んでいただける参加者も募集します。
活動スケジュール
上高地開山に合わせ、4月中旬より巡視を行います。
それにより雪崩や倒木など新たな障害箇所を調査し、スケジュールを組みます。初年度となる今年は、ルート内のエリア分けを行ったり、整備の方向性を検討しながら軽微な整備を行いつつ活動いたします。
およそ11月の上高地閉山の時期までの活動となります。
日程のアナウンスはnote、およびTwitterで行います。
参加される方の基本の装備品などのご案内
ヘルメット、クライミングハーネス、笛(ワークマンで買える
現場用)、作業用手袋(ワークマンで買える現場用で
予備が有ると良いです)、60cmテープスリング(ダイニーマなどの細いもの)、カラビナ、環付きカラビナ、ゲイター、
ゴアテックスの登山靴・長靴・地下足袋など履きなれたもので渡渉通過できるもの。
以上が参加されるうえでご用意いただきたい装備になります。
汚れても大丈夫な装備でお願いいたします。
※チェーンソーなどの扱いが出来る方は防護用の装備などもお持ちいただけると良いかと思います。他は一般的な登山用の装備でOKです。
(ここでは書きませんが医療品や雨具、タオルとか諸々です)
昼食は1時間の休憩時間内に済ませられるものをご用意ください。
整備に必要な資器材はこちらで用意いたしますが、使い慣れた道具などがあればご持参ください。
参加者の個人情報の取り扱いについて
整備時の保険加入や登山届、万一の事故に備え以下の情報を提示していただきます。
〇一般参加or運営スタッフ参加
〇主に使用しているSNSとユーザー名(タグ)
〇活動中に写真に顔が映り込んだ場合などの公開の可否
〇氏名
〇連絡先(住所含む)
〇緊急時連絡先
〇血液型
〇生年月日
〇山岳保険の加入先
〇提供していただける車両(軽トラ・オフロードバイク)がある場合は、
メーカー名とナンバー(松本砂防事務所へ届け出が必要なため)
〇伐採、土木、建設業、ロープアクセス、ロープ高所作業、映像撮影、メディアのライターなどの
特別な職能や技能をお持ちの方はその旨お知らせください。
頂いた情報は、1095登山道整備隊の活動の範疇に限り使用し、
厳重に管理いたします。
地元の方々や登山愛好家たちと協力し、徳本峠登山道の修復や木道・木橋の清掃、安全対策などを行ってまいります。
あなたも、私たちと一緒に北アルプスの古道の整備活動に参加し、素晴らしい自然を守り、古道を未来に残す貢献をしてみませんか?
運営事務局
〒390-1502長野県松本市安曇島々1037
アルパインカフェ満寿屋 内
1095(トクゴー)登山道整備隊 事務局
0263-87-8216
応募用アドレス・お問い合わせなど
1095maintenance@gmail.com
note
https://note.com/1095maintenance
Twitter
https://twitter.com/cafe_masuya