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良いコーヒーの評価基準とは?
こんにちは!
私、バリスタとして専門学校の非常勤講師をやっております。授業ではコーヒーをとにかく飲んでもらい、舌を鍛える事ができるようにカリキュラムを組んでいるんですが、教えていく中で非常に難しい事があります。
それは「コーヒーの味の良し悪しを判断できるようになってもらう事」です。
ほとんどの生徒がコーヒーをあまり飲んだことがなく、中にはコーヒーを飲めない生徒もいます。そんな生徒たちにコーヒーの楽しさを伝えることができるように、日々模索しているのです。
コーヒーの味を感じ取るのは非常に難しい
まず味を感じ取る事が重要なんですが、これが非常に難しい。
自分でも味がわかるようになるまで1年以上、1日何杯もコーヒーを飲み続けました。しかもめちゃくちゃ集中しながら。
苦いとか酸味があるとかは初心者のうちでもわかるんですが、甘みやコク、口当たりの重厚感やフルーツやハーブ、スパイスのフレーバーなどは感じ取るのが非常に難しかったです。飲み始めてしばらくは全部同じ味だと思ってて、芋やカレーみたいな香りしか感じ取れませんでした…
自分が勉強していた当時は、フレーバーがはっきり出るコーヒーもまだ少なかったので、今と比べると厳しい環境だったなと感じます。しかし、それでも味を完全に感じ取る事は難しい事なのです。
ただ、味を感じ取る事ができればコーヒーの良し悪しはわかるようになります。今回は、コーヒーの味のどんな部分に意識を向けて飲めばいいのかをお伝えしていこうと思います。
コーヒーホリックのみなさんの、日頃のコーヒー選びにぜひ役立ててみてください。
コーヒーの評価基準①雑味の有り無し
まず重要なのは雑味の有り無しです。雑味とはいわゆるえぐみや変な苦味や、舌が痺れたりする感じなど、飲むことができないと直感で判断できる味です。雑味があると、舌の両端にいがいがした感じが残り続けたり、飲んだ後もずっと変な匂いや感覚が続きます。
雑味がはっきり出ていると、シンプルに飲んではいけないと判断できるくらい強烈な味なのですが、焙煎が深すぎる豆を買ってしまうと、苦味が強烈に出てしまいますので、強烈な苦味を雑味と間違えてしまうこともあります。
雑味が出るコーヒーは原材料に虫食いやカビ豆、未成熟豆などの欠点豆が混じっており、それが取り除かれずに混じったまま商品化してしまうと、抽出した時に雑味が混じることになります。他に考えられる要因としては、焙煎がうまくいかなかったか、変な抽出をしてしまう(時間をかけすぎたり、高温で抽出したり、煮詰めたりしてしまう)と雑味が出やすいです。
コーヒーの評価基準②酸味の質の良し悪し
次が酸味の質です。酸味の質が良いか悪いかで判断します。
悪い酸味というのは、酸化したコーヒー豆が持つ、不快な酸味のことです。強烈な酸であったり、腐ったような酸っぱさがある酸で、悪い酸味は口の中に留まり続けます。対して良い酸味はフルーツのようなすっきりとした心地よい酸味で、飲んだ後はすっと消えていき、甘さだけが口の中に残る感じです。
この酸味は正しく抽出できていない時に出ることもありますが、多くの場合は酸化したコーヒー豆を使った時に、変な酸味が出やすくなります。酸化しているので、シンプルに体に悪く、コーヒーを飲んでお腹を壊したり、体調を崩したりする人はこの酸化したコーヒー豆を使っている場合が多いです。
要は賞味期限が切れたコーヒーを飲んでしまっているという感じです。コーヒーの賞味期限は、封を開けていなければ一ヶ月くらいは持つものの、一旦開封してしまえば三日と持ちません。
ちなみに、カビ豆や未成熟豆などの欠点豆の混入によっても質の悪い酸味は発生します。
コーヒーの評価基準③フレーバーがあるかどうか?
豆の個性を感じるフレーバーがあるか?これはかなり重要です。
フレーバーといってもコーヒーっぽいフレーバーではなく、フルーツやスパイスやハーブのフレーバーです。
苺・ブルーベリー・アプリコット・カシス・オレンジ・グレープフルーツ・りんご・マスカット・マンゴー・バナナ・バニラ・キャラメル・きび砂糖・黒糖・はちみつ・ジャスミン・ブラックティー・トースト・チョコレート・スイートポテト・しそ、、、などなど…
あげ始めるときりがありません。コーヒー豆の生産から加工までの方法により、これらのフレーバーは発生します。ちなみに、ロースターは豆の個性を見極めて、その個性を表現できるような焙煎計画を立てていきます。
コーヒー豆を買うと、こういうフレーバーがありますよーという紹介が載っていたりしますが、実際にフレーバーを感じ取るには結構長い間意識して飲み続けないといけないので、そう簡単に感じ取れるものでもありません。しかも焙煎がうまくいったりいってなかったりと、割と当たり外れがあるコーヒーショップも多いので、注意が必要です。
味を意識してコーヒーを飲んでみましょう
さて、ここまでで三つのポイントをお伝えしてきました。
ぜひ覚えてもらい、コーヒーを飲む際の判断基準にしてもらえたらと思うのですが、ただ理解しただけで味がわかるようになることは残念ながらありません。日々コーヒーを飲む際に意識して飲み続ける事が重要です。
「雑味はあるかな?」「この酸味の質はどうかな?」「フレーバーはどこかにあるかな?」「このコーヒーはどんな味がするのかな?」など、考えながら飲むと、舌は鍛えられていきます。
もし可能なら、コーヒーにこだわっている豆屋さんやカフェなどへ行った際に、味を感じ取る事ができるようになるためにはどうすればいいかを聞いてみると教えてくれると思います。コーヒー好きはみんな教えたがりなので笑
それではみなさんのコーヒーライフがもっと充実する事を願って、今回はこの辺で!
それでは、また!