橙と革命
2020年4月20日。わたしが心底愛してやまない太宰治の長女である津島園子さんが亡くなった。偶然かなにか、折しも数日前から猛烈に太宰が読みたかった。HUMAN LOSTがいっとう好きだ。人間失格が読みたい。太宰治は人間だった。どうしようもなかったとしても人間であり、確かに父であったのだと思った。
人間は恋と革命のために生れて 来たのだ。
「斜陽」のなかで、彼はこう云った。恋も満足に出来ないのであれば、せめて細やかな革命をしたい。あるいはどちらも出来ないのであれば、せめて、人間であろうとしたい。