先輩っていますか?
前回は簡単にアパレル業界への入り口のことを書きましたが、今回は仕事人生の中で人との関わりの話です。
□先輩っていますか?
単純に仕事上の上司とかではなく、しっかりと近い距離感で、仕事を教えてもらった先輩っていますか?または、いましたか?自分より後から上司が入ってきたとか、あとから年上の人が入社してきたとかありますが、私がイメージする先輩は、自分より先にその会社にいてその会社のやり方を教えてくれる人、自分よりその業務においてスキルや経験がありそれを教えてくれる人というイメージです。現代では、年上・年下とかはあまり関係ないと思っていますが、自分の中では年上というのもポイントかもしれません。
何回かの転職で色々なパターンの会社を経験してきましたが、そんな先輩がいない会社って離職率が高く、業務が安定していないなぁと思います。新しい会社に入って分からないことが出てきたときに、業務のことにしろ、社内のルールにしろ『これってこういうことですよね?』とか『この資料ってどこにありますか?』とか聞くことは多いです。そんな時に、誰も知らないとか、もしくはめんどくさがって知らないと言われるとか、時々ありました。それでも知らないといけないときには、『誰が知ってますか?』と食い下がるしかないですが、ちょっとしたことに時間がかかります。
勿論、中途入社した人のあるあるで、それは中途で入ってきた人が自力で調べるべきことでしょ?!と言われればそれまでですが、その人も中途で入ってきた人だったりすると、この人も同じで本当に知らないのではないか?と思うようになりました。
つまり転職が普通になってきたこの時代、業務やノウハウが引き継がれずに、せっかく会社としての財産となるべき失敗や成功の経験が、なかったことになっていて、その重要性に気づいていないのではないか?と思うようになりました。
□人から教えてもらう重要性
しっかりとした業務マニュアルがあり、それをもとにしたOJTが実施され、新卒にしろ中途にしろ、初期段階である程度のレベルでストレスなく業務を進行できる土台がある会社もあると思います。ただ、自分の経験としては、そんなの存在しない会社は多いです。そして、そんなの無いものと思い、これまでの転職では最初にどれだけ自分で動いて、社内のルールや仕事のやり方を掴むかを重要視していました。
でも、自分が幸運だったのは、MDとして未経験ながら入った会社で、ディストリビューターやマーチャンダイザーとしての基礎を、エクセルでの帳票の作り方や商品配分のやり方などから教えてくれた”先輩”がいたことです。また、ジュエリーというそれまで扱ったことがなかった業界に入ったときには、商品知識を丁寧に教えてくれた”先輩”がいました。その人たちがいなかったら、かなり違った状況になっていたと思います。それぞれの会社において、部長やマネージャーなどのポジションに就くことになりましたが、大げさではなくその”先輩”がいなかったら、そうはなっていなかったように思います。ある意味、その人たちの数年間の経験を、話を聞き教えてもらうことで短期間で自分のものにできたということです。
これをやってくれる人は、私の経験上では100人に1人くらいです。そして、それらは多くの会社の中では業務としては存在しておらず、たまたま巡り合ったというレベルでの奇跡に遭遇した人だけが感じられる出来事ではないかと思います。
□”先輩”というミッション
これまで上げてきた事例、もしくはその人を私は”先輩”としていますが、この”先輩”とういミッションはとても重要に思っています。多分、それが存在しない(滅多に出会わない)理由は、あくまで個人の裁量の中で行われている業務であり、会社としてはそこにそんなに人とコストをかけようとしていない、ということなんではないかと思っています。
会社員から自営業に転身しようと思い立ち、これまで自分が困ったことや大変だったことを解決するようなことを、自分の仕事にできればいいなと思っている今日この頃です。